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日蓮大聖人『御書』解説

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2017年 01月 27日

顕仏未来記 要点解説その三

次に日蓮大聖人は「此の人は守護の力を得て、本門の本尊・妙法蓮華経の五字を以て閻浮堤に広宣流布せしめんか」と説き、自らが末法の法華経の行者である事を示すと共に、本抄の終段で、自身の未来記を解き明かしていきます。

「爾りと雖も仏の滅後に於て四味・三教等の邪執を捨て実大乗の法華経に帰せば、諸天善神並びに地涌千界等の菩薩・法華の行者を守護せん。
此の人は守護の力を得て、本門の本尊・妙法蓮華経の五字を以て閻浮堤に広宣流布せしめんか。例せば威音王仏の像法の時、不軽菩薩・我深敬等の二十四字を以て彼の土に広宣流布し、一国の杖木等の大難を招きしが如し。彼の二十四字(注)と此の五字(妙法蓮華経)と其の語殊なりと雖も、其の意是れ同じ彼の像法の末と是の末法の初と全く同じ。
彼の不軽菩薩は初随喜の人、日蓮は名字の凡夫なり。

大聖人は「何を以て之を知る、
汝を末法の初の法華経の行者なりと為すと」と論難を立て、法華経の偈を引いて、末法の法華経の行者は数々の難が降りかかることを示し、「予よりの外には一人も之無し」と断じます。

「疑つて云く、何を以て之を知る汝を末法の初の法華経の行者なりと為すと云うことを、答えて云く、法華経に云く「況んや滅度の後をや」、又云く「諸の無智の人有つて悪口罵詈等し及び刀杖を加うる者あらん」、又云く「数数擯出せられん」、又云く「一切世間怨多くして信じ難し」、又云く「杖木瓦石をもつて之を打擲す」、又云く「悪魔・魔民・諸天竜・夜叉・鳩槃荼等其の便りを得ん」等云云。
此の明鏡に付いて仏語を信ぜしめんが為に、日本国中の王臣・四衆の面目に引き向えたるに予(日蓮)よりの外には一人も之無し」

さらに大聖人は疑念に対し「日蓮無くんば仏語は虚妄と成らん<中略>汝日蓮を謗らんとして仏記を虚妄にす、豈大悪人に非ずや」と、破折します。

「時を論ずれば末法の初め一定なり、然る間若し日蓮無くんば仏語は虚妄と成らん、難じて云く汝は大慢の法師にして大天に過ぎ四禅比丘にも超えたり如何、答えて云く汝日蓮を蔑如するの重罪又提婆達多に過ぎ無垢論師にも超えたり、我が言は大慢に似たれども仏記を扶け如来の実語を顕さんが為なり、然りと雖も日本国中に日蓮を除いては誰人を取り出して法華経の行者と為さん、汝日蓮を謗らんとして仏記を虚妄にす豈大悪人に非ずや」と。

引き続き大聖人は「月は西より出でて東を照し、日は東より出でて西を照す。仏法も又以て是くの如し正像には西より東に向い末法には東より西に往く」と示し、末法の法華経の行者としての未来記を解き明かすともに、「天竺漢土に於て仏法を失せること勿論なり」と断じます。

「疑つて云く如来の未来記汝に相当れり、但し五天竺並びに漢土等にも法華経の行者之有るか如何、答えて云く四天下の中に全く二の日無し、四海の内豈両主有らんや。
疑つて云く何を以て汝之を知る、答えて云く
月は西より出でて東を照し日は東より出でて西を照す仏法も又以て是くの如し正像には西より東に向い末法には東より西に往く。
妙楽大師の云く「豈中国に法を失いて之を四維に求むるに非ずや」等云云。
天竺に仏法無き証文なり、漢土に於て高宗皇帝の時北狄東京を領して今に一百五十余年、仏法王法共に尽き了んぬ。
土の大蔵の中に小乗経は一向之れ無く、大乗経は多分之を失す。日本より寂照等少少之を渡す然りと雖も伝持の人無れば猶木石の衣鉢を帯持せるが如し。故に遵式の云く「始西より伝う猶月の生ずるが如し今復東より返る猶日の昇るが如し」等云云、此等の釈の如くんば、天竺漢土に於て仏法を失せること勿論なり。
問うて云く月氏漢土に於て仏法無きことは之を知れり、東西北の三洲に仏法無き事は何を以て之を知る、答えて云く法華経の第八に云く「如来の滅後に於て閻浮提の内に広く流布せしめて断絶せざらしめん」等云云、内の字は三洲を嫌う文なり」と。

顕仏未来記 要点解説その四に続く



by johsei1129 | 2017-01-27 23:41 | 重要法門(十大部除く) | Trackback | Comments(0)


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