【勧持品十三箇の大事】
第十 自作此経典の事
御義口伝に云く、(日蓮は)法華経を所作して(自分に都合にいいように)読むと謗す可し、と云う経文なり云云。
第十一 為斯所軽言 汝等皆是仏の事
御義口伝に云く、法華経の行者を蔑(あな)づり、生仏(いきぼとけ)と云うべしと云う経文なり。是は軽心を以て謗るなり。
今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉る者を云う可きなり。
上記第十、第十一は、日蓮大聖人は、末法の法華経の行者を「僣聖増上慢」の僧がどのように謗るかを解き明かしておられます。
現代でも妙法蓮華経二十八品を熟読し心肝に染めることなく、法華経は釈尊滅後に創作された「偽書」で、仏説ではないと主張する仏教学者が存在する。
しかし大乗仏教中観派の祖「龍樹(150 – 250 年頃)」、天親(300-400年頃)、天台(538年 - 597年)、伝教(767-822)等の、法華経を釈尊の極説と讃嘆した偉人達は、微塵も法華経が仏説であることを疑っていない。それは法華経一部二十八品を精読すれば、釈尊以外には解き明かすことができない内容が説かれている事が、容易にわかることである。
また上記と同様に、日蓮大聖人の法門の全てを血脈相承された第二祖日興上人が、後世の弟子信徒のために書き残された「二十六箇条の遺誡置文」には、
「一、御書何れも偽書に擬し当門流を毀謗(きぼう)せん者之有る可し。若し加様の悪侶出来せば親近(しんごん)す可からざる事」と、門下の遺弟等を戒められておられます。
【御義口伝 上】要点解説(105)に続く
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