【普賢経五箇の大事】
第五 正法治国 不邪枉人民の事(注)
御義口伝に云く、末法の正法とは南無妙法蓮華経なり。此の五字は一切衆生をたぼらかさぬ秘法なり。
正法を天下一同に信仰せば、此の国安穏ならむ。されば玄義(注)に云く「若し此の法に依れば即ち天下泰平」と。
此の法とは法華経なり、法華経を信仰せば、天下安全たらむ事・疑有る可からざるなり。
已上二百二十九箇大事
注
正法治国 不邪枉(ふじゃおう)人民
「佛説觀普賢菩薩行法經(普賢経)」後段の下記の文の偈
[原文]
第三懺悔者 正法治國 不邪枉人民 是名修第三懺悔
[和訳]
第三の懺悔する者とは、正法をもって国を治め、人民を邪枉せざらん。是れを第三の懺悔を修すと名づくなり。
玄義
天台大師の法華三部作の一つ「法華玄義」の事。