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日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 05月 28日

法華取要抄私記 三  大聖人の法門を自己にまかする人は、沙汰(さた)するに足らざるなり。


一 ()(おもんみ)れば

発句(ほっく)なり。「(がっ)()」とは天竺(てんじく)の総名なり。「西天」とは、天竺に来西南北中央の五国あり。仏は中央に出世して説法したもう。今「西天」と云うは、(かん)()・日本に対して総じて月氏の事を西天と遊ばさるるなり。是れ則ち仏教西天より東国に流布(るふ)する故なり。玄の一に釈して云く「大法東漸(とうぜん)」と云云。

されば漢土には仏滅後一千一十五年に当りて、後漢第二の明帝の永平十年(ひのと)()に始めて渡る。日本には人王(にんのう)三十代欽明天皇の(ぎょ)()、像法の(まつ)四百余年に渡れり。「経論五千巻」は()(やく)なり。「七千巻」は新訳なり。

一 「(その)中」の

二に、取捨の意を加うるに三。初めに諸宗其の義を(ふん)()するを標し、ニに「所謂(いわゆる)」の下は其の相を出し、三に「此等」の下は正しく取捨の意を明かすなり。

一 勝劣(しょうれつ)(せん)(じん)

(ごん)抄に云く「勝劣・浅深・難易・()後の四を教・行・理・位の四に配当して見る可し」云云。啓蒙に云く「或は難易は法体(ほったい)なり。前後は時節なり」と。

私に云く、()の三は真分なり。「先後」は経論の先後なるべし。「経」は五十年説法の次第か。「論」は四依の論師の述作の次第なり。()くの如く法門を自己にまかする人は、沙汰(さた)するに足らざるなり。一宗を立つる人、其の義を紛乱(ふんらん)紕誤(ひご)するなり。悲しむべきなり。

一 之を(わきま)うことは者(乃至)之を知る者

此の両点は啓蒙の点なり。一義に云く、此の両点一義を成ずるなり。其の故は二()の「者」の字を用の字と見る故なりと已上、啓蒙。

(いわ)く、ニ箇の「者」の字は、是れ体の字にして則ち人を指すなり。(よっ)て「之を弁ずる者は」と点ずべきなり。下も(また)是くの如し云云。

一 紛紕(ふんぴ)

「紛」とは雑なり、乱なり、(みょう)なり。此れ則ち其の義を雑乱(ぞうらん)して(あやま)りにする意なり。

一 ()(ごん)宗の云く

祖師は、天竺には()(みょう)菩薩・竜樹(りゅうじゅ)菩薩・(てん)(じん)菩薩なり。漢土には()(じゅん)()(ごん)・法蔵・(ちょう)(かん)なり。是れ(ぼん)の三、()の四の祖師と云うなり。日本には人王四十五代(しょう)()(ぎょ)()なり。

一 法相(ほっそう)宗。

天竺には弥勒(みろく)無著(むじゃく)・世親・提婆(だいば)菩薩の四人なり。唐には戒賢論師・玄奘(げんじょう)三蔵・慈恩大師・()(ほう)法師の四人なり。日本には道昭法師なり。

一 三論宗。

中論・百論・十二門論に大論を加えて四論なり。祖師は竜樹菩薩・清弁(しょうべん)著薩・智光論師・()(じょう)法師なり。日本には観勒(かんろく)僧正(そうじょう)百済(くだら)国より伝来したまえり。

一 真言宗。

三経一論あり。祖師は竜樹菩薩・竜智者薩・金剛智三蔵・(ぜん)無畏(むい)三蔵・不空三蔵恵果(けいか)和尚・弘法大師なり。

一 禅宗。

迦葉(かしょう)菩薩・達磨(だるま)慧可(えか)等なり。

一 浄土宗。

三経一論。祖師は曇鸞(どんらん)道綽(どうしゃく)・善導和尚(わじょう)(ほう)(ねん)上人等なり。

一 ()(しゃ)宗。

四阿含(なら)びに倶舎論を以て所依と為す。祖師は世親菩薩、旧には天親と云うなり。

一 (じょう)(じつ)宗。

成実論を以て(しょ)()と為す。呵利(かり)跋摩(ばつま)三蔵(これ)を立つるなり。

一 律宗。

成実の内、道宣(どうせん)律師是れなり。

(あるい)此の四宗の中の立義不同なり。然れども大旨(たいし)は同じきなり。(よっ)て「華厳宗」と遊ばさるるは同義を示すなり。「或は云く或は云く」と遊ばさるるは、異義を(ひょう)給えり。(しか)るに啓蒙に「種種」と出せるは一意に当らざるなり。

一 (しかる)に「彼れ彼れ」の

  宗々の祖師を(いだ)すなり。上には諸宗の立義を出すなり。


                     つづく


本書目次                           日寛上人 文段目次



by johsei1129 | 2016-05-28 17:33 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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