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日蓮大聖人『御書』解説

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2021年 10月 31日

妙法蓮華経 化城喩品第七 (1)  訓読

妙法蓮華経 化城喩品第七   漢訳

仏、諸の比丘に告げたまわく、
乃往過去、無量無辺不可思議阿僧祇劫、爾の時に仏有(いま)しき。大通智勝如来、応供、正徧知、明行足、善逝、世間解、無上士、調御丈夫、天人師、仏、世尊と名づく。其の国を好成と名づけ、劫を大相と名づく。諸の比丘、彼の仏の滅度より已来、甚だ大いに久遠なり。譬えば三千大千世界の所有の地種を、仮使(たとい)人有りて、磨(す)り以って墨と為し、東方千の国土を過ぎて、乃ち一点を下さん。大いさ微塵の如し。又千の国土を過ぎて、復一点を下さん。是の如く展転して地種の墨を尽くさんが如き、汝等が意に於いて云何。是の諸の国土を、若しは算師、若しは算師の弟子、能く辺際を得て、其の数を知らんや不や。
不なり、世尊。
諸の比丘、是の人の経る所の国土の、若しは点せると点せざるとを、尽く抹して塵と為して、一塵を一劫とせん。彼の仏の滅度より己来、復是の数に過ぎたること、無量無辺百千万億阿僧祇劫なり。我如来の知見力を以っての故に、彼の久遠を観ること猶今日の如し。
爾の時に世尊、重ねて此義を宣べんと欲して、偈を説いて言わく、

我過去世の 無量無辺劫を念うに 
仏両足尊有しき 大通智勝と名づく
人あって力を以って 三千大千の土を磨って 
此の諸の地種を尽くして 皆悉く以って墨と為して 
千の国土を過ぎて 乃ち一の塵点を下さん 
是の如く展転し点して 此の諸の塵墨(じんもく)を尽くさんが如し 
是の如き諸の国土の 点せると点せざると等を 
復尽く抹して塵と為して 一塵を一劫と為ん 
此の諸の微塵の数に 其の劫復是れに過ぎたり 
彼の仏の滅度より来 是の如く無量劫なり
如来の無礙智 彼の仏の滅度 
及び声聞菩薩を知ること 今の滅度を見るが如し
諸の比丘当に知るべし 仏智は浄くして微妙(みみょう)に 
無漏無所礙(むろ・むしょげ)にして 無量劫を通達す

仏、諸の比丘に告げたまわく、
大通智勝仏は、寿五百四十万億那由佗劫なり。其の仏、本、道場に坐して、魔軍を破し已って、阿耨多羅三藐三菩提を得たもうになんなんとするに、而も諸仏の法、現在前せず。是の如く一小劫、乃至十小劫、結跏趺坐して身心動じたまわず。而も諸仏の法猶在前せざりき。爾の時に忉利(とうり)の諸天、先より彼の仏の為に、菩提樹下に於いて、師子の座を敷けり。高さ一由旬。仏此の座に於いて、当に阿耨多羅三藐三菩提を得たもうべしと。適(はじ)めて此の座に坐したもう。時に諸の梵天王、衆の天華を雨(ふら)すこと、面ごとに百由旬なり。香風、時に来って萎める華を吹き去りて、更に新しき者を雨す。是の如く絶えず、十小劫を満てて仏を供養す。乃至、滅度まで、常に此の華を雨しき。四王の諸天、仏を供養せんが為、常に天鼓を撃つ。其の余の諸天、天の伎楽を作すこと、十小劫を満つ。滅度に至るまで、亦復是の如し。
諸の比丘、大通智勝仏、十小劫を過ぎて、諸仏の法乃し現在前して、阿耨多羅三藐三菩提を成じたまいき。
其の仏、未だ出家したまわざりし時に、十六の子有り、其の第一をば名を智積と曰う。諸子、各種種の珍異玩好の具有り。父、阿耨多羅三藐三菩提を成ずることを得たもうと聞いて、皆所珍を捨てて仏所に往詣す。諸母、涕泣(たいきゅう)して、随いて之を送る。其の祖転輪聖王、一百の大臣、及び余の百千万億の人民と、皆共に囲繞(いにょう)して、随いて道場に至り、咸く大通智勝如来に親近(しんごん)して、供養、恭敬(くぎょう)、尊重、讃歎したてまつらんと欲す。到り已って、頭面に足を礼し、仏を繞(めぐ)り畢已(おわ)って、一心に合掌し、世尊を瞻仰(せんごう)して、偈(げ)を以って頌して曰さく、

大威徳世尊 衆生を度せんが為の故に 
無量億歳に於いて 爾して乃(いま)し成仏することを得 
諸願已に具足したまえり 善い哉吉無上(かな・きつむじょう) 
世尊は甚だ希有なり 一たび坐して十小劫 
身体及び手足 静然として安んじて動ぜず 
其の心常に憺怕(たんぱく)にして 未だ曾って散乱有らず 
究竟して永く寂滅し 無漏の法に安住したまえり
今者世尊の 安穏に仏道を成じたもうを見て 我
等善利を得 称慶して大いに歓喜す
衆生は常に苦悩し 盲冥にして導師無し 
苦尽の道を識らず 解脱を求むることを知らずして 
長夜に悪趣を増し 諸天衆を減損す 
冥きより冥きに入って 永く仏の名を聞かず
今仏最上 安穏無漏の法を得たまえり 
我等及び天人 為れ最大利を得たり 
是の故に咸く稽首して 無上尊を帰命したてまつる

爾の時に十六の王子、偈をもって仏を讃め已って、世尊に法輪を転じたまえと勧請(かんじょう)しき。咸く是の言を作さく、
世尊、法を説きたまえ。安穏ならしむる所多からん。諸天人民を憐愍し饒益したまえ。
重ねて偈を説いて言さく、

世雄は等倫無し 百福をもって自ら荘厳し 
無上の智慧を得たまえり 願わくは世間の為に説いて 
我等 及び諸の衆生の類を度脱し 
為に分別顕示して 是の智慧を得せしめたまえ
若し我等仏を得ば 衆生も亦復然ならん 
世尊は衆生 深心の所念を知り 
亦所行の道を知り 又智慧力を知しめせり
欲楽及び修福 宿命所行の業 
世尊悉く知(しろ)しめし已(おわ)れり 当に無上輪を転じたもうべし




by johsei1129 | 2021-10-31 15:58 | 法華経28品 並開結 | Trackback | Comments(0)


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