2021年 11月 04日
是の語を説きたもう時、行者即ち東方の一切無量の世界を見る。地の平かなること掌(たなごころ)の如し。諸の堆阜(たいふ)、岳陵、荊棘(きょうこく)なく、瑠璃をもって地とし、黄金をもって側(ほとり)を間(へだ)てたり。十方世界も亦復是の如し。 我何の罪あってか但宝地、宝座及び宝樹を見て、諸仏を見たてまつらざると。是の語を作し已りなば、一一の座の上に一人の世尊ましまさん。端厳微妙にして宝座に坐したまえり。諸仏を見たてまつり已って心大いに歓喜して、復更に大乗経典を誦習せん。大乗の力の故に、空中に声あって讃歎して言わく、 善哉善哉、善男子、汝大乗を行ずる功徳の因縁に、能く諸仏を見たてまつる。今諸仏世尊を見たてまつることを得たりと雖も、而も釈迦牟尼仏、分身の諸仏及び多宝仏塔を見たてまつること能わず。 空中の声を声き已って、復勤めて大乗経典を誦習せん。 大乗方等経を誦習するを以っての故に、即ち夢中に於いて釈迦牟尼仏、諸の大衆と耆闍崛山に在して、法華経を説き一実の義を演べたもうを見ん。 時に諸の菩薩、異口同音に行者をして六根を清浄ならしめん。 或は説言あらん、汝当に仏を念ずべし。 或は説言あらん、汝当に法を念ずべし。 此の如き六法は是れ菩提心なり、菩薩を生ずる法なり。汝今応当に諸仏の前に於いて、先の罪を発露し至誠に懺悔すべし。 無量世に於いて、眼根の因縁をもって諸色に貪著す。色に著するを以っての故に諸塵を貪愛す。塵を愛するを以っての故に女人の身を受けて、世世に生ずる処に諸色に惑著す。色汝が眼を壊(やぶ)って恩愛(おんない)の奴となる。故に色汝をして三界を経歴せしむ。此の幣使(へいし)を為(も)って盲にして見る所なし。今大乗方等経典を誦す。此の経の中に十方の諸仏、色身滅せずと説く。汝今見ることを得つ、審実にして爾りや不や。眼根不善汝を傷害すること多し。我が語に随順して、諸仏、釈迦牟尼仏に帰向したてまつり、汝が眼根の所有の罪咎(ざいぐ)を説け。 諸仏、菩薩の慧眼の法水、願わくは以って洗除して、我をして清浄ならしめたまえと。 是の語を作し已って遍く十方の仏を礼し、釈迦牟尼仏、大乗経典に向いたてまつりて、復是の言を説け。 我が今懺する所の眼根の重罪、障惆穢濁(しょうへい・えじょく)にして盲にして見る所無し。願わくは仏大慈をもって哀愍覆護(あいみんふご)したまえ。普賢菩薩、大法船に乗って、普く一切の十方無量の諸の菩薩の伴(ばん)を渡したもう。唯願わくは哀愍して我が眼根の不善悪業障を悔過する法を聴したまえ。 是の如く三たび説いて五体を地に投じて大乗を正念して心に忘捨せざれ。是れを眼根の罪を懺悔する法と名づく。諸仏の名を称し焼香、散華して、大乗の意を発し繪(ぞう)、旛(ばん)、蓋(がい)を懸けて、眼の過患を説き罪を懺悔せば、此の人現世に釈迦牟尼仏を見たてまつり、及び分身、無量の諸仏を見たてまつり、阿僧祇劫に悪道に堕ちじ。大乗の力の故に、大乗の願の故に、恒に一切の陀羅尼菩薩と共に眷属と為らん。是の念を作す者是れを正念とす。若し他念する者を名づけて邪念とす。是れを眼根初境界の相と名づく。 眼根を浄むること已って、復更に大乗経典を読誦し、昼夜六時に胡跪し懺悔して是の言を作せ、 正遍知世尊、現じて我が証と為りたまえ。方等経典は為れ慈悲の主なり。唯願わくは我を観、我が所説を聴きたまえ。我多劫より乃至今身まで、耳根の因縁をもって声を聞いて惑著すること、膠(にかわ)の草に著くが如し。諸の悪声を聞く時は煩悩の毒を起し、処処に惑著して暫くも停まる時なし。此の弊声(へいしょう)を出して我が識神を労し、三途に墜堕せしむ。今始めて覚知して、諸の世尊に向いたてまつりて発露懺悔すと。 此の舌根は悪業の想に動ぜられて、妄言綺語、悪口両舌、誹謗妄語、邪見の語を讃歎し、無益の語を説く。是の如き衆多の諸の雑悪業、闘遘壊乱(とうこうえらん)し法を非法と説く。是の如き衆罪を今悉く懺悔すと。
by johsei1129
| 2021-11-04 20:24
| 法華経28品 並開結
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