【勧持品十三箇の大事】
第五 作師子吼(さ・ししく)の事 (注)
御義口伝に云く、師子吼とは仏の説なり、説法とは法華、別しては南無妙法蓮華経なり。
師とは師匠・授くる所の妙法。子とは弟子・受くる所の妙法。
吼とは師弟共に唱うる所の音声なり。作とはおこすと読むなり、
末法にして南無妙法蓮華経を作すなり。
(注)
作師子吼の事
妙法蓮華経 勧持品第十三の下記の偈にある。
[原文]
時諸菩薩。敬順仏意。并欲自満 本願。
便於仏前。作師子吼。而発誓言。世尊。
我等於如来滅後。周旋往返。十方世界。能令衆生。
書写此経。受持読誦。解説其義。如法修行。
正憶念。皆是仏之威力。
[和訳]
時に諸菩薩は仏意に敬順し、ならんで自から本願を満たさんと欲し、
仏前に於いて、師子吼を作し、而して誓言を発せり。世尊(釈尊)よ、
我等は如来の滅後に於いて、周く旋り往返し、十方世界の衆生を、
此経(法華経)を書写し、受持・読誦し、其の義を解説し、法の如く能く修行し、
正しく憶念令(せし)めん。是れ皆、仏の威力ならん。
【御義口伝 上】要点解説(100)に続く
要点解説 目次