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日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 05月 26日

 法華取要抄私記 一  三大秘法抄に云く「法華経を諸仏出世の一大事と説かせ給いて侯は此の三大秘法を含めたる経にて渡らせ給えばなり、秘す可し秘す可し」



  法華取要抄私記
   日寛之を記す

 


一 此の抄は大いに(わか)つに二あり。初めに題目に二。初めに所抄の題目、二に能抄の人なり。次に本文に三。初めに非を捨てて要を取るの意を明かす。二に「今(すえ)の論師・本の人師の邪義を捨て置いて」の下は()(ぜん)と法華との勝劣を弁ず。三に「問うて云く法華経」の下は、別して末法の初めには法華の要法を流布(るふ)せしむるの由来を明かす云云。  

  啓蒙二十・二に云く「此の抄、大いに分ちて三。初めに教法の権実、教主の()(えん)()(えん)を述す。ニに『間うて云く法華』の下は、此の経の所被(しょひ)は滅後末()を以て正とすることを明かす。三に『問うて()く如来』の下は、正像未弘(みぐ)()法流布の時に当ることを弁ず」云云。  

  私に難じて云く「問うて云く法華」より上には、問答(これ)無し。然れば十七番の問答は此の料簡(りょうけん)なり。故に(もっと)も一段と取るべき事顕然(けんねん)なり。何ぞ(かみ)に対して大段の科目とするや。其の上、初めの「()(おもんみ)れば」より下の「智人なり」に至るまでは、分明(ふんみょう)に法華の要を取るべき意を示したもうと見えたり。何ぞ上を大段の科とせざるや。(なお)()(もう)(さら)に一科を示するのみ。後()之を(あじわ)え。今、其の旨を弁明するなり。  

  問うて云く、汝が取る所の第一の科文は、取捨(しゅしゃ)の意を述ぶと見えたり。何ぞ大段の科と()んや。  

答えて云く、文の面は(ただ)権実を述するの(こころ)を示す様に見えたり。されども其の意は広く下に(かん)するなり。非を捨てて理を教うると見るなり。是れ則ち初めに取捨の意を示し、次に(まさ)しく権実の取捨の後に問答料簡(りょうけん)して、迹門の非を捨て本門下種の要法を取る。是れ則ち此の()中終(ちゅうじゅう)なり。  

  問う、啓蒙第二の料簡は如何(いかん)

  答えて云く、大いに誤れり。されば法華経一部とは、総じて申さば末法に本門の題目を修行すべき(ところ)を説きたまう。故に法華経一部は末法の為なれども、全く広の文を行ぜよと()うには非ざるなり。

 四信五品抄に云く「合せて十六(ぽん)半・此の中に末法に入って法華を修行すべき相貌(そうみょう)分明なり是に(なお)(こと)()かずんば()(げん)経・()(はん)経等を引き(きた)りて之れを糾明(きゅうめい)せんに其の(かく)れ無きか」已上。全く一致と云うには非ざるなり。(ただ)今の抄の意は迹門の正宗(しょうしゅう)・本門の正宗は末法の為と判じ給えり。是れ機に随い時に()る故なり。

されば本尊抄には迹門八品を聞いて下種と為し、(なお)末法に至る機を判じ給えり。(よっ)て在世下種とは、(いま)末法に得脱する者の為ぞと云うことを判じたもう時、末法の為と云えり。されば末法なればとて一向に下種の機(ばか)りには非ず。(しか)れども大判の時は一向に下種の機とするなり。て一返には判じ難し。(しか)るを一判とするは非なり。

さて本門の正宗は一向に末法下種の者の為なり。(よっ)て「一向に滅後の為」と判じたもうは是れなり。さればとて、一(ぽん)二半を修行して下種とせよと云う事には非ず。されば此の一品二半には、別して三大秘法を含めたる経なるに()って「一向に滅後の為」と判じたもう。文底(もんてい)の大事とは是れなり。されば総じて申さば、法華経一部は三大秘法を含蔵(がんぞう)したる経なり。(しゃく)を払って寿量の一品を取る、(ただ)此の一品に限り候。迹門()(みょう)無実の法門とは是れなり。

其の上、寿量一品の中にも文上と文底等(これ)有り云云。三大秘法抄に云く「法華経を諸仏出世の一大事と説かせ給いて侯は此の三大秘法を含めたる経にて(わた)らせ給えばなり、秘す可し秘す可し」已上。


                     つづく
本書目次                          日寛上人 文段目次 



by johsei1129 | 2016-05-26 22:15 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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