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日蓮大聖人『御書』解説

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2022年 08月 07日

人の心を貫く妙法蓮華経は宇宙に遍満し一体であると明かされた 【三世諸仏総勘文教相廃立】

その一、要点解説

日蓮大聖人は、法華経以前の四十二年の教え、つまり権経と、その後に説いた八年の法華経、つまり実経の違いを夢と寤で例えて解き明かしておられます。

「夢をば、権と云い、寤をば、実と云うなり、是の故に夢は仮に有つて体性無し、故に名けて権と云うなり」

私たちは夢を見ます。間違いなく夢を見ているときはその状況を感じていますが、夢から覚めるとその夢の実態は現実ではないことを知ります。

大聖人は法華経以前の権経を次のように断じます。

『生死の夢の中の権教の成仏なれば本覚の寤の法華経の時には別教には実仏無し、夢中の果なり、故に別教の教道には実の仏無しと云うなり』

『四弘とは衆生の無辺なるを度せんと誓願し・煩悩の無辺なるを断ぜんと誓願し、法門の無尽なるを知らんと誓願し、無上菩提を証せんと誓願す此を四弘と云う。

能とは如来なり所とは衆生なり()、此の四弘は能の仏も所の衆生も前三教は、皆、夢中の是非なりと釈し給えるなり。


然れば法華以前の四十二年の間の説教たる諸経は未顕真実の権教なり方便なり、法華に取寄る可き方便なるが故に真実には非ず、此れは仏自ら四十二年の間説き集め給いて後に今法華経を説かんと欲して先ず序分の開経の無量義経()の時、仏自ら勘文し給える教相なれば人の語も入る可からず、不審をも生()す可からず。


無量義経の「未顕真実」の実際の経文の文

無量義経説法品第二

是に仏、大荘厳菩薩に告げたまわく、善哉善哉、大善男子、能く如来に是の如き甚深無上大乗微妙の義を問えり。

当に知るべし汝能く利益する所多く、人天を安楽し苦の衆生を抜く。真の大慈悲なり、信実にして虚しからず。

是の因縁を以て、必ず疾く無上菩提を成ずることを得ん。

亦一切の今世・来世の諸有の衆生をして、無上菩提を成ずることを得せしめん。

 善男子、我(釈迦)先に。道場菩提樹下に端坐すること六年にして、阿耨多羅三藐三菩提を成ずることを得たり。

 仏眼を以て一切の諸法を観ずるに、宣説すべからず。所以は何ん、諸の衆生の性欲不同なることを知れり。

 性欲不同なれば種種に法を説きき。種種に法を説くこと方便力を以てす。

四十余年には未だ真実を顕さず。是の故に衆生の得道差別して、疾く無上菩提を成ずることを得ず。



故に玄義()に云く「九界を権と為し仏界を実と為す」已上、九法界の権は四十二年の説教なり、仏法界の実は八箇年の説、法華経是なり。故に法華経をば仏乗と云う。

九界の生死は夢の理なれば権教と云い、仏界の常住は寤の理なれば実教と云う。

故に五十年の説教・一代の聖教・一切の諸経は化他の四十二年の権教と自行の八箇年の実教と合して五十年なれば権と実との二の文字を以て鏡に懸けて陰(くもり)無し。



玄義 『妙法蓮華経玄義』

中国,隋の天台大師の講述を弟子,灌頂が筆録したもの。十巻。

仏教の教説を四教五時の基準に従って分類

仏教の教説を空・仮・中の三の立場に分け,同時に一つの心にそなわっているという一心三観の観法によって体系づけたのが四教。


釈尊の説法は,華厳時,鹿苑時,方等時,般若時,法華涅槃時の五段階をなしているとして,一見矛盾していると思われる種々の教説を『法華経』を基礎として統合した。

中国,日本の天台宗の教義はこれに基づく。


要点解説その二に続く



by johsei1129 | 2022-08-07 18:31 | 血脈・相伝・講義 | Trackback | Comments(0)


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