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日蓮大聖人『御書』解説

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2021年 10月 27日

妙法蓮華経 普賢菩薩勧発品第二十八  訓読

妙法蓮華経 普賢菩薩勧発品第二十八   漢訳版

爾の時に普賢菩薩、自在神通力威徳名聞を以って、大菩薩の無量無辺不可称数なると、東方より来る。所経の諸国普く皆震動し、宝蓮華を雨らし、無量百千万億の種種の伎楽を作す。

又無数の諸天、龍、夜叉、乾闥婆(けんだつば)、阿修羅、迦楼羅(かるら)、緊那羅(きんなら)、摩睺羅伽(まごらか)、人非人等の大衆の囲繞(いにょう)せると、各威徳神通の力を現じて、娑婆世界の耆闍崛山(ぎしゃくっせん)の中に到って、頭面に釈迦牟尼仏を礼し、右に繞ること七匝(そう)して、

仏に白(もう)して言(もう)さく、

世尊、我、宝威徳上王仏の国に於いて、遥かに此の娑婆世界に、法華経を説きたもうを聞いて、無量無辺百千万億の諸の菩薩衆と共に、来って聴受す。唯、願わくは世尊、当に為に之を説きたもうべし。若し、善男子、善女人、如来の滅後に於いて、云何にしてか能く是の法華経を得ん。

仏、普賢菩薩に告げたまわく、

若し、善男子、善女人、四法を成就せば、如来の滅後に於いて、当に是の法華経を得べし。

一には、諸仏に護念せらるることを為、二には、諸の徳本を植え、三には、正定聚に入り、四には、一切衆生を救う心を発せるなり。善男子、善女人、是の如く四法を成就せば、如来の滅後に於いて必ず是の経を得ん。

爾の時に普賢菩薩、仏に白して言さく、

世尊、後の五百歳濁悪世の中に於いて、其れ、是の経典を受持すること有らん者は、我当に守護して、其の衰患を除き安穏なることを得せしめ、伺い求むるに、其の便りを得る者無からしむべし。

若しは魔、若しは魔子、若しは魔女、若しは魔民、若しは魔に著せられたる者、若しは夜叉、若しは羅刹(らせつ)、若しは鳩槃荼(くはんだ)、若しは毗舎闍(びしゃじゃ)、若しは吉蔗(きっしゃ)、若しは富単那(ふたんな)、若しは韋陀羅(いだら)等の、諸の人を悩す者皆便りを得ざらん。

是の人、若しは行き、若しは立って此の経を読誦せば、我爾の時に、六牙の白象王に乗って、大菩薩衆と倶に其の所に詣って、自ら身を現じ、供養し守護して其の心を安慰せん。亦法華経を供養せんが為の故なり。

是の人若しは、坐して此の経を思惟せば、爾の時に我復、白象王に乗って其の人の前に現ぜん。其の人若し法華経に於いて、一句一偈をも忘失する所有らば、我当に之を教えて与共に読誦し、還って通利せしむべし。爾の時に法華経を受持し読誦せん者、我が身を見ることを得て、甚だ大いに歓喜して、転(うた)た復精進せん。我を見るを以っての故に、即ち三昧、及び陀羅尼(だらに)を得ん。名づけて旋陀羅尼、百千万億旋陀羅尼、法音方便陀羅尼と為す。是の如き等の陀羅尼を得ん。

世尊若し、後の世の後の五百歳、濁悪世の中に、比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷の求索(ぐしゃく)せん者、受持せん者、読誦せん者、書写せん者、是の法華経を修習せんと欲せば、三七日の中に於いて、応に一心に精進すべし。三七日を満じ已らば、我当に六牙の白象に乗って、無量の菩薩の、而も自ら囲繞(いにょう)せると、一切衆生の見んと憙(ねが)う所の身を以って、其の人の前に現じて、為に法を説いて示教利喜すべし。亦復、其に陀羅尼呪を与えん。是の陀羅尼を得るが故に、非人の能く破壊(はえ)する者有ること無けん。亦女人に惑乱せられじ。我が身亦、自ら常に是の人を護らん。唯願わくは世尊、我が此の陀羅尼を説くことを聴したまえ。

即ち仏前に於いて、呪を説いて曰さく、

阿檀地(あたんだい一)、檀陀婆地(たんだはだい二)、檀陀婆帝(たんだはて三)、檀陀鳩賖隷(たんだくしゃれ四)、檀陀修陀隷(たんだしゅだれ五)、修陀隷(しゅだれ六)、修陀羅婆底(しゅだらはち七)、仏駄波羶禰(ぼだはせんね八)、薩婆陀羅尼阿婆多尼(さるばだらに・あばたに九)、薩婆婆沙、阿婆多尼(さるばばしゃ・あばたに一〇)、修阿婆多尼 しゅあばたに(一一)、僧伽婆履叉尼(そうぎゃはびしゃに一二)、僧伽涅、伽陀尼(そうぎゃね・きゃだに一三)、阿僧祇(あそうぎ一四)、僧伽波伽地(そうぎゃはぎゃだい一五)、帝隷阿惰僧伽兜略(ていれあだそうぎゃとりゃ)阿羅帝(あらて)、波羅帝(はらて)(一六)、薩婆僧伽(さるばそうぎゃ)、三摩地(さんまじ)、伽蘭地(きゃらんだい一七)、薩婆達磨、修波利刹帝(さるばだるま・しゅはりせつて一八)、薩婆薩埵(さるばさった)、楼駄憍舎略(ろだきょうしゃりゃ)、阿❶伽地(あとぎゃだい一九)、辛阿毗吉利地帝(しんあびきりたいて二〇)。

世尊、若し菩薩有って、是の陀羅尼を聞くことを得ん者は当に知るべし。普賢神通の力なり。若し法華経の、閻浮提(えんぶだい)に行ぜんを受持すること有らん者は、応に此の念を作すべし。
 皆是れ、普賢威神の力なりと。

若し受持し、読誦し、正憶念し、其の義趣を解し、説の如く修行すること有らん。当に知るべし。是の人は、普賢の行を行ずるなり。無量無辺の諸仏の所に於いて、深く善根を種えたるなり。諸の如来の手をもって、其の頭を摩でたもうことを為ん。若し但書写せんは、是の人命終して、当に忉利(とうり)天上に生ずべし。是の時に八万四千の天女、衆の伎楽を作して、来って之を迎えん。其の人、即ち七宝の冠を著て、采女の中に於いて娯楽快楽せん。何に況や受持し、読誦し、正憶念し、其の義趣を解し、説の如く修行せんをや。若し、人有って受持し、読誦し、其の義趣を解せん。是の人命終せば、千仏の手を授けて、恐怖せず、悪趣に堕ちざらしめたもうことを得、即ち兜率天上の弥勒菩薩の所に往かん。弥勒菩薩は、三十二相有って、大菩薩衆に共に囲繞せらる。百千万億の天女眷属有って、中に於いて生ぜん。是の如き等の功徳利益有らん。是の故に智者、応当に一心に自ら書き、若しは人をしても書かしめて、受持し、読誦し、正憶念し、説の如く修行すべし。

世尊、我今神通力を以っての故に、是の経を守護して如来の滅後に於いて、閻浮提の内に広く流布せしめて断絶せざらしめん。

爾の時に釈迦牟尼仏、讃めて言わく、

善い哉善い哉、普賢、汝能く、是の経を護助して、多所の衆生をして、安楽し利益せしめん。汝已に、不可思議の功徳深大の慈悲を成就せり。久遠より来(このかた)、阿耨多羅三藐三菩提の意を発して、能く是の神通の願を作して、是の経を守護す。我当に神通力を以って、能く普賢菩薩の名を受持せん者を守護すべし。

普賢、若し是の法華経を受持し、読誦し、正憶念し、修習し、書写すること有らん者は、当に知るべし。是の人は、則ち釈迦牟尼仏を見るなり。仏口より此の経典を聞くが如し、当に知るべし。是の人は、釈迦牟尼仏を供養するなり。当に知るべし。是の人は、仏善い哉と讃む。当に知るべし。是の人は、釈迦牟尼仏の手をもって、其の頭を摩()ずるを為()ん。当に知るべし。是の人は、釈迦牟尼仏の衣に覆(おお)わるることを為()ん。

是の如きの人は、復世楽に貪著(とんじゃく)せじ、外道の経書、手筆を好まじ。亦復憙って其の人、及び諸の悪者の、若しは屠児(とに)、若しは豬羊(ちょよう)、鶏狗(けいく)を畜(やしな)うもの、若しは猟師、若しは女色を衒売(げんまい)するものに親近せじ。是の人は、心意質直にして正憶念有り。福徳力有らん。是の人は、三毒に悩まされじ。亦嫉妬、我慢、邪慢、増上慢に悩されじ。是の人は、少欲知足にして、能く普賢の行を修せん。

普賢、若し如来の滅後、後の五百歳に若し人あって、法華経を受持し、読誦せん者を見ては、応に是の念を作すべし。

此の人は久しからずして、当に道場に詣して、諸の魔衆を破し、阿耨多羅三藐三菩提を得、法輪を転じ、法の鼓を撃ち、法の螺を吹き、法の雨を雨すべし。当に天人大衆の中の、師子の法座の上に坐すべし。

普賢、若し後の世に於いて、是の経典を受持し、読誦せん者は、是の人復、衣服、臥具、飲食、資生の物に貪著せじ、所願虚しからじ。亦現世に於いて、其の福報を得ん。

若し人有って、之を軽毀して言わん、

汝は狂人ならくのみ。空しく是の行を作して、終に獲る所無けんと。

是の如き罪報は、当に世世に眼無かるべし。若し之を供養し、讃歎すること有らん者は、当に今世に於いて、現の果報を得べし。若し復是の経典を受持せん者を見て、其の過悪を出さん。若しは実にもあれ、若しは不実にもあれ、此の人は現世に白癩の病を得ん。若し之を軽笑すること有らん者は、当に世世に、牙歯疎欠(げしそけつ)、醜脣平鼻(しゅうしんびょうび)、手脚繚戻(しゅきゃく・りょうらい)し、眼目角睞(げんもく・らくらい)に、身体臭穢(しゅうえ)にして、悪瘡膿血、水腹短気、諸の悪重病あるべし。

是の故に普賢、若し是の経典を受持せん者を見ては、当に起って遠く迎うべきこと、当に仏を敬うが如くすべし。

是の普賢勧発品を説きたもう時、恒河沙等の無量無辺の菩薩百千万億旋陀羅尼を得、三千大千世界微塵等の諸の菩薩、普賢の道を具しぬ。

仏是の経を説きたもう時、普賢等の諸の菩薩、舎利弗等の諸の声聞、及び諸の天、龍、人非人等の一切の大会皆大いに歓喜し、仏語を受持して礼を作して去りにき。



変換不能漢字❶:「少」の冠に「兎」の文字。読みは「ト」。



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by johsei1129 | 2021-10-27 11:33 | 法華経28品 並開結 | Trackback | Comments(0)


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