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日蓮大聖人『御書』解説

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2019年 03月 12日

末法の本仏の立場で法華経一部二十八品を直弟子日興上人に口伝した書【御義口伝 下】要点解説(75)



 第一 從法座起の事 (注)

 御義口伝に云く、座を起ちて塔外(とうげ)の儀式なり。三摩の付嘱(注)有るなり。

 三摩の付嘱とは身口意三業、三諦、三観と付嘱し給う事なり云云。



從法座起の事

嘱累品、冒頭の次の文にあります。

[原文]

爾時釈迦牟尼仏 従法座起 現大神力 以右手摩

無量菩薩摩訶薩頂 而作是言 我於無量 百千万億 阿僧祇劫

修習是難得 阿耨多羅三藐三菩提法

今以付属汝等 汝等応当一心 流布此法 広令増益

如是三摩 諸菩薩摩訶薩頂

[和訳]

爾の時、釈迦牟尼仏は 法座より起きて、大神力を現わし、右の手を以て

無量の菩薩摩訶薩の頂を摩(な)で、而して是の言を作なせり

我、無量 百千万億 阿僧祇劫に於て、是の得難き 阿耨多羅三藐三菩提の法を修習せり。

今、以って汝等に付属せり。汝等よ、応当(まさ)に一心に 此の法を流布し

広く増益せしむべし。是の如く三たび、諸の菩薩摩訶薩の頂を摩でり。


三摩の付嘱

嘱累品の嘱累とは、仏から菩薩への法華経の付属の事を意味します。

法華経での付属は【神力品二十一】での地涌の菩薩の上首・上行菩薩への釈尊滅後の弘通を付属した『別付属』と、

【嘱累品二十二】における娑婆世界(地球)以外の他の仏国土から参集した諸菩薩への付属である「総付属」があります。


尚、法華経のサンスクリットの原文では、嘱累品は最後の品に記述されていて、竺法護が漢訳した正法華経ではサンスクリットの原文通り、最後に嘱累品(第二十七)が置かれています。

それでは妙法蓮華経を漢訳した鳩摩羅什は何故、嘱累品を二十二番目に置いたのでしょうか。それは口伝で伝えられてきた妙法蓮華経を経典として書き起こす際、そのままでは口伝にある通り、あまりにも難信難解で一般の衆生にとって経としての有難味に欠けると判断され、それまで説かれた小乗経の要素を付け加えたと強く推察されます。

そこで鳩摩羅什は釈尊が法華経として霊鷲山で説かれたのは神力品までとして、神力品の直後に嘱累品を置いたと思われます。

この点について日蓮大聖人は【観心本尊抄】で次の様に解き明かされておられます。

『又本門に於て序正流通有り。過去大通仏の法華経より乃至現在の華厳経乃至迹門十四品・涅槃経等の一代五十余年の諸経・十方三世諸仏の微塵の経経は、皆、寿量の序分なり。一品二半(注)よりの外は小乗教・邪教・未得道教・覆相教と名く』と。


さらに【兵衛志殿御返事】では次の様に解き明かされておられます。

『序品より法師品にいたるまで等覚已下の人天・四衆・八部・其のかずありしかども仏は但釈迦如来一仏なり重くてかろきへんもあり。宝塔品より嘱累品にいたるまでの十二品は殊に重きが中の重きなり、其の故は釈迦仏の御前に多宝の宝塔涌現せり。月の前に日の出でたるがごとし。又十方の諸仏は樹下に御はします十方世界の草木の上に火をともせるがごとし。此の御前にてせんせられたる文なり』と。


一品二半

妙法蓮華経 従地湧出品第十五の後半(弥勒菩薩の動執生疑以降)、如来寿量品第十六の一品、分別功徳品第十七の前半の半品を言います








by johsei1129 | 2019-03-12 19:57 | 御義口伝 | Trackback | Comments(0)


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