【勧持品十三箇の大事】
第四 敬順仏意の事 (注)
御義口伝に云く、法華経に順ずるは敬順仏意なり。
意とは南無妙法蓮華経、是なり。
今、日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉るは、敬順仏意の意なり。
(注)
敬順仏意
勧持品の下記の偈に示されている文。
[原文]
時諸菩薩 敬順仏意 并欲自満 本願
便於仏前。作師子吼。而発誓言。
世尊。我等於如来滅後。周旋往返。十方世界。能令衆生。
書写此経。受持読誦。解説其義。如法修行。
正憶念。皆是仏之威力。
[和訳]
時に諸菩薩は仏意に敬順し、ならんで自から本願を満たさんと欲し、
仏前に於いて、師子吼を作して誓言を発せり。
『世尊よ、我等は如来(釈尊)の滅後に於いて、十方世界の周りをあまねく往返し、能く衆生をして、此の経(法華経)を書写・受持・読誦し、其の義を解説し法の如く修行し、正しく憶念せしめん。是らは皆、仏の威力ならん』
末法の本仏日蓮大聖人は勧持品の「敬順仏意」について、末法においては「ご本尊に向かいて南無妙法蓮華経と唱えることである」と断じられておられます。
また【四菩薩造立抄】で次の様に日蓮に『敬順』するよう門下の弟子信徒を諭されておられます。
『今の時は正には本門・傍には迹門なり。迹門無得道と云つて迹門を捨てて一向本門に心を入れさせ給う人人は、いまだ日蓮が本意の法門を習はせ給はざるにこそ以ての外の僻見なり。私ならざる法門を僻案せん人は、偏に天魔波旬の其の身に入り替りて人をして自身ともに無間大城に堕つべきにて候。つたなしつたなし。
此の法門は、年来貴辺に申し含めたる様に人人にも披露あるべき者なり。総じて日蓮が弟子と云つて法華経を修行せん人人は、日蓮が如くにし候へ。さだにも候はば、釈迦・多宝・十方の分身・十羅刹も御守り候べし。其れさへ尚人人の御心中は量りがたし』と。
【御義口伝 上】要点解説(99)に続く
要点解説 目次