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日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 11月 23日

撰時抄 要点解説その一

時抄」は日蓮大聖人が身延に入山した翌年建治元年、五十四歳の時に述作なされました。御真筆は玉沢妙法華寺に全五巻が所蔵されております。
本抄は釈尊滅後の2500年間に『八万四千宝蔵』と言われる仏法が何時、何の経を、誰がどのように流布するかその『時』の本質を解き明かし、末法こそ『妙法蓮華経』を流布する時であることは必然であると解き明かしております。

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[御真筆 冒頭箇所]

夫れ仏法を学せん法は必ず先づ時をならうべし。過去の大通智勝仏は出世し給いて十小劫が間一経も説き給はず。経に云く一坐十小劫又云く「仏時の未だ至らざるを知り請を受けて黙然として坐す」等云云。
今の教主釈尊は四十余年の程法華経を説き給はず、経に云く「説く時未だ至らざるが故」と云云。
老子は母の胎に処して八十年、弥勒菩薩は兜率の内院に篭らせ給いて五十六億七千万歳をまち給うべし。彼の時鳥は春ををくり、鶏鳥は暁をまつ。畜生すらなをかくのごとし、何に況や仏法を修行せんに時を糾ざるべしや。
寂滅道場の砌には十方の諸仏示現し、一切の大菩薩集会し給い。梵帝・四天は衣をひるがへし竜神・八部は掌を合せ凡夫・大根性の者は耳をそばだて生身得忍の諸菩薩・解脱月等、請をなし給いしかども世尊は二乗作仏・久遠実成をば名字をかくし、即身成仏・一念三千の肝心、其義を宣べ給はず。

此等は偏にこれ機は有りしかども時の来らざればのべさせ給はず。
経に云く「説く時未だ至らざるが故」等云云。霊山会上の砌には閻浮第一の不孝の人たりし阿闍世大王座につらなり、一代謗法の提婆達多には天王如来と名をさづけ、五障の竜女は蛇身をあらためずして仏になる。決定性の成仏はい(煎)れる種の花さき果なり、久遠実成は百歳の臾・二十五の子となれるかと疑ふ。一念三千は九界即仏界・仏界即九界と談ず。されば此の経の一字は如意宝珠なり、一句は諸仏の種子となる。此等は機の熟不熟はさてをきぬ、時の至れるゆへなり。経に云く「今正しく是れ其の時なり決定して大乗を説かん(注)等云云。

【妙法蓮華経 方便品第二 】
 [原文]
 鈍根楽小法 貪著於生死

 於諸無量仏 不行深妙道
 衆苦所悩乱 為是説涅槃

 我設是方便 令得入仏慧
未曾説汝等 当得成仏道

所以未曽説 説時未至故 
今正是其時 決定説大乗
[和訳]
鈍根で小法を楽(ねが)い、生死に於て貪著し

諸の無量の仏に於て、深妙の道を行ぜずして
衆苦に悩乱せられる。是の為に(我)涅槃を説けり。

我は是の方便を設けて、(衆生が)仏慧に入ることを得さ令めん。
未だ曾て汝等には、当に仏道を成ずることを得べし、とは説かず。
未だ曽て説かざる所以(ゆえん)は、説く時の未だ至らざるが故なり。
今正しく是れ其の時なり。決定して大乗(妙法蓮華経)を説かん。



時抄 要点解説その二に続く










by johsei1129 | 2016-11-23 19:19 | 草稿 | Trackback | Comments(0)


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