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日蓮大聖人『御書』解説

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2017年 01月 11日

種々御振舞御書 要点解説その五

引き続き日蓮大聖人は流罪地である佐渡・塚原三枚堂での正月十六日の法論に及んだ経緯について、詳細に記されます。

かくて・すごす程に庭には雪つもりて・人もかよはず堂にはあらき風より外は・をとづるるものなし。眼には止観・法華をさらし口には南無妙法蓮華経と唱へ、夜は月星に向ひ奉りて諸宗の違目と法華経の深義を談ずる程に、年もかへりぬ。

いづくも人の心のはかなさは、佐渡の国の持斎・念仏者の唯阿弥陀仏・生喩房・印性房・慈道房等の数百人より合いて僉議すと承る。聞ふる阿弥陀仏の大怨敵・一切衆生の悪知識の日蓮房、此の国にながされたり・なにとなくとも此の国へ流されたる人の始終いけらるる事なし。設ひいけらるるとも・かへる事なし、又打ちころしたりとも御とがめなし。

塚原と云う所に只一人ありいかにがうなりとも、力つよくとも人なき処なれば集りて、いころせかしと云うものもありけり。又なにとなくとも頚を切らるべかりけるが、守殿の御台所の御懐妊なれば・しばらくきられず終には一定ときく。
又云く六郎左衛門尉殿に申してきらずんば・はからうべしと云う。多くの義の中に・これについて守護所に数百人集りぬ。六郎左衛門尉云く、上より殺しまうすまじき副状下りてあなづるべき流人にはあらず。あやまちあるならば重連が大なる失なるべし。それよりは只法門にてせめよかしと云いければ念仏者等・或は浄土の三部経・或は止観・或は真言等を小法師等が頚にかけさせ、或はわきにはさませて正月十六日にあつまる。

佐渡の国のみならず越後・越中・出羽・奥州・信濃等の国国より集れる法師等なれば。塚原の堂の大庭・山野に数百人・六郎左衛門尉・兄弟一家さならぬもの百姓の入道等かずをしらず集りたり。
念仏者は口口に悪口をなし真言師は面面に色を失ひ天台宗ぞ勝つべきよしを・ののしる。在家の者どもは聞ふる阿弥陀仏のかたきよと・ののしり・さわぎ・ひびく事・震動雷電の如し。

日蓮は暫らく・さはがせて後、各各しづまらせ給へ、法門の御為にこそ御渡りあるらめ悪口等よしなしと申せしかば、六郎左衛門(佐渡の守護代・本間重連)を始めて諸人然るべしとて、悪口せし念仏者をば・そくびをつきいだしぬ。さて止観・真言・念仏の法門一一にかれが申す様を・でつしあげて承伏せさせては・ちやうとはつめつめ、一言二言にはすぎず、鎌倉の真言師・禅宗・念仏者・天台の者よりも・はかなきものどもなれば、只思ひやらせ給へ。
利剣をもて・うりをきり大風の草をなびかすが如し。仏法のおろかなる・のみならず、或は自語相違し、或は経文をわすれて論と云ひ、釈をわすれて論と云ふ。善導が柳より落ち、弘法大師の三鈷を投たる大日如来と現じたる等をば、或は妄語或は物にくるへる処を一一にせめたるに、或は悪口し或は口を閉ぢ、或は色を失ひ、或は念仏ひが事なりけりと云うものもあり。或は当座に袈裟・平念珠をすてて念仏申すまじきよし誓状を立つる者もあり。


続いて大聖人は佐渡の守護代・本間重連(六郎左衛門尉)に鎌倉幕府に内乱が起こることを予言します。これは塚原問答の約一か月後の文永9年(1272年)2月11日に執権北条時宗の命で、北条一門の名越時章・教時兄弟が、また2月15日京にいた異母兄北条 時輔を謀反のかどで討伐した、所謂「二月騒動」で予言が的中することになる。
これにより日蓮が八年前の文応元年7月16日に北条時宗の父北条時頼に献じた『立正安国論』で予言した他国侵逼難と自界叛逆難が的中することになります。
この事は選時抄で示された
未萌(みぼう)をしるを聖人という」そのものです。


 「皆人立ち帰る程に六郎左衛門尉も立ち帰る一家の者も返る、日蓮不思議一云はんと思いて六郎左衛門尉を大庭よりよび返して云くいつか鎌倉へのぼり給うべき、かれ答えて云く下人共に農せさせて七月の比と云云、日蓮云く弓箭とる者は・ををやけの御大事にあひて所領をも給わり候をこそ田畠つくるとは申せ、只今いくさのあらんずるに急ぎうちのぼり高名して所知らぬか、さすがに和殿原はさがみの国には名ある侍ぞかし、田舎にて田つくり・いくさに・はづれたらんは恥なるべしと申せしかば・いかにや思いけめあはててものもいはず、念仏者・持斎・在家の者どもも・なにと云う事ぞやと恠しむ」と。


種々御振舞御書 要点解説その六に続く




by johsei1129 | 2017-01-11 22:44 | 重要法門(十大部除く) | Trackback | Comments(0)
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