【勧持品十三箇の大事】
第一 勧持の事
御義口伝に云く、勧とは化他、持とは自行なり(注)。
南無妙法蓮華経は自行化他に亘るなり。
今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経を勧めて持たしむるなり。
(注)
勧とは化他、持とは自行なり
仏道修行には、自行(自ら仏になるために行ずる行)と、化他行(他の人を仏道に入らしめる行)の二種がある。
日蓮大聖人は、末法における自行として、自ら図現した「十界曼荼羅の本尊」に南無妙法蓮華経と唱える事を確立した。
そして末法の化他行は「南無妙法蓮華経を勧めて持たしむる」ことであると門下の弟子信徒に諭されておられます。
日蓮大聖人は題目つまり南無妙法蓮華経の自行化他について【三大秘法禀承事】で次の様に解き明かされておられます。
『題目とは二の意有り、所謂正像と末法となり。正法には天親菩薩・竜樹菩薩・題目を唱えさせ給いしかども、自行ばかりにしてさて止ぬ。
像法には南岳天台等亦南無妙法蓮華経と唱え給いて、自行の為にして広く他の為に説かず。是れ理行の題目なり。
末法に入て今日蓮が唱る所の題目は前代に異り、自行化他に亘りて南無妙法蓮華経なり。名体宗用教の五重玄の五字なり』と。
【御義口伝 上】要点解説(96)に続く
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