【提婆達多品八箇の大事】
第二 若不違我 当為宣説の事(注)
御義口伝に云く、妙法蓮華経を宣説する事を、汝は我に違わずして宣説すべしと云う事なり。
若の字は汝なり。天台の云く「法を受けて奉行す」と。
今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉る者は、日蓮に違わずして宣説す可きなり。
阿私仙人とは南無妙法蓮華経なり云云。
(注)
若不違我 当為宣説
この文に該当する提婆達多品の偈
[原文]
時有仙人 来白王言 我有大乗 名妙法蓮華経
若不違我 当為宣説
[和訳]
過去世に大王だった釈尊が優れた法を求めているを聞きつけた阿私仙人が、『我大乗を有せり、妙法蓮華経と名づく。若し我に違わずば、当に為に宣説すべし』として大王に「妙法華経」を説いたことを示しております。
日蓮大聖人は「若し我に違わずば」を、「日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉る者は、日蓮に違わずして宣説す可きなり」と、門下の弟子信徒を諭されておられます。
「日蓮に違わずして」の意は、日蓮は末法の本仏で、諸法の実相を究めているから、法門を説くに、間違えないと断じている事を意味しておられる。
さらに【四菩薩造立抄】では次のように説かれておられます。
「総じて日蓮が弟子と云つて法華経を修行せん人人は、日蓮が如くにし候へ」
【御義口伝 上】要点解説(89)に続く
要点解説 目次