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日蓮大聖人『御書』解説

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2021年 10月 27日

妙法蓮華経 妙荘厳王本事品第二十七  訓読

妙法蓮華経 妙荘厳王本事品第二十七   漢訳

爾の時に仏、諸の大衆に告げたまわく、
乃往古世(ないおうこせ)に、無量無辺不可思議阿僧祇劫を過ぎて仏有しき。雲雷音宿王華智多陀阿伽度、阿羅訶、三藐三仏陀と名づけたてまつる。国を光明荘厳(こうみょうしょうごん)と名づけ、劫を喜見と名づく。彼の仏の法の中に王有り、妙荘厳と名づく。其の王の夫人、名を浄徳と曰う。二子有り。一を浄蔵と名づけ、二を浄眼と名づく。是の二子、大神力、福徳智慧有って、久しく菩薩所行の道を修せり。所謂檀波羅蜜、尸羅波羅蜜、羼提波羅蜜(せんだいはらみつ)、毗梨耶波羅蜜(びりやはらみつ)、禅波羅蜜、般若波羅蜜、方便波羅蜜、慈悲喜捨、乃至三十七品の助道の法、皆悉く明了に通達せり。又、菩薩の浄三昧、日星宿三昧、浄光三昧、浄色三昧、浄照明三昧、長荘厳三昧、大威徳蔵三昧を得、此の三昧に於いて、亦悉く通達せり。爾の時に彼の仏、妙荘厳王を引導せんと欲し、及び衆生を愍念したもうが故に、是の法華経を説きたもう。時に浄蔵、浄眼の二子、其の母の所に到って、十指爪掌を合わせて白して言さく、
願わくは母、雲雷音宿王華智仏の所に往詣したまえ。我等亦当に、侍従して親近し、供養し礼拝すべし。所以は何ん。此の仏一切の天人衆の中に於いて、法華経を説きたもう。宜しく応に聴受すべし。
母、子に告げて言わく、
汝が父、外道を信受して、深く婆羅門の法に著せり。汝等応に、往いて父に白して、与して共倶に去らしむべし。
浄蔵、浄眼、十指爪掌を合わせて母に白さく、
我等は是法王の子なり。而るに此の邪見の家に生れたり。
母、子に告げて言わく、
汝等当に、汝が父を憂念して、為に神変を現ずべし。若し見ることを得ば、心必ず清浄ならん。或は我等が仏所に往至することを聴(ゆる)されん。
是に於いて二子、其の父を念うが故に、虚空に踊在すること高さ七多羅樹にして、種種の神変を現ず。虚空の中に於いて行住坐臥し、身の上より水を出し、身の下より火を出し、身の下より水を出し、身の上より火を出し、或は大身を現じて虚空の中に満ち、而も復小を現じ、小にして復大を現じ、空中に於いて滅し、忽然として地に在り。地に入ること水の如く、水を履むこと地の如し。是の如き等の種種の神変を現じて、其の父の王をして、心浄く信解(しんげ)せしむ。時に父、子の神力是の如くなるを見て、心大いに歓喜し未曾有なることを得、合掌して子に向かって言わく、汝等が師は、為めて是れ誰ぞ。誰が弟子ぞ。
二子白して言さく、
大王、彼の雲雷音宿王華智仏、今、七宝菩提樹下の法座の上に在して坐したまえり。一切世間の天人衆の中に於いて、広く法華経を説きたもう。是れ、我等が師なり。我は是れ弟子なり。
父、子に語って言わく、
我今亦汝等が師を見たてまつらんと欲す。共倶に往べし。是に於いて二子、空中より下りて、其の母の所に到って合掌して、母に白さく、
父の王、今已に信解して、阿耨多羅三藐三菩提の心を発すに堪任せり。我等、父の為に已に仏事を作しつ。願わくは母、彼の仏の所に於いて出家し修道せんことを聴されよ。
爾の時に二子、重ねて其の意を宣べんと欲して、偈を以って母に白さく、

願わくは母我等に 出家して沙門と作らんことを放したまえ 
諸仏には甚だ値い奉り難し 我等仏に随い奉りて学せん 
優曇波羅の如く 仏に値い奉ること復是れよりも難し 
諸難を脱るること亦難し 願わくは我が出家を聴し給え

母即ち告げて言わく、
汝が出家を聴す。所以は何ん。仏には値いたてまつること難きが故に。
是に於いて二子、父母に白して言さく、
善い哉、父母、願わくは時に、雲雷音宿王華智仏の所に往詣して親覲し供養したまえ。所以は何ん。仏には値いたてまつることを得難し。優曇波羅華の如く、又、一眼の亀の浮木の孔に値えるが如し。而るに我等宿福深厚にして、仏法に生まれ値えり。是の故に父母、当に我等を聴して出家することを得せしめたもうべし。所以は何ん。諸仏には値いたてまつり難し。時にも亦遇うこと難し。
彼の時に、妙荘厳王の後宮の八万四干人、皆悉く是の法華経を受持するに堪任しぬ。浄眼菩薩は法華三昧に於いて、久しく已に通達せり。浄蔵菩薩は、已に無量百干万億劫に於いて、離諸悪趣三昧を通達せり。一切衆生をして、諸の悪趣を離れしめんと欲するが故に。其の王の夫人は、諸仏集三昧を得て、能く諸仏の秘密の蔵を知れり。二子是の如く方便力を以って、善く其の父を化して心に仏法を信解し好楽(こうぎょう)せしむ。
是に於いて妙荘厳王は、群臣眷属と倶に、浄徳夫人は、後宮の采女眷属(さいにょけんぞく)と倶に、其の王の二子は、四万二千人と倶に、一時に共に仏所に詣ず。到り已って頭面に足を礼し、仏を繞(めぐ)ること三帀(さんそう)して、却って一面に住す。
爾の時に彼の仏、王の為に法を説きて示教利喜したもう。王、大いに歓悦す。爾の時に妙荘厳王、及び其の夫人、頚の真珠、瓔珞(ようらく)の価直(あたい)百千なるを解いて、以って仏の上に散ず。虚空の中に於いて、化して四柱の宝台と成る。台の中に大宝の牀有って、百千万の天衣を敷けり。其の上に仏有して、結跏趺坐(けっかふざ)して大光明を放ちたもう。
爾の時に妙荘厳王、是の念を作さく、
仏身は希有にして端厳殊特なり。第一微妙の色を成就したまえり。
時に雲雷音宿王華智仏、四衆に告げて言わく、
汝等是の妙荘厳王の、我が前に於いて、合掌して立てるを見るや不や。此の王、我が法の中に於いて比丘と作って、助仏道の法を精勤修習して、当に作仏することを得べし。娑羅樹王(しゃらじゅおう)と号づけん。国を大光と名づけ、劫を大高王と名づけん。其の娑羅樹王仏、無量の菩薩衆、及び無量の声聞有って、其の国平正なん。功徳是の如し。
其の王、即時に国を以って弟に付して、王と夫人二子並びに諸の眷属と、仏法の中に於いて出家し修道しき。王出家し已って、八万四千歳に於いて、常に勤めて精進して妙法華経を修行す。是れを過ぎて已後、一切浄功徳荘厳三昧を得つ。即ち虚空に昇ること高さ七多羅樹にして、仏に白して言さく、
世尊、此の我が二子已に仏事を作しつ。神通変化を以って、我が邪心を転じて仏法の中に安住することを得、世尊を見たてまつることを得せしむ。此の二子は是れ我が善知識なり。宿世の善根を発起して、我を饒益(にょうらく)せんと欲するを為っての故に、我が家に来生せり。
爾の時に雲雷音宿王華智仏、妙荘厳王に告げて言わく、
是の如し是の如し。汝が所言の如し。若し善男子、善女人、善根を植えたるが故に、世世に善知識を得。其の善知識は、能く仏事を作し、示教利喜して阿耨多羅三藐三菩提に入らしむ。大王当に知るべし。善知識は、是れ大因縁なり。所謂化導して仏を見、阿耨多羅三藐三菩提の心を発すことを得せしむ。大王、汝此の二子を見るや不や。此の二子は、已に曾て六十五百千万億那由佗恒河沙の諸仏を供養し、親近し恭敬して、諸仏の所に於いて法華経を受持し、邪見の衆生を愍念して、正見に住せしむ。
妙荘厳王、即ち虚空の中より下りて、仏に白して言さく、世尊、如来は甚だ希有なり。功徳智慧を以っての故に、頂上の肉髻(にっけ)光明顕照す。其の眼長広にして紺青の色なり。眉間の毫相、白きこと珂月(かげつ)の如し。歯白く、斉密にして常に光明有り。脣の色赤好にして頻婆果(びんばか)の如し。
爾の時に妙荘厳王、仏の是の如き等の、無量百千万億の功徳を讃歎し已って、如来の前に於いて一心に合掌して、復仏に白して言さく、
世尊、未曾有なり。如来の法は、不可思議の微妙の功徳を具足し成就したまえり。教戒の所行、安穏快善なり。我今日より、復自ら心行に随わず。邪見、憍慢、瞋恚、諸悪の心を生ぜじ。
是の語を説き已って、仏を礼して出でにき。

仏、大衆に告げたまわく、意に於いて云何。妙荘厳王は、豈異人ならんや。今の華徳菩薩是れなり。
其の浄徳夫人は、今の仏、前に光をもって照らす荘厳相の菩薩是れなり。妙荘厳王、及び諸の眷属を哀愍(あいみん)せんが故に、彼の中に於いて生ぜり。其の二子は今の薬王菩薩、薬上菩薩是れなり。
是の薬王、薬上菩薩は、此の如き諸の大功徳を成就し已って、無量百千万億の諸仏の所に於いて、衆の徳本を植えて、不可思議の諸善功徳を成就せり。若し人有って、是の二菩薩の名字を識らん者は、一切世間の諸天人民、亦応に礼拝すべし。
仏、是の妙荘厳王本事品を説きたもう時、八万四千人、遠塵離垢(おんじんりく)して、諸法の中に於いて法眼浄を得たり。








by johsei1129 | 2021-10-27 09:06 | 法華経28品 並開結 | Trackback | Comments(0)


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