【勧持品十三箇の大事】
第十二 悪鬼入其身の事(注)
御義口伝に云く、悪鬼とは法然、弘法等是なり。入其身とは国王・大臣・万民等の事なり。
今、日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉る者を怨(あだ)むべしと云う事なり。
鬼とは命を奪う者にして奪功徳者と云うなり。
法華経は三世諸仏の命根なり。此の経は一切諸菩薩の功徳を納めたる御経なり。
(注)
悪鬼入其身
勧持品第十三、後段の下記の偈に説かれている。
[原文]
濁劫悪世中 多有諸恐怖
悪鬼入其身 罵詈毀辱我
我等敬信仏 当著忍辱鎧
為説是経故 忍此諸難事
我不愛身命 但惜無上道
[和訳]
濁劫の悪世の中には、多く諸の恐怖有るらん。
悪鬼は其の身(悪僧)に入り、我を罵詈し毀辱せん。
我等は仏を敬い信じたまいて、当に忍辱の鎧を著るべし
是の経(法華経)を説かんが為の故に、此の諸の難事を忍ばん。
我、身命を愛せず、但、無上道(仏道)を惜むべし。
【御義口伝 上】要点解説(106)に続く
要点解説 目次