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日蓮大聖人『御書』解説

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2018年 10月 05日

末法の本仏の立場で法華経一部二十八品を直弟子日興上人に口伝した書【御義口伝 下】要点解説(9)

【寿量品二十七箇の大事】



 第九 毒気深入 失本心故の事(注)

 

 御義口伝に云く、毒気深入とは、権教(注)、謗法(注)の執情深く入りたる者なり。
之に依つて法華の大良薬を信受せざるなり。

 服せしむると雖も吐き出だすは、而謂不美(にい・ふみ)とて、むま(美味)からずと云う者なり。


 今、日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉るは、而謂不美の者に非ざるなり。



権教

権つまり仮の教え。法華経を説く以前の爾前経(にぜんきょう)を示す。

爾前経と法華経の根本的な違いは二つ在る。


一つは爾前経では有情・非情にわたり全ての存在に仏性(仏界)があると説かれてはいなかった。

釈尊は【妙法蓮華経 方便品第二】の世雄偈で、仏がこの世に出現した一大事因縁を、

仏の悟つまり仏性を開き、示し、それを衆生にも悟らせ、仏に為る道つまり仏道に入らせる事を目的(開示吾入)として出現したと解き明かした。

もう一つは、爾前経及び【妙法蓮華経 従地涌出品第十伍】迄、釈尊は、釈迦族の王子として生まれ出家し、バラモンの難行苦行をへて菩提樹に端座し瞑想して成道したとする「始成正覚」を説いていたが、【妙法蓮華経 如来寿量品第十六】で次のようにそれを打ち破り、遥か久遠に成道「久遠実成」し、無数の仏国土で衆生を化導してきたと解き明かされた。

『皆は、今の釈迦牟尼仏は釈氏の宮を出でて、伽耶城(がやじょう・注)を去ること遠からず、道場に座して阿耨多羅三藐三菩提(仏の悟り)を得たりと思えり。然るに善男子よ、我は実に成仏してより已来(このかた)、無量無辺・百千万億・那由他劫なり』と。 

謗法
誹謗正法(ひぼうしょうぼう)の略で正しい法を誹謗すること。
末法においては、日蓮大聖人が御図現なされた十界曼陀羅御本尊に「南無妙法蓮華経」と唱える、また仏と為るための究極の修行法、及び日興上人以降それを今日まで正しく伝えてきた法華経の行者を誹謗する事が最も重い謗法となる。

伽耶城 

釈迦が成道し、布教活動をしていたインド東北部の古代マガダ国の都


【御義口伝 下】要点解説(10)に続く



要点解説 目次



by johsei1129 | 2018-10-05 21:16 | 御義口伝 | Trackback | Comments(0)


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