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日蓮大聖人『御書』解説

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2021年 11月 04日

仏説観普賢菩薩行法経 (2)  訓読

  漢訳

是の語を説きたもう時、行者即ち東方の一切無量の世界を見る。地の平かなること掌(たなごころ)の如し。諸の堆阜(たいふ)、岳陵、荊棘(きょうこく)なく、瑠璃をもって地とし、黄金をもって側(ほとり)を間(へだ)てたり。十方世界も亦復是の如し。
是の事を見已って即ち宝樹を見ん。宝樹高妙にして五千由旬なり。其の樹常に黄金、白銀を出して七宝荘厳せり。樹下に自然に宝の師子座あり。其の師子座の高さ二千由旬ならん。其の座の上に亦百宝の光明を出さん。是の如く諸樹及び余の宝座、一一の宝座に皆百宝の光明あらん。是の如く諸樹及び余の宝座、一一の宝座に皆自然の五百の白象あらん。象の上に皆普賢菩薩有さん。爾の時に行者諸の普賢を礼して、是の言を作せ、

我何の罪あってか但宝地、宝座及び宝樹を見て、諸仏を見たてまつらざると。是の語を作し已りなば、一一の座の上に一人の世尊ましまさん。端厳微妙にして宝座に坐したまえり。諸仏を見たてまつり已って心大いに歓喜して、復更に大乗経典を誦習せん。大乗の力の故に、空中に声あって讃歎して言わく、

善哉善哉、善男子、汝大乗を行ずる功徳の因縁に、能く諸仏を見たてまつる。今諸仏世尊を見たてまつることを得たりと雖も、而も釈迦牟尼仏、分身の諸仏及び多宝仏塔を見たてまつること能わず。

空中の声を声き已って、復勤めて大乗経典を誦習せん。

大乗方等経を誦習するを以っての故に、即ち夢中に於いて釈迦牟尼仏、諸の大衆と耆闍崛山に在して、法華経を説き一実の義を演べたもうを見ん。
教え已りなば懺悔し渇仰して見たてまつらんと欲し、合掌胡跪して耆闍崛山に向って是の言を作せ。
如来世雄は常に世間に在す。我を愍念(みんねん)したもうが故に我が為に身を現じたまえ。
是の語を作し已って耆闍崛山を見るに、七宝荘厳して無数の比丘声聞大衆あり。宝樹行列して宝地平正なり。復妙宝師子の座を敷けり。釈迦牟尼仏眉間の光を放ちたもう。其の光遍く十方世界を照らし、復十方無量の世界を過ぐ。此の光の至る処の十方分身の釈迦牟尼仏一時に雲のごとく集り、広く妙法を説きたもうこと妙法華経の如し。一一の分身の仏身は紫金(しこん)の色なり。身量無辺にして師子の座に坐したまえり。百億無量の諸大菩薩を以って眷属とせり。一一の菩薩、行、普賢に同じ。
此の如く十方無量の諸仏、菩薩の眷属も亦復是の如し。
大衆雲集し已って、釈迦牟尼仏を見たてまつれば、挙身(こしん)の毛孔より金色の光を放ちたもう。一一の光の中に百億の化仏有(ましま)す。諸の分身の仏眉間の白毫大人相の光を放ちたもう。其の光釈迦牟尼仏の頂に流入す。此の相を見る時、分身の諸仏一切の毛孔より金色の光を出したもう。一一の光の中に復恆河沙微塵数の化仏有す。爾の時に普賢菩薩、復眉間の大人相の光を放って行者の心に入れん。既に心に入り已りなば、行者自ら過去無数百千の仏の所にして大乗経典を受持し読誦せしことを憶し、自ら故の身を見ること了了分明ならん。宿明通の如く等しくして異なることあることなけん。豁然(かつねん)として大悟し、旋陀羅尼、百千万億の諸の陀羅尼門を得ん。三昧より起って、面り一切の分身の諸仏、衆の宝樹の下に師子の床に坐したまえるを見たてまつらん。復瑠璃の地の蓮華聚の如く下方の空中より踊出するを見ん。一一の華の間に微塵数の菩薩あって結跏趺坐せん。亦普賢の分身の菩薩彼の衆の中に在って大乗を讃説するを見ん。

時に諸の菩薩、異口同音に行者をして六根を清浄ならしめん。

或は説言あらん、汝当に仏を念ずべし。

或は説言あらん、汝当に法を念ずべし。
或は説言あらん、汝当に僧を念ずべし。
或は説言あらん、汝当に戒を念ずべし。
或は説言あらん、汝当に施を念ずべし。
或は説言あらん、汝当に天を念ずべし。

此の如き六法は是れ菩提心なり、菩薩を生ずる法なり。汝今応当に諸仏の前に於いて、先の罪を発露し至誠に懺悔すべし。

無量世に於いて、眼根の因縁をもって諸色に貪著す。色に著するを以っての故に諸塵を貪愛す。塵を愛するを以っての故に女人の身を受けて、世世に生ずる処に諸色に惑著す。色汝が眼を壊(やぶ)って恩愛(おんない)の奴となる。故に色汝をして三界を経歴せしむ。此の幣使(へいし)を為()って盲にして見る所なし。今大乗方等経典を誦す。此の経の中に十方の諸仏、色身滅せずと説く。汝今見ることを得つ、審実にして爾りや不や。眼根不善汝を傷害すること多し。我が語に随順して、諸仏、釈迦牟尼仏に帰向したてまつり、汝が眼根の所有の罪咎(ざいぐ)を説け。

諸仏、菩薩の慧眼の法水、願わくは以って洗除して、我をして清浄ならしめたまえと。

是の語を作し已って遍く十方の仏を礼し、釈迦牟尼仏、大乗経典に向いたてまつりて、復是の言を説け。

我が今懺する所の眼根の重罪、障惆穢濁(しょうへい・えじょく)にして盲にして見る所無し。願わくは仏大慈をもって哀愍覆護(あいみんふご)したまえ。普賢菩薩、大法船に乗って、普く一切の十方無量の諸の菩薩の伴(ばん)を渡したもう。唯願わくは哀愍して我が眼根の不善悪業障を悔過する法を聴したまえ。

是の如く三たび説いて五体を地に投じて大乗を正念して心に忘捨せざれ。是れを眼根の罪を懺悔する法と名づく。諸仏の名を称し焼香、散華して、大乗の意を発し繪(ぞう)、旛(ばん)、蓋(がい)を懸けて、眼の過患を説き罪を懺悔せば、此の人現世に釈迦牟尼仏を見たてまつり、及び分身、無量の諸仏を見たてまつり、阿僧祇劫に悪道に堕ちじ。大乗の力の故に、大乗の願の故に、恒に一切の陀羅尼菩薩と共に眷属と為らん。是の念を作す者是れを正念とす。若し他念する者を名づけて邪念とす。是れを眼根初境界の相と名づく。

眼根を浄むること已って、復更に大乗経典を読誦し、昼夜六時に胡跪し懺悔して是の言を作せ、
我今云何ぞ但釈迦牟尼仏、分身の諸仏を見たてまつりて、多宝仏の塔全身の舎利を見たてまつらざる。多宝仏の塔は恒に在して滅したまわず。我濁悪(じょくあく)の眼なり、是の故に見たてまつらず。
是の語を作し已って、復更に懺悔せよ。
七日を過ぎ已って、多宝仏の塔、地より涌出したまわん。釈迦牟尼仏即ち右の手を以って其の塔の戸を開きたまわん。多宝仏を見たてまつれば普現色身三昧に入りたまえり。一一の毛孔より恆河沙微塵数の光明を流出したもう。一一の光明に一一に百千万億の化仏います。此の相現ずる時、行者歓喜して讃偈をもって塔を遶らん。
七帀を満て已りなば、多宝如来大音声を出して、讃めて言わく、
法の子、汝今真実に能く大乗を行じ、普賢に随順して眼根懺悔す。是の因縁を以って、我汝が所に至って汝が証明と為る。
是の語を説き已って、讃めて言わく、
善き哉善き哉、釈迦牟尼仏、能く大法を説き大法の雨を雨らして、濁悪の諸の衆生等を成就したもう。
是の時に行者、多宝仏塔を見已って、復普賢菩薩の所に至って、合掌し敬礼して白して言さく、
大師、我に悔過を教えたまえ。
普賢復言わく、
汝・多劫の中に於いて、耳根の因縁をもって外声に随逐して、妙音を聞く時は心に惑著を生じ、悪声を聞く時は百八種の煩悩の賊害を起す。此の如き悪耳の報、悪事を得。恒に悪声を聞いて諸の攀縁(へんえん)を生ず。顚倒(てんどう)して聴くが故に、当に悪道、辺地、邪見の、法を聞かざる処に堕すべし。汝今日に於いて大乗の功徳海蔵を誦持す。是の因縁を以っての故に十方の仏を見たてまつる。多宝仏塔は現じて汝が証と為りたもう。汝自ら当に己が過悪を説いて諸罪を懺悔すべし。
是の時行者、是の語を聞き已って、復更に合掌して五体を地に投じて是の言を作せ、

正遍知世尊、現じて我が証と為りたまえ。方等経典は為れ慈悲の主なり。唯願わくは我を観、我が所説を聴きたまえ。我多劫より乃至今身まで、耳根の因縁をもって声を聞いて惑著すること、膠(にかわ)の草に著くが如し。諸の悪声を聞く時は煩悩の毒を起し、処処に惑著して暫くも停まる時なし。此の弊声(へいしょう)を出して我が識神を労し、三途に墜堕せしむ。今始めて覚知して、諸の世尊に向いたてまつりて発露懺悔すと。
既に懺悔し已って、多宝仏の大光明を放ちたもうを見たてまつらん。其の光金色にして遍く東方及び十方界を照らしたまう。無量の諸仏身真金の色なり。東方の空中に是の唱言を作す、
此に仏世尊まします。号を善徳という。亦無数の分身の諸仏あり、宝樹下の師子座上に坐して結跏趺坐したまえり。
是の諸の世尊の一切皆普現色身三昧に入りたまえる、皆是の言を作して、讃めて言わく、
善き哉善き哉、善男子、汝今大乗経典を読誦す。汝が誦する所は是れ仏の境界なり。
是の語を説き已りなば普賢菩薩更に為に懺悔の法を説かん。
汝先世無量劫の中に於いて、香を貪るを以っての故に、分別諸識処処に貪著して、生死に堕落せり。汝今当応に大乗の因を観ずべし。大乗の因とは諸法実相なりと。
是の語を聞き已って、五体を地に投じて復更に懺悔せよ。既に懺悔し已って当に是の語を作すべし、
南無釈迦牟尼仏、南無多宝仏塔、南無十方釈迦牟尼仏分身諸仏と。
是の語を作し已って、遍く十方の仏を礼したてまつれ、
南無東方善徳仏及び分身諸仏と。
眼に見る所の如くして一一に心をもって礼し、香華をもって供養し、供養すること畢って胡跪し、合掌して、種々の偈を以って諸仏を讃歎したてまつり既に讃歎し已って、十悪業を説いて諸罪を懺悔せよ。既に懺悔し已って是の言を作せ、
我先世無量劫の時に於いて、香、味、触を貪って衆悪を造作せり。是の因縁を以って、無量世より来恒(このかた・つね)に地獄、餓鬼、畜生、辺地、邪見の諸の不善の身を受く。此の如き悪業を今日発露し、諸仏正法の王に帰向したてまつりて説罪懺悔すと。
既に懺悔し已って身心懈らずして復更に大乗経典を読誦せよ。大乗の力の故に空中に声あって告げて言わく、
法の子、汝今応当に十方の仏に向いたてまつりて大乗の法を讃説し、諸仏の前に於いて自ら己が過を説くべし。諸仏如来は是れ汝が慈父なり。汝当に自ら舌根の所作の不善悪業を説くべし。

此の舌根は悪業の想に動ぜられて、妄言綺語、悪口両舌、誹謗妄語、邪見の語を讃歎し、無益の語を説く。是の如き衆多の諸の雑悪業、闘遘壊乱(とうこうえらん)し法を非法と説く。是の如き衆罪を今悉く懺悔すと。
諸の世雄の前にして是の語を作し已って、五体を地に投じて遍く十方の仏を礼したてまつり 合掌長跪して当に是の語を作すべし、
此の舌の過患無量無辺なり。諸の悪業の刺は舌根より出ず。正法輪を断ずること此の舌より起る。此の如き悪舌は功徳の種を断ず。非義の中に於いて多端に強いて説き、邪見を讃歎すること火に薪を益すが如し。猶お猛火の衆生を傷害するが如し。毒を飲める者の瘡疣(そうゆう)なくして死するが如し。是の如き罪報悪邪不善にして、当に悪道に堕すること百劫千劫なるべし。妄語を以っての故に大地獄に堕す。我今南方の諸仏に帰向したてまつりて、過罪を発露せん。
是の念を作す時、空中に声あらん。
南方に仏います、栴檀徳(せんだんとく)と名づけたてまつる。彼の仏に亦無量の分身います、一切の諸仏皆大乗を説いて罪悪を除滅したもう。此の如き衆罪を、今十方無量の諸仏大悲世尊に向いたてまつりて、黒悪を発露し誠心に懺悔せよ。
是の語を説き已りなば、五体を地に投じて復諸仏を礼したてまつれ。


つづく


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by johsei1129 | 2021-11-04 20:24 | 法華経28品 並開結 | Trackback | Comments(0)


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