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日蓮大聖人『御書』解説

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2018年 06月 07日

末法の本仏の立場で法華経一部二十八品を直弟子日興上人に口伝した書【御義口伝 上】要点解説(73)

【宝塔品二十箇の大事】


第七 於十方国土 有説法華経処 我之塔廟 為聴是経故 涌現其前 為作証明 讃言善哉(さんごん・ぜんざい)の事

[上記和訳]
(若し我(多宝如来)成仏し滅度の後)十方の国土に於いて、法華経を説く処有らば、我が塔廟(注)は、是の経を聴かんが為の故に、其の前に湧現し、(法華経が真実であるとする)証明を為して、讃めて善い哉と言わん]


つまり上記の偈は、釈尊が法華経を説くに時、多宝如来は、法華経が真実の教えであることを証明する役割として娑婆世界に出現したことを示している。


 御義口伝に云く、十方とは十界なり。

法華経とは、我等衆生、流転の十二因縁(注)なり、仍て言語の音声を指すなり。善哉とは、善悪不二、邪正一如なり。

 今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉る処を、多宝涌現と云うなり。


(注)
塔廟(とうびょう)

仏舎利・経典等を納めた塔。日蓮大聖人が御図現なされた十界曼荼羅御本尊を安置した仏壇、厨子(ずし)は末法の塔廟と言えよう。

十二因縁

釈尊は初期の教え(後世漢訳された阿含経)で、人間が「苦」を感じ流転する十二の過程を次の様に説いた。「無明、行、識、名色、六処、触、受、愛、取、有、生、老死」


 しかしながら釈尊は晩年七十二歳にして、法華経の開教である「無量義経」で「四十余年未顕真実」と宣言し、その後八年間説いた法華経で「煩悩即菩提」と説き、煩悩(苦悩)を昇華することで菩提(悟り)が得られる事を明らかにした。


 これは例えば、火はものを焼く、暗闇を明るくする、周囲を暖めるという優れた効用を持っているが、原料はガス、灯油などそれ自体は毒のようなものである。しかしその毒は、点火することにより優れた作用を発揮することになる。

 釈尊はこの「煩悩即菩提」を、泥中にありながら泥に染まらず、泥を養分として白い清浄な大輪の華を咲かせる「蓮華」を象徴として「妙法蓮華経」を解き明かした。


 さらに末法に入り、日蓮大聖人は、自らが図現した十界曼荼羅の本尊に「南無妙法蓮華経」と唱えることで、煩悩即菩提を得ることができる「究極の修行方法」を確立し、末法の衆生のために立宗宣言を為し、鎌倉幕府からの度々の迫害に屈することなく、布教及び弟子信徒の教化を生涯貫き通すとともに、五百点以上もの書(御書)を、自ら滅後の衆生のために書き残された。



【御義口伝 上】要点解説(74)に続く



要点解説 目次


by johsei1129 | 2018-06-07 18:53 | 御義口伝 | Trackback | Comments(0)


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