2015年 01月 17日
問う、大段の第二、文底の顕本若し誠証を尋ねられば応に何れの文を出だすべきや。 答う、深く之を秘すと雖も若し復伝えずんば当門の法燈何に由ってか光を増さん、故に明文を考えて以って末弟に贈る、公場に非ざるよりは妄りに之を宣ぶる莫かれ。 今此の文を釈するに大に分かって二と為す。 問う、何ぞ本果を以って垂迹に属するや。 答う、本果の儀式全く今日に同じ、四味及以迹本二門、今の文に顕然なり、況や復疏の第一に云わく「本時の四仏は皆是れ本なり」云云、籤の第七に云わく「四義深浅不同あり。故に知んぬ、不同なるは定めて迹に属す」云云。 問う、何ぞ本果を以って化他に属するや。 答う、是れ亦前に同じ、既に四教八教有る故なり。籤の第七に云わく「最初実得に亦四教有り」云云。疏記の第一に云わく「化他は不定なり、亦八教有り」等云云。 問う、本果は正しく是れ最初成道なり、何ぞ寿量を説き発迹顕本せんや。故に玄の第七に云わく「必ずしも皆顕本せず」と云云。 答う、若し文上に准ぜば実に久本の顕わす可き無し、故に顕本せず、若し文底に拠らば実に久本の顕わす可き有り、故に顕本と云う、義一概に非ず、故に「不必」と云うなり。
日蓮大聖人の発迹顕本を説き明かす につづく #
by johsei1129
| 2015-01-17 15:10
| 日寛上人 六巻抄
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2015年 01月 15日
答う、縁微少の故に、退して修せざる故に、惑厚重の故に、根回し難き故に塵劫遠々に方に得ることを妨げざるなり。 問う、仮令然りと雖も若し明文無くんば有智無智誰か之を信ず可けんや。 答う、明文有りと雖も人之を見ず。宗祖云わく「文は睫毛の如し」と。良に由有るかな、吾今之を示さん、他に向って説くこと勿れ云云。 疏の第九に云わく「然るに本門の得道の数、衆経に倍す、但数多きのみに非ず、又薫修の日久し、元本より迹を垂れ処々に開引し、中間に相値うて数々成熟し今日五味に節々に調伏し収羅結撮して法華に帰会す」等云云。此の文正しく本門の得道を明かす、文を分かって二と為す。初めに横に多きことを明かし、次ぎに「非但」の下は竪に久しきことを明かす、亦分かって三と為す、初めに久遠元初の下種を明かし、二に「元本」の下は本果・中間・今日の調熟を明かし、三に「収羅」の下は体内の寿量の得脱を明かすなり云云。 初めの文は見る可し。「薫修日久」とは釈尊久遠元初に一迷先達して余迷に教うる時、順逆二縁に始めて仏種を下し、爾来其の種漸々に薫修すること五百塵点、復倍上数、塵々劫々、久々遠々なり、故に薫修日久と言うなり。而るに機縁已に熟して仏の出世を感ず。故に久遠元初の本より本果第一番の迹を垂れ、五時に経歴して開化引導す。故に「元本垂迹処々開引」と云うなり。元本の二字に意を留めて見る可し。第二番の後、今日已前、世々番々にして之を調熟す、故に「中間相値数々成熟」と言うなり。凡そ「中間」とは第二番より後、今日已前を方に中間と名づく、此れは是れ台家常途の法相なり。故に知んぬ「元本垂迹」等の文は正しく本果第一番に当たるなり、有智の君子深く之を案ず可し。今日四味及以迹門も亦之を調伏す、故に「今日五味節々調伏」と云うなり。而るに後、体内寿量に至って皆悉く久遠元初の下種の法華に帰会し、名字妙覚の極位に至らしむ、故に「収羅結撮帰会法華」と云うなり云云、明文赫々たり、誰か之を信ぜざらんや。 発迹顕本を説き明かす につづく #
by johsei1129
| 2015-01-15 22:22
| 日寛上人 六巻抄
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2015年 01月 15日
問う、今日在世得脱の衆生は皆是れ三五下種の輩なり、何ぞ久遠元初の下種等と云うや。 答う、三五下種と言うとは且く是れ当家第一・第二の教相の意なり。若し第三の教相顕われ已れば在世の衆生は皆悉く久遠元初下種の人なり。且く身子の如き鹿苑の断惑は只是れ当分の断惑にして跨節の断惑に非ず、是れ則ち種子を知らざる故なり。然るに法華に来至して大通の種子を覚知す、此れ即ち跨節の断惑なり。然りと雖も若し本門に望むれば猶是れ当分の断惑にして跨節の断惑に非ず、未だ久遠の下種を了せざるの故なり。而る後本門に至って久遠の下種を顕わす、此れ即ち跨節の断惑なり。然りと雖も若し文底に望むれば猶是れ当分の断惑にして跨節の断惑に非ざるなり。若し文底の眼を開いて還って彼の得道を見れば実に久遠元初の下種の位に還って名字妙覚の極位に至る、此れ即ち真実の跨節の断惑なり。故に経(譬喩品)に云わく「以信得入」等云云。以信豈名字に非ずや、得入は即ち是れ妙覚なり。 久遠元初下種のわれらが妙覚に至る明文 につづく #
by johsei1129
| 2015-01-15 21:25
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2015年 01月 14日
問う、内外の得脱、同とせんや異とせんや。 答う、此れ即ち天地水火の不同なり。 解して云わく、等覚に登らしむとは即ち体外の意なり、妙覚に登らしむるとは即ち体内の意なり、若し体外の意は常の所談の如し。在世の衆生、寿量品を聞き但二住乃至等覚に至る、而も妙覚に至るの人は都て経文に之無きなり。 然るに体内の意は霊山一会の無量の菩薩、体内の寿量を聴聞して但文上脱迹を信ずるのみに非ず、復文底秘沈の種本を了し、久遠元初の下種の位に立ち還って本地難思境智の妙法を信ずる故に皆悉く名字妙覚の極位に至るなり、是れ即ち体内得脱の相なり。故に荊渓の云わく「故に長寿を聞いて復宗旨を了す」云云。又云わく「若し但事中の遠寿を信ぜば、何ぞ能く此の諸の菩薩等をして増道損生して極位に至らしめん、故に本地難思の境智を信解す」等云云。 妙法受持の我等は久遠元初に種子を得たり につづく #
by johsei1129
| 2015-01-14 22:08
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2015年 01月 13日
問う、凡そ当流の意は本門寿量品の中に但文底に依って以って宗旨を立つ。今寿量品を読誦する其の心地、聞くことを得べけんや。 答う、唯是れ文底が家の寿量品を読誦して以って助行と為すなり。此に亦二意有り、一には所破の為、二には所用の為なり。是れ則ち此の品元両種の顕本、体内・体外等の義を含むが故なり。 問う、両種の顕本其の相、如何。 答う、法は是れ一法なり、是れ一法なりと雖も時に随い、機に随って義は則ち無量なり。 今両種の顕本と言うは一には謂わく、文上の顕本、二には謂わく、文底の顕本なり。 文上の顕本とは久遠本果の成道を以て本地の自行と名づけ、此の本果の本を顕わすを文上の顕本と名づくるなり。文底の顕本とは久遠元初の成道を以て本地の自行と名づけ、此の久遠元初を顕わすを文底の顕本と名づくるなり。且く我実成仏の文の如き、若し久遠本果の成道を我実成仏と説くと言わば、即ち是れ文上の顕本なり、若し久遠元初の成道を我実成仏と説くと言わば、即ち是れ文底の顕本なり、両種の顕本其の相斯くの如し。 文上の顕本に亦二意有り、一には謂わく体外、二には謂わく体内なり。 問う、体内・体外其の相如何。 答う、是れは則ち、顕と未顕と、知と不知と、天地遥かに異なり。謂わく、文底未だ顕われざるを名づけて体外と為す、猶天月を識らず但池月を観ずるが如し。文底已に顕わるれば即ち体内と名づく、池月は即ち是れ天月の影と識るが如し。且く我実成仏の文の如し。若し本地第一・本果自行の成道を我実成仏と説くと言わば、即ち是れ体外の寿量品なり。若し迹中最初の本果化他の成道を我実成仏と説くと言わば、即ち是れ体内の寿量品なり。内外殊なりと雖も倶に脱迹と名づく、是れ文底の種本に対する故なり。応に知るべし、迹門既に内外有り、今の脱迹豈爾らざらんや。若し体外の寿量品は天台常途の釈の如し、若し体内の寿量品は血脈抄に本果を迹と名づくるが如し云云。
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by johsei1129
| 2015-01-13 22:07
| 日寛上人 六巻抄
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