【化城喩品七箇の大事】
第三 諸母涕泣(しょもたいきゅう)の事
御義口伝に云く、諸母とは諸は十六人の母と云う事なり。
実義には母とは元品の無明なり、此の無明より起る惑障を諸母とも云うなり。流転の時は無明の母とつれて出で、還滅の時は無明の母を殺すなり。
無明の母とは念仏・禅・真言等の人人なり。
而随送之(に・ずいそうし)とは謗人を指すなり。(注)
然りと雖も、終に法華経の広宣流布顕れて、天下一同に法華経の行者と成る可きなり。「随至道場還欲親近」(注)是なり。
注
而随送之とは謗人を指すなり
日蓮大聖人は、「諸母、涕泣して、随いて之を送る」との化城喩品の文、つまり十六人の王子が、大通智勝仏の下で修行する為に出家するのを涕泣して引き留めようとする諸母の存在は、末法鎌倉の世では、法華経の行者を妨げる念仏禅真言等の謗法の人人に当たると断じておられます。「随至道場・還欲親近」「随いて道場に至り、還って親近せんと欲す」
【御義口伝 上】要点解説43に続く