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日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 11月 24日

撰時抄 要点解説その二

次に日蓮大聖人は法華経を衆生に説く場合、衆生の機根と時と、いずれを選ぶかを主題として問答方式で論を展開していきます。

問うて云く機にあらざるに大法を授けられば、愚人は定めて誹謗をなして悪道に堕るならば、豈説く者の罪にあらずや。
答えて云く、人路をつくる路に迷う者あり作る者の罪となるべしや。良医、薬を病人にあたう。病人嫌いて服せずして死せば良医の失となるか。
尋ねて云く法華経の第二に云く「無智の人の中に此の経を説くこと莫れ」、同第四に云く「分布して妄りに人に授与すべからず」、同第五に云く「此の法華経は諸仏如来の秘密の蔵なり、諸経の中に於て最も其の上に在り、長夜に守護して妄りに宣説せざれ」等云云。

此等の経文は機にあらずば説かざれというか。今反詰して云く不軽品に云く「而も是の言を作さく、我深く汝等を敬う等云云。四衆の中に瞋恚を生じ心不浄なる者有り、悪口罵詈して言く、是の無智の比丘○又云く、衆人或は杖木瓦石を以て之を打擲す」等云云。
勧持品に云く「諸の無智の人の悪口罵詈等し及び刀杖を加うる者有らん」等云云。
此等の経文は悪口・罵詈・乃至打擲すれどもととかれて候は、説く人の失となりけるか。求めて云く此の両説は水火なりいかんが心うべき。
答えて云く天台云く「時に適うのみ」章安云く「取捨宜きを得て一向にすべからず」等云云。釈の心は或る時は謗じぬべきにはしばらくとかず、或る時は謗ずとも強て説くべし。或る時は一機は信ずべくとも万機謗べくばとくべからず。或る時は万機一同に謗ずとも強て説くべし。

初成道の時は法慧・功徳林・金剛幢・金剛蔵・文殊・普賢・弥勒・解脱月等の大菩薩、梵帝・四天等の凡夫・大根性の者かずをしらず、鹿野苑の苑には倶鄰等の五人・迦葉等の二百五十人・舎利弗等の二百五十人・八万の諸天、方等大会の儀式には、世尊の慈父の浄飯大王ねんごろに恋せさせ給いしかば、仏・宮に入らせ給いて観仏三昧経をとかせ給い。悲母の御ためにとう利天に九十日が間篭らせ給いしには摩耶経をとかせ給う。慈父・悲母なんどにはいかなる秘法か惜ませ給うべきなれども、法華経をば説かせ給はず。
せんずるところ機にはよらず時いたらざれば・いかにもとかせ給はぬにや。

時抄 要点解説その三に続く





by johsei1129 | 2016-11-24 19:11 | 草稿 | Trackback | Comments(0)


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