第四 満百千歳の事 (注)
御義口伝に云く、満とは法界なり、百は百界なり、千は千如なり。
一念三千を満百千歳と説くなり云云。
一時も一念も満百千歳にして、十種の神力を現ずるなり。
十種の神力とは十界の神力なり。十界の各各の神力は、一種の南無妙法 蓮華経なり云云。
注
満百千歳の事
神力品の次の偈の文にある。
[原典]
釈迦牟尼仏 及宝樹下諸仏 現神力時 満百千歳
然後還摂舌相 一時謦欬 倶共弾指 是二音声
遍至十方 諸仏世界
[和訳]
釈迦牟尼仏及び宝樹下の諸仏は、神力を現じたもう時、百千歳を満たせり。
然して後に還って舌相を摂(おさ)めて、一時に謦欬(しわぶき)し、共に指、弾したもう。
是の二つ(釈迦仏、多宝如来)の音声は、遍く十方の諸仏の世界に至れり。
十界の各各の神力は、一種の南無妙法 蓮華経なり
十界の各々の神力とは、この世で起きる諸現象、例えば太陽が地球に光を放つ、万有引力により潮の満ち引きが生じると言った諸現象を意味し、日蓮大聖人は本抄で、それは宇宙の根源の法「南無妙法蓮華経」の作用の一分であると解き明かされておられます。
【御義口伝 下】要点解説(71)に続く
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