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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 05月 08日 ( 1 )


2015年 05月 08日

五濁乱漫の世にかかる飢えたる法華経の行者をやしなひて仏にはならせ給うぞと 説いた【春初御消息】

【春初御消息】
■出筆時期:弘安五年(西暦1282年)一月二十日 六十一歳 御作。
■出筆場所:身延山中 館にて。
■出筆の経緯:本書は富士大石寺の開基檀那となった上野殿(南条時光)に与えた消息文です。大聖人は、時光がお正月のご供養の品を数々送られたことに対し「過去の仏は凡夫にておはしまし候いし時、五濁乱漫の世にかかる飢えたる法華経の行者をやしなひて仏にはならせ給うぞとみえて候へば、法華経まことならば此の功徳によりて過去の慈父は成仏疑なし」と時光の供養により、亡き父も必ず成仏するであろうと称えられております。本書は大聖人が御遷化される九か月前に書かれており、真冬の身延山中での生活の厳しさ、人も来ず、鳥や鹿が庵室に来るだけという状況を率直にしるし、時光の供養の品で命を繋ぐことができ、時光が草庵に見参しならばまた会うことができるであろうと喜ばれております。
大聖人の率直な思いを記した本書は、現代に生きる日蓮門下の胸を打たざる得ません。
■ご真筆:現存していない。
[春初御消息 本文]

 ははき(伯耆)殿かきて候事、よろこびいりて候。
 春の初の御悦び木に花のさくがごとく、山に草の生出ずるがごとしと、我も人も悦び入つて候。
さては御送り物の日記、八木一俵、白塩一俵、十字(むしもち)三十枚、いも一俵給び候い畢んぬ。
 深山の中に白雪、三日の間に庭は一丈につもり、谷はみねとなり、みねは天にはしかけたり。鳥鹿は庵室に入り樵牧(しょうぼく・木こりと牧夫)は山にさしいらず、衣はうすし、食はたえたり。夜はかんく(寒苦)鳥にことならず、昼は里へいでんとおもふ心ひまなし。

 すでに読経のこえもたえ観念の心もうすし、今生退転して未来三五を経ん事をなげき候いつるところに、此の御とぶらひに命、いきて又もや見参に入り候はんずらんと、うれしく候。
 過去の仏は凡夫にておはしまし候いし時、五濁乱漫の世にかかる飢えたる法華経の行者をやしなひて、仏にはならせ給うぞとみえて候へば、法華経まことならば此の功徳によりて過去の慈父は成仏疑なし。
 故五郎殿も今は霊山浄土にまいりあはせ給いて、故殿に御かうべをなでられさせ給うべしと、おもひやり候へば涙かきあへられず、恐恐謹言。
  
正月二十日              日 蓮  花 押
   上野殿御返事
   申す事恐れ入つて候、返返(かえすがえす)ははき(伯耆)殿一一によみきかせまいらせ候へ。

by johsei1129 | 2015-05-08 20:11 | 南条時光(上野殿) | Trackback | Comments(0)