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日蓮大聖人『御書』解説

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2017年 05月 10日

末法の本仏の立場で法華経二十八品を直弟子、日興上人に口伝した書【御義口伝 上】要点解説(1)

日蓮所言、法華経一部合して二百二十九箇条

 南無妙法蓮華経

 御義口伝に云く、南無とは梵語なり此には帰命と云う。人法之れ有り、人とは釈尊に帰命し奉るなり、法とは法華経に帰命し奉るなり。

 又帰と云うは迹門不変真如の理に帰するなり、命とは本門随縁真如の智に命くなり。

 帰命とは南無妙法蓮華経是なり。釈に云く随縁不変・一念寂照と。又帰とは我等が色法なり、命とは我等が心法なり、色心不二なるを一極と云うなり。


 釈に云く、一極に帰せしむ故に仏乗と云うと。又云く南無妙法蓮華経の南無とは梵語、妙法蓮華経は漢語なり。梵漢共時に南無妙法蓮華経と云うなり。

又云く梵語には薩達磨(サ・ダルマ)・芬陀梨伽(フンダリリカ)・蘇多覧(ソタラン)と云う。


 此(日本)には妙法蓮華経と云うなり。薩は妙なり、達磨は法なり、芬陀梨伽は蓮華なり、蘇多覧は経なり。

 九字は九尊の仏体なり、九界即仏界の表示なり。

 妙とは法性(悟り)なり、法とは無明(迷い)なり。無明法性一体なるを妙法と云うなり。

 蓮華とは因果の二法なり、是又因果一体なり。経とは一切衆生の言語音声を経と云うなり。


 釈に云く、声仏事を為す。之を名けて経と為すと。或は三世(過去世、現世、未来世)常恒なるを経と云うなり。

 法界は妙法なり、法界は蓮華なり、法界は経なり。

 蓮華とは八葉九尊の仏体なり。能く能く之を思うべし。

伝に云く、
序品七箇の大事   方便品八箇の大事   譬喩品九箇の大事
信解品六箇の大事  薬草喩品五箇の大事  授記品四箇の大事
化城喩品七箇の大事  五百品三箇の大事  人記品二箇の大事
法師品十六箇の大事  宝塔品二十箇の大事  提婆品八箇の大事
勧持品十三箇の大事  安楽行品五箇の大事  涌出品一箇の大事
寿量品二十七箇の大事  分別功徳品三箇の大事  随喜品二箇の大事
法師功徳品四箇の大事  不軽品三十箇の大事   神力品八箇の大事
嘱累品三箇の大事  薬王品六箇の大事   妙音品三箇の大事
普門品五箇の大事  陀羅尼品六箇の大事  厳王品三箇の大事
普賢品六箇の大事  無量義経六箇の大事  普賢経五箇の大事
已上二百三十一箇条也 
此の外に別伝之有り具さに之を記し訖(おわん)ぬ。
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要点解説

 御義口伝は、日蓮大聖人が晩年、六人の高弟に末法の本仏の立場で妙法蓮華経を講義し、それを唯受一人の後継者・日興上人が筆録し、日蓮大聖人の裁可を受けて記述された口伝書です。

 この御義口伝講義の基となったのが、常日頃、日蓮大聖人が「妙法蓮華経」の巻物八巻と法華経開教の「無量義経一巻」、結経の「仏説観普賢菩薩行法経一巻」合わせて十巻の行間・紙背に、天台の三部作(法華文句、法華玄義、摩訶止観)、その他釈尊の一切経、龍樹・天親等の論を書き込みされた【法華経】です。

この
法華経に日蓮大聖人は、累計2107章もの書き込みをしており、その内3章は、唯受一人の第二祖・日興上人が書き込みされておられます。
日蓮大聖人の最も古い書き込みは、清澄寺での立宗宣言の前年、建長四年(1252)に行われており、延暦寺等での修行時代から使用されていた経巻であると推察されます。


尚、法華経には日蓮大聖人の解釈は記述されていなく御義口伝で、大聖人の義が「御義」として口伝されたことに為ります。
また御義口伝の最後には本抄の意義について次のように口伝されておられます。
六老僧の所望に依って老期たりと雖も、日蓮が本意の一端護義せしめ畢んぬ。是併ら私に最要文を集めて読誦せしむる所なり。然る間法華諸要の文書き付け畢んぬ。この意は或は文を陰して義を取り・或は義を隠して文を取り・或は文義共に顕し・或は文義共に隠し講談するなり。
 委(くわしく)は註法華経(御義口伝)を拝見すべし。然りと謂も文義甚深の間、愚昧に及ぶべからざるなり。広宣流布の要法、豈此の註法華経に過ぎんや」

この大聖人の口伝を拝すると、「註法華経」が広宣流布の要法とするならば、「末法の本仏大聖人の御義」が説かれておられる「御義口伝」こそ、広宣流布の要法中の要法であると強く推知されます。


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[法華経御真筆:静岡県玉沢妙法華寺完存(国重要文化財)]

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[註法華経御真筆(勧持品の行間への書き込み)
]


【御義口伝 上】要点解説(2)に続く



要点解説 目次



by johsei1129 | 2017-05-10 22:34 | 御義口伝 | Trackback | Comments(0)


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