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日蓮大聖人『御書』解説

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2021年 11月 02日

妙法蓮華経 勧持品第十三  訓読

妙法蓮華経 勧持品第十三   漢訳

爾の時に薬王菩薩摩訶薩、及び大楽説(だいぎょうせつ)菩薩摩訶薩、二万の菩薩眷属と倶に、皆仏前に於いて、是の誓言を作さく、
唯願わくは世尊、以って慮(うらおも)いしたもう為(べ)からず。我等仏の滅後に於いて、当に此の経典を奉持し、読誦し、説きたてまつるべし。後の悪世の衆生は善根転(うた)た少くして、増上慢多く、利供養を貪り、不善根を増し、解脱を遠離せん。教化すべきこと難しと雖も、我等当に大忍力を起して、此の経を読誦し、持説し、書写し、種種に供養して、身命を惜しまざるべし
爾の時に、衆中の五百の阿羅漢の受記を得たる者、仏に白して言さく、
世尊、我等亦自ら誓願すらく、異の国土に於いて、広く此の経を説かん。
復、学無学八千人の受記を得たる者有り。座より而も起って合掌し、仏に向いたてまつりて、是の誓言を作さく、
世尊、我等亦当に、他の国土に於いて、広く此の経を説くべし。所以は何ん。是の娑婆国の中は、人弊悪多く、増上慢を懐き、功徳浅薄に、瞋濁諂曲(しんじょく・てんごく)にして、心不実なるが故に
爾の時に仏の姨母(いぼ)、摩訶波闍波提(まかはじゃはだい)比丘尼、学無学の比丘尼六千人と倶に、座より起って、一心に合掌し、尊顔を瞻仰(せんごう)して、目暫(しばら)くも捨てず。時に世尊、憍曇弥(きょうどんみ)に告げたまわく、
何が故ぞ、憂(うれえ)の色にて如来を視る。汝が心に、将に我汝が名を説いて、阿耨多羅三藐三菩提の記を授けずと謂うこと無しや、憍曇弥、我先に総じて一切の声聞、皆已に授記すと説きぬ。今汝記を知らんと欲せば、将来の世に、当に六万八千億の諸仏の法の中に於いて、大法師と為るべし。及び六千の学無学の比丘尼も、倶に法師と為らん。汝是の如く、漸漸に菩薩の道を具して、当に作仏することを得べし。一切衆生憙見如来、応供、正徧知、明行足、善逝、世間解、無上士、調御丈夫、天人師、仏、世尊と号づけん。憍曇弥、是の一切衆生喜見仏、及び六千の菩薩、転次に授記して、阿耨多羅三藐三菩提を得ん。
爾の時に、羅睺羅の母耶輸陀羅(やしゅだら)比丘尼、是の念を作さく、
世尊、授記の中に於いて、独り我が名を説きたまわず。
仏、耶輸陀羅に告げたまわく、
汝来世の、百千万億の諸仏の法の中に於いて、菩薩の行を修し、大法師と為り、漸く仏道を具して、善国の中に於いて、当に作仏することを得べし。具足千万光相如来、応供、正徧知、明行足、善逝、世間解、無上士、調御丈夫、天人師、仏、世尊と号づけん。仏の寿、無量阿僧祇劫ならん。
爾の時に摩訶波闍波提比丘尼、及び耶輸陀羅比丘尼、並びに其の眷属、皆大いに歓喜し、未曾有なることを得、即ち仏前に於いて、偈を説いて言さく、

世尊導師 天人を安穏ならしめたもう 
我等記を聞いて 心安く具足しぬ

諸の比丘尼、是の偈を説き已って、仏に白して言さく、
世尊、我等、亦能く他方の国土に於いて、広く此の経を宣べん。
爾の時に世尊、八十万億那由佗の諸の菩薩摩訶薩を視(みそなわ)す。是の諸の菩薩は、皆是れ阿惟越致(あゆいおっち)にして、不退の法輪を転じ、諸の陀羅尼を得たり。即ち座より起って、仏前に至り一心に合掌して是の念を作さく、
若し世尊、我等に此の経を持説せよと告勅(ごうちょく)したまわば、当に仏の教の如く、広く斯の法を宣ぶべし。
復是の念を作さく、
仏、今黙然として告勅せられず、我当に云何がすべき。
時に諸の菩薩、仏意に敬順し、並びに自ら本願を満ぜんと欲して、便ち仏前に於いて、師子吼を作して誓言を発さく、
世尊、我等如来の滅後に於いて、十方世界周旋往返して、能く衆生をして、此の経を書写し、受持し、読誦し、其の義を解説し、法の如く修行し、正憶念せしめん。皆是れ仏の威力ならん。唯願わくは世尊、他方に在すとも遥かに守護せられよ。
即時に諸の菩薩、倶に同じく声を発して、偈を説いて言さく、

唯願わくは慮いしたもう為からず、仏の滅度の後の 
恐怖悪世の中に於いて 我等当に広く説くべし
諸の無智の人の 悪口罵詈(あっくめり)等し 
及び刀杖を加うる者有らん 我等皆当に忍ぶべし
悪世の中の比丘は 邪智にして心諂曲(てんごく)に 
未だ得ざるを為れ得たりと謂(おも)い 我慢の心充満せん
或は阿練若(あれんにゃ)に 納衣(のうえ)にして空閑(くうげん)に在って 
自ら真の道を行ずと謂(おも)いて 人間を軽賎(きょうせん)する者有らん 
利養に貪著するが故に 白衣(びゃくえ)の与に法を説いて 
世に恭敬(くぎょう)せらることを為ること 六通の羅漢の如くならん 
是の人悪心を懐き 常に世俗の事を念い 
名を阿練若に仮って 好んで我等が過(とが)を出さん
而も是の如き言を作さん 此の諸の比丘等は 
利養を貪るを為っての故に 外道の論議を説く 
自ら此の経典を作って 世間の人を誑惑(おうわく)す 
名聞を求むるを為っての故に 分別して是の経を説くと
常に大衆の中に在って 我等を毀(そし)らんと欲するが故に 
国王大臣 婆羅門居士(ばらもん・こじ) 
及び余の比丘衆に向って 誹謗して我が悪を説いて 
是れ邪見の人 外道(げどう)の論議を説くと謂(い)わん
我等仏を敬うが故に 悉く是の諸悪を忍ばん 
斯れに軽しめて 汝等は皆是れ仏なりと言われん 
此の如き軽慢の言を 皆当に忍んで之を受くべし
濁劫悪世の中には 多く諸の恐怖(くふ)有らん 
悪鬼其の身に入りて 我を罵詈毀辱(めり・きにく)せん 
我等仏を敬信して 当に忍辱の鎧(よろい)を著るべし 
是の経を説かんが為の故に 此の諸の難事を忍ばん 
我身命を愛せず 但無上道を惜しむ 
我等来世に於いて 仏の所嘱を護持せん
世尊自ら当に知しめすべし 濁世の悪比丘は 
仏の方便 随宜所説の法を知らずして 
悪口して顰蹙(ひんじゅく)し 数数擯出(しばしば・ひんずい)せられ 
塔寺を遠離せん 是の如き等の衆悪をも 
仏の告敕を念うが故に 皆当に是の事を忍ぶべし
諸の聚落城邑(じゅらく・じょうおう)に 其れ法を求むる者有らば 
我皆其の所に到って 仏の所嘱の法を説かん
我は是れ世尊の使なり 衆に処するに畏るる所無し 
我当に善く法を説くべし 願わくは仏安穏に住したまえ
我世尊の前 諸の来りたまえる十方の仏に於いて 
是の如き誓言を発す 仏自ら我が心を知しめせ




by johsei1129 | 2021-11-02 11:09 | 法華経28品 並開結 | Trackback | Comments(0)


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