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日蓮大聖人『御書』解説

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2021年 10月 26日

妙法蓮華経 陀羅尼品第二十六  訓読

妙法蓮華経 陀羅尼品第二十六   漢訳版

爾の時に薬王菩薩、即ち座より起って、偏えに右の肩を袒(あらわ)にし合掌し、仏に向かいたてまつりて、仏に白して言さく、
世尊、若し善男子、善女人の、能く法華経を受持すること有らん者、若しは読誦し、通利し、若しは経巻を書写せんに、幾所の福をか得ん。
仏、薬王に告げたまわく、
若し善男子、善女人有って、八百万億那由佗恒河沙等の諸仏を供養せん。汝が意に於いて云何。其の所得の福、寧ろ多しと為んや不や。
甚だ多し、世尊。
仏の言わく、
若し善男子、善女人、能く是の経に於いて、乃至一四句偈を受持し、読誦し、解義し、説の如く修行せん、功徳甚だ多し。

爾の時に薬王菩薩、仏に白して言さく、
世尊、我今当に説法者に陀羅尼呪(だらにしゅ)を与えて、以って之を守護すべし。
即ち呪を説いて曰さく、
安爾(一)、曼爾(二)、摩禰(まね三)、摩摩禰(ままね四)、旨隷(しれ五)、遮梨第(しゃりて六)、賖咩(しゃみゃ羊鳴音七)、賖履多瑋(しゃびたい八)、羶帝(せんて九)、目帝(もくて一〇)、目多履(もくたび一一)、娑履(しゃび一二)、阿瑋娑履(あいしゃび一三)、桑履(そうひ一四)、裟履(しゃび一五)、叉裔(しゃえ一六)、阿叉裔(あしゃえ一七)、阿耆膩(あぎに一八)、羶帝(せんて一九)、賖履(しゃび二〇)、陀羅尼(だらに二一)、阿盧伽婆娑簸庶毗叉膩(あろぎゃばさいばしゃびしゃに二二)、禰毗剃(ねびて二三)、阿便哆邏禰履剃(あべんたらねびて二四)、阿亶哆波隷輸地(あたんだはれしゅだい途売反二五)、欧究隷(うくれ二六)、牟究隷(むくれ二七)、阿羅隷(あられ二八)、波羅隷(はられ二九)、首迦差(しゅぎゃし三〇)、阿三磨三履(あさんまさんぴ三一)、仏駄毗吉利袟帝(ぼつだびきりじって三二)、達磨波利差帝(だるまはりして三三)、僧伽涅瞿沙禰(そうぎゃねくしゃね三四)、婆舎婆舎輸地(ばしゃばしゃしゅだい三五)、曼哆羅(まんたら三六)、曼哆羅叉夜多(まんたらしゃやた三七)、郵楼哆(うろた三八)、郵楼哆憍舎略(うろたきょうしゃりゃ盧遮反三九)、悪叉邏(あしゅら四〇)、悪叉冶多冶(あしゃやたや四一)、阿婆盧(あばろ四二)、阿摩若那多夜(あまにゃなたや四三)。
世尊、是の陀羅尼神呪は、六十二億恒河沙等の諸仏の所説なり。若し此の法師を侵毀すること有らん者は、則ち為れ、是の諸仏を侵毀(しんき)し已れるなり。
時に釈迦牟尼仏、薬王菩薩を讃めて言わく、
善い哉善い哉、薬王、汝此の法師を愍念擁護(みんねんおうご)するが故に、是の陀羅尼を説く。諸の衆生に於いて、饒益する所多からん。

爾の時に勇施(ゆぜ)菩薩、仏に白して言さく、
世尊、我亦法華経を読誦し、受持せん者を擁護せんが為に陀羅尼を説かん。若し此の法師、是の陀羅尼を得ば、若しは夜叉(やしゃ)、若しは羅刹(らせつ)、若しは富単那(ふたんな)、若しは吉蔗(きっしゃ)、若しは鳩槃荼(くはんだ)、若しは餓鬼等、其の短を伺い求むれども、能く便りを得ること無けん。
即ち仏前に於いて、呪を説いて曰さく、
痤(誓螺反)隷(れ一)、摩訶痤隷(まかざれ二)、郁枳(うっき三)、目枳(もっき四)、阿隷(あれ五)、阿羅婆第(あらはて六)、涅隷第(ねれて七)、涅隷多婆第(ねれたはて八)、伊緻(いら豬履反)柅(に九)、韋緻柅(いちに一〇)、旨緻柅(しちに一一)、涅隷墀柅(ねれちに一二)、涅棃墀婆底(ねりちはち一三)。
世尊、是の陀羅尼神呪は、恒河沙等の諸仏の所説なり。亦皆随喜したもう。若し此の法師を侵毀すること有らん者は、則ち為れ、是の諸仏を侵毀し已れるなり。

爾の時に毗沙門天王護世者、仏に白して言さく、世尊、我亦衆生を愍念し、此の法師を擁護せんが為の故に是の陀羅尼を説かん。
即ち呪を説いて曰さく、
阿棃(あり一)、那棃(となり二)、❶那棃(となり三)、阿那盧(あなろ四)、那履(なび五)、拘那履(くなび六)、世尊、是の神呪を以って法師を擁護せん。我亦自ら当に、是の経を持たん者を擁護して、百由旬の内に、諸の衰患無からしむべし。

爾の時に持国天王、此の会中に在って、千万億那由佗の乾闥婆衆の恭敬し囲繞(いにょう)せると、前んで仏所に詣でて合掌し、仏に白して言さく、
世尊、我亦陀羅尼神呪を以って、法華経を持たん者を擁護せん。
即ち呪を説いて曰さく、
阿伽禰(あきゃね一)、伽禰(きゃね二)、瞿利(くり三)、乾陀利(けんだり四)、旃陀利(せんだり五)、摩蹬耆(まとうぎ六)、常求利(じょうぐり七)、浮楼莎柅(ぶろしゃに八)、頞底(あつち九)。世尊、是の陀羅尼神呪は、四十二億の、諸仏の所説なり。若し此の法師を侵毀すること有らん者は、則ち為れ是の諸仏を侵毀し已れるなり。

爾の時に羅刹女等有り、一を藍婆(らんば)と名づけ、二をび毗藍婆(びらんば)と名づけ、三を曲歯(こくし)と名づけ、四を華歯(けし)と名づけ、五を黒歯と名づけ、六を多髪と名づけ、七を無厭足(むえんぞく)と名づけ、八を持瓔珞(じようらく)と名づけ、九を皇諦(こうだい)と名づけ、十を奪一切衆生精気と名づく。是の十羅刹女、鬼子母、並びに其の子、及び眷属と倶に仏所に詣でて、同声に仏に白して言さく、
世尊、我等亦、法華経を読誦し受持せん者を擁護して、其の衰患(すいげん)を除かんと欲す。若し、法師の短を伺い求むる者有りとも、便を得ざらしめん。
即ち仏前に於いて、呪を説いて曰さく、
伊提履(いでび一)、伊提泯(いでびん二)、伊提履(いでび三)、阿提履(あでび四)、伊提履(五)、泥履(でび六)、泥履(七)、泥履(八)、泥履(九)、泥履(一〇)、楼醯(ろけ一一)、楼醯(一二)、楼醯(一三)、楼醯(一四)、多醯(たけ一五)、多醯(一六)、多醯(一七)、兜醯(とけ一八)、❶醯(とけ一九)。
寧ろ我が頭の上に上るとも、法師を悩すこと莫れ。若しは夜叉(やしゃ)、若しは羅刹(らせつ)、若しは餓鬼、若しは富単那(ふたんな)、若しは吉蔗(きっしゃ)、若しは毗陀羅(びだら)、若しは犍駄(けんだ)、若しは烏摩勒伽(うまろくきゃ)、若しは阿跋摩羅(あばつまら)、若しは夜叉吉蔗(やしゃきっしゃ)、若しは人吉蔗、若しは熱病せしむること、若しは一日、若しは二日、若しは三日、若しは四日、乃至七日、若しは常に熱病せしめん。若しは男形、若しは女形、若しは童男形、若しは童女形、乃至夢中にも亦復悩ますこと莫れ
即ち仏前に於いて、偈を説いて言さく、
若し我が呪に順ぜずして 説法者を脳乱せば 
頭破(こうべ・わ)れて七分に作ること 阿梨樹(ありじゅ)の枝の如くならん
父母を殺しぬる罪の如く 亦油を圧(お)す殃(つみ) 
斗秤(としょう)をもって人を欺誑(ぎおう)し 調達(ちょうだつ)が破僧罪の如く 
此の法師を犯さん者は 当に是の如き殃を獲(う)べし
諸の羅刹女、此の偈を説き已って、仏に白して言さく、
世尊、我等亦当に、身自ら是の経を受持し、読誦し、修行せん者を擁護して安穏なることを得、諸の衰患を離れ、衆の毒薬を消さしむべし。
仏、諸の羅刹女に告げたまわく、
善い哉善い哉、汝等但能く、法華の名を受持せん者を擁護せんすら、福量るべからず。何に況や具足して受持し、経巻に、華香、瓔珞(ようらく)、抹香、塗香(ずこう)、焼香、旛蓋(ばんがい)、伎楽を供養し、種種の燈、蘇燈、油燈、諸の香油燈、蘇摩那華油燈、瞻蔔華油燈(せんぼっけゆこう)、婆師迦華油燈、優鉢羅華油燈(うはつらけゆとう)を燃(とも)し、是の如き等の、百千種をもって供養せん者を擁護せんをや。皇諦(こうだい)、汝等及び眷属、応当に是の如き法師を擁護すべし。
此の陀羅尼品を説きたもう時、六万八千人、無生法忍を得たり。


変換不能漢字❶:「少」の冠に「兎」の文字。読みは「ト」。






by johsei1129 | 2021-10-26 16:23 | 法華経28品 並開結 | Trackback | Comments(0)


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