2017年 01月 09日
引き続き日蓮大聖人は、竜の口まで裸馬に乗せられて行く途中、馬から降りて八幡大菩薩を叱りつけ、さらに「今日蓮は日本第一の法華経の行者なり、其の上身に一分のあやまちなし」と宣言します。 この八幡大菩薩を叱りつけ且「日本第一の法華経の行者なり、其の上身に一分のあやまちなし」と宣言する事は、この時すでに日蓮大聖人は、末法の本仏の自覚のもとに振る舞われていたと強く推知いたします。まさに「仏演説するに、違いなく咎なし」そのものです。 「さては十二日の夜・武蔵守殿のあづかりにて夜半に及び頚を切らんがために鎌倉をいでしに、わかみやこうぢ(若宮小路)にうちいでて、四方に兵のうちつつみて・ありしかども、日蓮云く「各各さわがせ給うな、べちの事はなし。八幡大菩薩に最後に申すべき事あり」とて馬よりさしをりて高声に申すやう、「いかに八幡大菩薩はまことの神か、和気清丸が頚を刎られんとせし時は長一丈の月と顕われさせ給い、伝教大師の法華経をかうぜさせ給いし時は、むらさきの袈裟を御布施にさづけさせ給いき。今日蓮は日本第一の法華経の行者なり、其の上身に一分のあやまちなし。日本国の一切衆生の法華経を謗じて無間大城におつべきを・たすけんがために申す法門なり。 又大蒙古国よりこの国をせむるならば、天照太神・正八幡とても安穏におはすべきか。其の上・釈迦仏・法華経を説き給いしかば多宝仏・十方の諸仏・菩薩あつまりて日と日と月と月と星と星と鏡と鏡とをならべたるがごとくなりし時、無量の諸天並びに天竺・漢土・日本国等の善神・聖人あつまりたりし時、各各・法華経の行者にをろかなるまじき由の誓状まいらせよと、せめられしかば一一に御誓状を立てられしぞかし。 さるにては日蓮が申すまでもなし、いそぎいそぎこそ誓状の宿願をとげさせ給うべきに、いかに此の処には・をちあわせ給はぬぞと・たかだかと申す。さて最後には日蓮・今夜・頚切られて霊山浄土へ・まいりてあらん時は、まづ天照太神・正八幡こそ起請を用いぬかみにて候いけれとさしきりて、教主釈尊に申し上げ候はんずるぞいたしと・おぼさば、いそぎいそぎ御計らいあるべしとて又馬にのりぬ」と。 次に日蓮大聖人は付き添っていた熊王(※)に、強信徒で鎌倉武士の中務三郎左衛門尉(四条金吾)に、ご自身が竜の口で処刑されることを知らせるよう、指示します。※後の日法上人で、仏師として戒壇の大御本尊を彫る役割を果たすことになる。 これは「聖人横死せず」を確信している日蓮大聖人が、仏の振る舞いを信徒に明らかにするべく手配したものと推察されます。 そして「江のしまのかたより月のごとく・ひかりたる物まりのやうにて辰巳のかたより戌亥のかたへ・ひかりわたる」ことにより、日蓮大聖人は竜の口での処刑を免れ、末法の本仏として諸天をも動かす厳然たる振舞を見せることになります。 「ゆいのはまに・うちいでて御りやうのまへに・いたりて又云くしばし・とのばら・これにつぐべき人ありとて、中務三郎左衛門尉と申す者のもとへ熊王と申す童子を・つかわしたりしかば、いそぎいでぬ。今夜頚切られへ・まかるなり。この数年が間・願いつる事これなり。此の娑婆世界にして・きじとなりし時は・たかにつかまれ、ねずみとなりし時は・ねこにくらわれき、或はめこのかたきに身を失いし事・大地微塵より多し。 法華経の御ためには一度だも失うことなし、されば日蓮貧道の身と生れて父母の孝養・心にたらず国の恩を報ずべき力なし。 今度頚を法華経に奉りて其の功徳を父母に回向せん、其のあまりは弟子檀那等にはぶくべしと申せし事これなりと申せしかば、左衛門尉・兄弟四人・馬の口にとりつきて・こしごへたつの口にゆきぬ、此にてぞ有らんずらんと・をもうところに案にたがはず兵士どもうちまはり・さわぎしかば、左衛門尉申すやう只今なりとなく。 日蓮申すやう不かくのとのばらかな、これほどの悦びをば・わらへかし、いかに・やくそくをば・たがへらるるぞと申せし時、江のしまのかたより月のごとく・ひかりたる物まりのやうにて辰巳のかたより戌亥のかたへ・ひかりわたる、十二日の夜のあけぐれ人の面も・みへざりしが物のひかり月よのやうにて人人の面もみなみゆ、太刀取目くらみ・たふれ臥し兵共おぢ怖れ・けうさめて一町計りはせのき、或は馬より・をりて・かしこまり或は馬の上にて・うずくまれるもあり、日蓮申すやう・いかにとのばら・かかる大禍ある召人にはとをのくぞ近く打ちよれや打ちよれやと・たかだかと・よばわれども・いそぎよる人もなし、さてよあけば・いかにいかに頚切べくはいそぎ切るべし夜明けなばみぐるしかりなんと・すすめしかども・とかくのへんじもなし」と。 種々御振舞御書 要点解説その四に続く
by johsei1129
| 2017-01-09 22:31
| 重要法門(十大部除く)
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