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日蓮大聖人『御書』解説

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2019年 10月 28日

【和漢王代記その四】

【和漢王代記 本文】その四


 授決集に云く円珍 智証大師「 文は大経に出でたり、人の之を会する無し。光・盲の前に在れども他(かれ)に於ては無用なり。仏・分明(ふんみょう)に五味の喩(たと)へを説き、五時の教に喩えたもう云云。訳ありてより来(このかた)講者路に溢るれども未だ曾て五味を談ずるの義を解せず・己が胸臆(きょうおく)に任せて趣爾(たやすく)囈語(げいご)す。何ぞ象に触るゝ衆盲の者に異らんや。天台・世に出で仏意快く暢ぶ。豈に万教再び世間に演ぶるに非ずや。南北の講匠経論を釈する者・各教時を立つれども百にして一も是なること無し。只教部の前後・頓漸・権実・大小の麤妙(そみょう)・寛狭・進否に迷うに縁(よ)りてなり。大教の網を張りて法界の海を亘し、人天の魚を済(おさめ)て涅槃の岸に置く。斯くの如くするすら其の遺漏を恐る。況んや諸師の輩・羅(あみ)の一目なり、何れの時か其の鳥を得ん。若し万蔵を暗ずと雖も此の理趣を会せざれば、年を終るまで他の宝を計りて自ら半銭の分無く、虚しく諍論を益し・長水に水を添うのみ」。

 授決集に法相宗の慈恩大師を破して云く「五性宗に云く未熟 法華論の前に未熟の文也 と云うは、応に不熟と云うべし○今謂く・汎く法華を講ずるには須く此の義を以て正と為すべし。若し爾らずんば経を破し・論を破し・罪五逆に過ぎたり。基公を除きて外は、人の彼の不熟の義を伝うる無し○若し強ひて之を執せば公私十方の信施消し難し・消し難し。若し消せずんば何ぞ三途を免れん。爾(なんじ)を供養せん者は三悪道に堕せん。謗法の罪報は法華般若の諸大乗経に一切明らかに説けり。智者披(ひら)く可し○爾(なんじ)これを信受す可し・無間を招く莫れ」。

 授決集 円珍真言の諸宗を徴して云う「真言・禅門・華厳・三論・唯識・律業・成・倶の二論等○若し法華・涅槃等の経に望むれば是れ摂引門なり文・又云く大底他は多く三教在り・円の旨至て少なきのみ」。


 弘法大師の二教論に「喩して曰く、今斯の経文に依るに仏五味を以て五蔵に配当す。総持を醍醐と称し四味を四蔵に譬ふ。震旦の人師等諍つて醍醐を盗み各自宗に名く」。

               乳 アナン
六波羅経の五蔵 --------- 一、 爼多覧------------ 経----
                         |   
               ウハリ |
      ----------- 二、毘那耶酪---------- 律 --- | ------ 小乗
               |
              カセンエン |
     -------------- 三、阿毘達磨生---------- 論---

              熟 文殊
     -------------- 四、般若 ハラ蜜蔵----------|
                     金剛蔵 |------------大乗
     --------------- 五、惣持醍醐ダラニ蔵 ------|




【和漢王代記 本文】その五に続く




by johsei1129 | 2019-10-28 22:43 | 重要法門(十大部除く) | Trackback | Comments(0)


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