一 法華経一部は末法の為に説きたもうと之を判ずる事、七丁已下。
付けたり、迹門八品に二意有る事、七ヲ。
付けたり、末法は日蓮を以て正とする事、七ヲ。自讃の事、七ウ。
一 本門に二意有る事、七ウ。
付けたり、略開は脱、広開は末法の為なる事、七ウ。
付けたり、略開の心の事、八ウ。
付けたり、大衆は本門に入って妙覚に入る事、八ウ。
付けたり、日蓮、天に向かって日月を見る、生身の妙覚の仏なる事、八ウ。
付けたり、広開の心は一向に滅後の為なる事、九ヲ。
付けたり、記の文の事、八ヲウ。
付けたり、法華経を謗ずるは第一の重病なる事。題目は第一の良薬の事、十ヲ。
付けたり、末法に流布せずんば諸仏菩薩の誓言は虚しき事、
一 多宝の証明等は末法の為の事、十ウ。
付けたり、仏在世に無智の者之無き事、十一ヲ。
付けたり、経釈の事、十一ヲ。
一 正像二千年に残す所の秘法之有りとの判、十一ウ。
付けたり、三大秘法の事、十一ウ。
付けたり、正像に弘めざる子細の事、十一ウ。
付けたり、末法に入って一切経は教のみ有って無得道の事、十一ウ。
付けたり、逆縁の為には但題目に限る事、十二ヲ。
付けたり、広略を捨てて要を取る事、十二ヲ。
一 末法に入り此の法流布の先相之有る事、十二ウ已下。
付けたり、必ず之有るべしと云う証文。付けたり、先相見る事、十三ヲ。
付けたり、文永十一年に二つの日出現と聞く事、十三ヲ。
付けたり、大小の難起こるに因縁之有る事、十四ヲ。
付けたり、災難は人に随って大小有るべき事、十五ヲ。
付けたり、日月星の難の起こり様に依って国中の諍論を知る事、十五ヲウ。
一 末法の始めには必ず上行菩薩出世して、三つの法門を建立して、四海一同に題目を流布せしむべき事、十五ウ。
已上
私にいわく、総じて大の法門八箇あり。
一は爾前・法華、勝劣の判。
二は教主の有縁・無縁の判。
三は迹門正宗八品に二意有る判。
四は本門に二意有る判。
五は多宝の証明等は末法の為の判。
六は正像未弘の秘法之有る判。
七は広略を捨てて要を取る事の判。
八は末法に上行菩薩出世して此の経法を弘めたもう判。
然れば此の抄の大意は、爾前と法華と勝劣を判じ、末法の初めに上行菩薩出世して、法華経の中にも広略脱の行を捨てて、本門下種の要法を取って流布せしむる事を明かす。故に「法華取要抄」と云うなり。以上畢んぬ。
大石寺興師付嘱二十六嗣法
日 寛 在判
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