人気ブログランキング | 話題のタグを見る

日蓮大聖人『御書』解説

nichirengs.exblog.jp
ブログトップ
2019年 03月 22日

末法の本仏の立場で法華経二十八品を後継者、日興上人に口伝した書【御義口伝 下】要点解説(79)

【薬王品六箇の大事】


 第二 十喩の事

 御義口伝に云く、十喩(注)とは十界(注)なり。此の山の下に地獄界を含めり。川流・江河、餓鬼畜生を摂せり。日月の下に修羅を収めたり。帝釈梵天は天界なり。凡夫人とは人間なり。声聞とは四向四果の阿羅漢なり。縁覚とは辟支仏中と説かれたり。菩薩は菩薩為第一と云えり。仏界は如仏為諸法王と見えたり。

 此の十界を十喩と挙げて、教相を分別して、さて妙法蓮華経の於一仏乗より分別説三する時、此くの如く挙げたり。

 仍つて一念三千の法門なり。一念三千は抜苦与楽(注)なり。


十喩
薬王品で釈尊は宿王華菩薩に向かって、法華経の功徳の大きさを10種の比喩で説いており、
日蓮大聖人はこの十喩を【聖愚問答抄】で次の様に解き明かされておられます。
 『第一は水の譬(たとえ)なり、江河を諸経に譬へ、大海を法華に譬へたり。然るに今の世の人は海の諸河に勝る事をば知るといへども、法華経の第一なる事をば弁へず。
 第二は山の譬なり。衆山を諸経に譬へ、須弥山を法華に譬へたり。須弥山は上下十六万八千由旬の山なり。何れの山か肩を並ぶべき。
 第三は星月の譬なり。諸経を星に譬へ、法華経を月に譬ふ。月と星とは何れ勝りたりと思へるや。乃至次下には此の経も亦復是くの如し』と。 

十界
法華経では縁(外的要因)により衆生の生命に生じる命の状態は十あると分別する。
それは[地獄界、餓鬼界、畜生界、修羅界、人界、天界]の六道。[声聞界、縁覚界、菩薩界、仏]の四聖、
通常衆生は六道を巡り巡る。この命の状態を六道輪廻と称し、そこから脱した命の境涯が四聖となる。

妙法蓮華経では全ての衆生の命に仏の命が内在しており、その命を開くために仏道修行をし、仏身を成就することが仏が妙法蓮華経を説いた目的であると説いている。

方便品第二で仏の命を『開き・示し・悟り・入り」せしめるのが仏の【一大事因縁】であると解き明かし、
如来寿量品第十六の最後に
『毎自作是念 以何令衆生 得入無上道 速成就仏身(仏はいつも如何にして衆生を無上道(仏道)に入らしめて速やかに仏身を成就する事を念じている』と仏の慈悲を示している。

抜苦与楽(ばっくよらく)
仏が衆生の苦しみを抜き楽を与えるこ。
竜樹の大智度論27には「大慈与一切衆生楽、大悲抜一切衆生苦」とある。
末法においては、苦とは日蓮大聖人の正法を信ぜず迷いの境涯にあることを意味し、楽とは大聖人が末法の衆生に残された十界曼荼羅の御本尊を信じ、南無妙法蓮華と唱え迷いの境地から『煩悩即菩提』の境地に住していくことを意味する。







by johsei1129 | 2019-03-22 21:33 | 御義口伝 | Trackback | Comments(0)


<< Gosho 清澄寺大衆中 Le...      Gosho 清澄寺大衆中 Le... >>