【提婆達多品八箇の大事】
第四 情存妙法故 身心無懈倦(しんしんむけげん)の事(注)
御義口伝に云く、身心の二字、色心妙法と伝受するなり。
日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉りて即身成仏す。
身心無懈倦とは一念三千なり(※)云云。
(注)
情存妙法故 身心無懈倦
釈迦が過去世に阿私仙人のもとで千年修行したが、情(心)に妙法を存(受持)していたので身心がものうく(うっとうしく)なることはなかったと、弟子に説いた偈。
[原文]
情存妙法故 身心無懈倦 普為諸衆生 勤求於大法
亦不為己身 及以五欲楽 故為大国王 勤求獲此法
遂致得成仏 今故為汝説
[和訳]
情に妙法を存する故に、身と心は懈倦すること無く、普く諸の衆生の為に、大法(妙法華経)を勤求(ごんく)し
亦、己が身の為、及び五欲の楽しみの為ならず。それ故、大国の王と為りても、勤求して此の法(妙法華経)を獲て、
遂に成仏を得ることを致せり。今、それ故、汝の為に説く為り。
身心無懈倦とは一念三千なり
身と心に懈倦無しとは、妙法を持し、己心の生命に一念三千つまり仏界を湧現しているからこそ、色心が「ものうい事」はないと日蓮大聖人は断じておられます。
懈倦
懈 おこたる。なまける。だるい。
倦 あきる。つかれる。
【御義口伝 上】要点解説(91)に続く
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