人気ブログランキング | 話題のタグを見る

日蓮大聖人『御書』解説

nichirengs.exblog.jp
ブログトップ
2017年 07月 19日

末法の本仏の立場で法華経二十八品を直弟子、日興上人に口伝した書【御義口伝 上】要点解説(3)

【序品七箇の大事】

第二 阿若・憍陳如の事 (注) 
 疏(しょ)の一に云く、憍陳如は姓なり。此には火器と翻ず。婆羅門種なり。其の先・火に事こう。此れに従て族に命く。
 火に二義有り、照なり焼なり。照は則ち闇生ぜず、焼は則ち物生ぜず。此には不生を以て姓と為す。
 
 御義口伝に云く、火とは法性の智火なり。

 火の二義とは、一の照は随縁真如の智なり。一の焼は不変真如の理なり。照焼の二字は本迹二門なり。
 さて火の能作としては照焼の二徳を具うる南無妙法蓮華経なり。

今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉るは生死の闇を照し・晴して涅槃の智火明了なり。

 生死即涅槃と開覚するを照則闇不生と云うなり。煩悩の薪を焼いて菩提(悟り)の慧火現前するなり。

 煩悩即菩提と開覚するを焼則物不生とは云うなり。
 爰を以て之を案ずるに、陳如は我等法華経の行者の煩悩即菩提・生死即涅槃を顕したり云云。


(注)
阿若・憍陳如(あにゃ・きょうじんにょ)

釈迦が成道して最初に教えを説いた五人の比丘の一人で、その中の代表格。インド・カースト制度の頂点であるバラモン教(現在ヒンドゥー教)の司祭階級出身。
釈迦がバラモンで難行苦行をしていた時、共に修行していた仲間だったが、釈迦がバラモンでは悟りが得られないとして苦行を止め、菩提樹の下で瞑想を始めた。その時、苦行で体力が限界まで落ちていた釈迦を見かねて、村長の娘・スジャータが差し出した乳がゆを食す。これを見た憍陳如たちは、釈迦が修行をやめたと思い込み、釈迦と袂を分かつ。

その後釈迦は六年間・瞑想を続け成道し仏陀になると、五人を訪ね最初に法を説いた。これを初転法輪という。
上記について妙法蓮華経の開教である『無量義経 説法品第二』で次のように説かれている。
[原文]
自我道場菩提樹下端坐六年。得成阿耨多羅三藐三菩提。
以佛眼觀一切諸法不可宣説。所以者何。以諸衆生性欲不同。
性欲不同種種説法。種種説法以方便力。四十餘年未曾顯實
[和訳]
我、菩提樹下の道場に端坐すること六年にして、阿耨多羅三藐三菩提(仏の悟り)を成ずることを得たり。
仏眼を以て一切の諸法を観ずるに、宣説すべからず。所以は如何ん、諸の衆生の性欲不同なることを知ればなり。
性欲不同なれば種種に法を説き、種種に方便力を以て法を説けん。(故に)四十余年には未だ真実を顕さずなり。


尚、阿若憍・陳如は、妙法蓮華経 五百弟子受記品第八で釈尊より、未来世で普明如来となるとする記別を 受ける。

第三 阿闍世王の事  

 文句の一に云く、阿闍世王(注)とは未生怨と名く。又云く、大経(注)に云く阿闍世とは未生怨と名く。又云く大経に云く阿闍を不生と名く、世とは怨と名く。

 
 御義口伝に云く、日本国の一切衆生は阿闍世王なり。既に諸仏の父を殺し法華経の母を害するなり。

 無量義経に云く、諸仏の国王と是の経の夫人と和合して共に是の菩薩の子を生む。謗法の人・今は母の胎内に処しながら法華の怨敵たり。豈未生怨に非ずや、
 其の上日本国当世は三類の強敵なり。世者名怨の四字に心を留めて之を案ず可し。日蓮等の類い此の重罪を脱れたり。謗法の人人法華経を信じ釈尊に帰し奉らば、何ぞ已前の殺父殺母の重罪滅せざらんや。但し父母なりとも法華経不信の者ならば殺害す可きか。其の故は権教の愛を成す母・方便真実を明めざる父をば殺害す可しと見えたり。
 仍て文句の二に云く「観解は貪愛の母・無明の父。此れを害する故に逆と称す。逆即順なり。非道を行じて仏道に通達す」と。
 観解とは末法当今は題目の観解なる可し。子として父母を殺害するは逆なり、然りと雖も法華経不信の父母を殺しては順となるなり。爰を以て逆即是順と釈せり。

 今、日蓮等の類いは阿闍世王なり。其の故は南無妙法蓮華経の剣を取つて貪愛・無明の父母を害して、教主釈尊の如く仏身を感得するなり。貪愛の母とは勧持品三類の中(注)第一の俗衆なり。無明の父とは第二第三の僧なり云云。


(注)
阿闍世王
 釈尊在世当亊の中インド・マガダ国の太子として誕生。釈尊の従弟・提婆達多にそそのかされ父・頻婆娑羅王を監禁・獄死させて王位についた。釈尊一門に酔象を放って釈尊を殺そうとするなどの悪逆を行なった結果、身体に悪瘡ができる。だが、釈尊により病状が回復したことで仏教に帰依し、釈尊滅後には第一回仏典結集に集った釈尊一門の阿羅漢を外護した。


大経

涅槃経の事。

勧持品三類の中
法華経勧持品第十三に説かれている、法華経の行者に迫害を加える三類の強敵。
1.俗衆増上慢(法華経を弘める者に対して、悪口罵詈等し刀杖を加える俗信徒)
2.道門増上慢(邪智で心が曲がり、覚りを得たと錯覚している慢心の僧侶)
3.僣聖増上慢(真実の仏道を行じていると慢心、実際は現世の利益を求め、俗信徒を軽侮。権力と結託し正法を弘める者を迫害する高僧)


【御義口伝 上】要点解説(4)に続く


要点解説 目次



by johsei1129 | 2017-07-19 18:33 | 御義口伝 | Trackback | Comments(0)


<< 五十一、良観の陰謀      末法の本仏の立場で法華経二十八... >>