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日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 12月 04日

法華取要抄 要点解説その一

法華取要抄(ほっけしゅようしょう)は、日蓮大聖人が三度目の『国主諌暁』を文永十一年四月八日なされてから鎌倉を出て身延山に入って最初に著わされた書となります。本抄は『妙法蓮華経』こそが末法弘通の本尊である、とあきらかにされておられます。
尚、ご真筆は中山法華経寺に所蔵されております。
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[真筆 中山法華経寺所蔵]




日蓮大聖人は法華経と諸経の違いについて「法華経と諸経とを相対するに一代に超過すること二十種之有り」と示され、論を展開していきます。
 
『今・法華経と諸経とを相対するに一代に超過すること二十種之有り、其の中最要二有り所謂三五の二法なり三とは三千塵点劫なり諸経は或は釈尊の因位を明すこと或は三祇・或は動逾塵劫・或は無量劫なり。

梵王云く此の土には二十九劫より已来知行の主なり第六天・帝釈・四天王等も以て是くの如し、釈尊と梵王等と始めて知行の先後之を諍論す爾りと雖も一指を挙げて之を降伏してより已来梵天頭を傾け魔王掌を合せ三界の衆生をして釈尊に帰伏せしむる是なり。
又諸仏の因位と釈尊の因位と之を糾明するに、諸仏の因位は或は三祇或は五劫等なり。釈尊の因位は既に三千塵点劫より已来娑婆世界の一切衆生の結縁の大士なり。此の世界の六道の一切衆生は他土の他の菩薩に有縁の者一人も之無し。

法華経に云く「爾の時に法を聞く者は各諸仏の所に在り」等云云。天台云く「西方は仏別に縁異り故に子父の義成せず」等云云。妙楽云く「弥陀釈迦二仏既に殊なり況や宿昔の縁別にして化導同じからざるをや結縁は生の如く成熟は養の如し、生養縁異れば父子成ぜず」等云云。

当世日本国の一切衆生弥陀の来迎を待つは譬えば牛の子に馬の乳を含め瓦の鏡に天月を浮ぶるが如し、又果位を以て之を論ずれば諸仏如来或は十劫・百劫・千劫已来の過去の仏なり。
教主釈尊は既に五百塵点劫より已来妙覚果満の仏なり。大日如来・阿弥陀如来・薬師如来等の尽十方の諸仏は、我等が本師教主釈尊の所従等なり、天月の万水に浮ぶ是なり。
華厳経の十方台上の毘盧遮那・大日経・金剛頂経・両界の大日如来は、宝塔品の多宝如来の左右の脇士なり。例せば世の王の両臣の如し。此の多宝仏も寿量品の教主釈尊の所従なり。此の土の我等衆生は五百塵点劫より已来教主釈尊の愛子なり、不孝の失に依つて今に覚知せずと雖も他方の衆生には似る可からず。有縁の仏と結縁の衆生とは、譬えば天月の清水に浮ぶが如く、無縁の仏と衆生とは、譬えば聾者の雷の声を聞き盲者の日月に向うが如し』と。

法華取要抄 要点解説その二に続く






by johsei1129 | 2016-12-04 18:26 | 御書十大部(五大部除く) | Trackback | Comments(0)


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