2021年 10月 31日
世尊、是の諸の無量千万億の大徳の声聞は、皆已に成就しぬ。世尊、亦当に我等が為に、阿耨多羅三藐三菩提の法を説きたもうべし。我等聞き已って皆共に修学せん。世尊、我等如来の知見を志願す。深心の所念は、仏自ら証知したまわん。 爾の時に、転輪聖王の所将の衆中八万億の人、十六王子の出家を見て、亦出家を求む。王即ち聴許しき。 爾の時に彼の仏、沙弥の請を受けて、二万劫を過ぎ已って乃ち四衆の中に於いて、是の大乗経の妙法蓮華、教菩薩法、仏所護念と名づくるを説きたもう。是の経を説き已って、十六の菩薩沙弥、阿耨多羅三藐三菩提の為の故に、皆共に受持し、諷誦(ふうじゅ)、通利しき。是の経を説きたまいし時、十六の菩薩沙弥、皆悉く信受す。声聞衆の中にも、亦信解する有り。其の余の衆生の千万億種なるは、皆疑惑を生じき。仏是の経を説きたもうこと、八千劫に於いて、未だ曾て休廃(ぐはい)したまわず。此の経を説き已って、即ち静室に入って、禅定に住したもうこと八万四千劫なり。 是の時に十六の菩薩沙弥、仏の室に入りて、寂然として禅定したもうを知って、各の法座に昇りて、亦八万四千劫に於いて、四部の衆の為に、広く妙法華経を説き分別す。一一に皆、六百万億那由佗恒河沙等の衆生を度し、示教利喜して、阿耨多羅三藐三菩提の心を発さしむ。大通智勝仏、八万四千劫を過ぎ已って、三昧より起ちて法座に往詣(おうげい)し、安詳(あんじょう)として坐して、普く大衆に告げたまわく、 是の十六の菩薩沙弥は、甚だ為れ希有なり。諸根通利して智慧明了なり。已に曾て、無量千万億数の諸仏を供養し、諸仏の所に於いて、常に梵行を修し、仏智を受持し、衆生に開示して、其の中に入らしむ。汝等皆、当に数数親近して、之を供養すべし。所以は何ん。若し声聞、辟支仏、及び諸の菩薩、能く是の十六の菩薩の、所説の経法を信じ、受持して毀(そし)らざらん者、是の人は皆、当に阿耨多羅三藐三菩提の如来の慧を得べし。 仏、諸の比丘に告げたまわく、 是の十六の菩薩は、常に楽(ねが)って、是の妙法蓮華経を説く。一一の菩薩の所化の、六百万億那由佗恒河沙等の衆生は、世世に生まるる所、菩薩と倶にして、其れに従い法を聞いて、悉く皆信解せり。此の因縁を以って、四万億の諸仏、世尊に値いたてまつることを得、今に尽きず。諸の比丘、我今汝に語る。彼の仏の弟子の十六の沙弥は、今皆阿耨多羅三藐三菩提を得て、十方の国土に於いて、現在に法を説きたもう。無量百千万億の、菩薩、声聞有って、以って眷属と為り。其の二(ふた)りの沙弥は、東方にして作仏す。一を阿閦(あしゅく)と名づく。歓喜国に在す。二を須弥頂(しゅみちょう)と名づく。東南方に二仏。一を師子音と名づけ、二を師子相と名づく。南方に二仏。一を虚空住と名づけ、二を常滅と名づく。西南方に二仏。一を帝相と名づけ、二を梵相と名づく。西方に二仏。一を阿弥陀と名づけ、二を度一切世間苦悩と名づく。西北方に二仏。一を多摩羅跋栴檀香神通と名づけ、二を須弥相と名づく。北方に二仏。一を雲自在と名づけ、二を雲自在王と名づく。東北方の仏を、壊一切世間怖畏と名づく。第十六は、我釈迦牟尼仏なり。娑婆国土に於いて、阿耨多羅三藐三菩提を成ぜり。諸の比丘、我等沙弥為りし時、各各に、無量百千万億恒河沙等の衆生を教化せり。我に従いて法を聞きしは、阿耨多羅三藐三菩提を為しにき。此の諸の衆生、今に声聞地に住せる者有り。我常に阿耨多羅三藐三菩提に教化す。是の諸人等、応に是の法を以って、漸く仏道に入るべし。所以は何ん。如来の智慧は、信じ難く解し難ければなり。爾の時の所化の、無量恒河沙等の衆生は、汝等諸の比丘、及び我が滅度の後の、未来世の中の声聞の弟子是れなり。我が滅度の後、復弟子有って、是の経を聞かず。菩薩の所行を知らず、覚らず。自ら所得の功徳に於いて、滅度の想を生じて、当に涅槃に入るべし。我余国に於いて、作仏して更に異名有らん。是の人滅度の想を生じ、涅槃に入ると雖も、而も彼の土に於いて、仏の智慧を求め、是の経を聞くことを得ん。唯仏乗を以って滅度を得。更に余乗無し。諸の如来の方便の説法をば除く。諸の比丘、若し如来、自ら涅槃の時到り、衆又清浄に、信解堅固にして空法を了達し、深く禅定に入れりと知りぬれば、便ち諸の菩薩、及び声聞衆を集めて、為に是の経を説く。世間に二乗として、滅度を得ること有ること無し。唯一仏乗をもって滅度を得るのみ。比丘当に知るべし。如来の方便は、深く衆生の性に入れり。其の小法を志楽(しぎょう)し、深く五欲に著するを知って、是等が為の故に涅槃を説く。是の人、若し聞かば則便(すなわ)ち信受す。
by johsei1129
| 2021-10-31 16:01
| 法華経28品 並開結
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