人気ブログランキング |

日蓮大聖人『御書』解説

nichirengs.exblog.jp
ブログトップ
2016年 05月 11日

 如説修行抄筆記 十二  「此の経は相伝に有らざれば知り難し」亦云く「此の法華経は知らずして習い談ずる者は但(ただ)爾前の経の利益なり」云々。


一 問うて云く如説修行等

此の下は如説修行の相を問答するに二あり。初めは総じて権実相対の(こころ)を明かすなり。

是れに二。初めに問、次に答に二。初めに()()を挙げ、次に今師の能判なり云云。総じてとは、今文に「日本国中の諸人」と云い、(また)「総じて一切の諸経」と云うの言、諸宗に(わた)るが故に「総じて明かす」と云うなり。

一 諸乗一仏乗と(かい)()しぬれば(乃至)(せん)(じん)ある事なし

開会の上に(なお)浅深あり。爾前の諸経は所開なり。法華経は能開なり。(すで)に能所不同なり。何ぞ浅深無しと云わんや。

十章抄三十・三十二に云く「法華経は能開・念仏は所開なり乃至(たと)(かい)()をさとれる念仏なりとも(なお)体内の権なり体内の実に及ばず、(いか)(いわん)や当世に開会を心得たる智者も少なくこそをはすらめ」云云。

問う、十六巻四十に云く「法華経は爾前の経を離れず、爾前の経は法華経を離れず、是を妙法と言う、此の(さと)り起りて後は行者・()(ごん)・小乗経を読むとも即ち一切の大乗経を読誦(どくじゅ)し法華経を読む人なり」文。此の文の如くんば開会の後、浅深勝劣無しと見えたり、如何(いかん)

答う、啓蒙二十六・八十三に多義あり。所詮(しょせん)彼の意は開会に於て相待・絶待有り。絶待妙は仏意の内証なり。此の重に入れんが為に相待妙の修行を立てて、()(えら)び妙を取る義なり。今(いわ)く、彼の書は絶待妙を判ず。此の書は相待妙の意なり。絶待妙を以て相待妙を(なん)ずべからず。

問う、若し(しか)らば絶待開会の意に依って爾前経を読むべけんや。

答う、宗祖の御本意、開会の上に於て勝劣を立てたもう事、十章抄等に分明(ふんみょう)なり。一は能開・所開の不同なり。

十八巻・四十三に云く「妙法蓮華経は能開なり南無阿弥陀仏は所開なり」と。

十三巻・二十二に云く「(また)法華経に二事あり一には所開・二には能開」(一代聖教大意)文。

二には権実の不同なり。

三十巻に云く「(たと)い開会をさとれる念仏なりとも(なお)体内の権なり体内の実に及ばず」文。

其の(ほか)体用等の不同あり。既に勝劣有り、何ぞ劣りたる爾前経を読むべきや。

(なお)十六巻の「此の(さと)り起こりて後」と云う「覚」の字の意は、開会を覚悟する義なり。(いわ)く、如何(いか)(よう)に覚るぞならば、十章抄に「開会をさとれる念仏なりとも(なお)体内の権なり」と悟る義なり。故に此れ又勝劣あるの義なり。()し開会の後は権実一体にして一向不同無しと云わば「(おのおの)自ら実と(おも)う」の執情を失わずして、即ち未開会の法にして今師の所破なり。

亦云く「行者・阿含(あごん)・小乗経を読むとも即ち一切の大乗経を読誦(どくじゅ)し法華経を読む人なり」と云う此の読誦し様は、十章抄に「止観一部は法華経の開会の上に建立(こんりゅう)せる文なり、爾前の経経をひき乃至外典を用いて候も爾前・外典の心にはあらず、文をば()れども義をばけづ()()てたるなり乃至諸経を引いて四種を立つれども心は必ず法華経なり」文。此の文に()って之を思え。

法華経の義を成立せんが為に爾前の経文を読む、故に法華の文を読むになるなり。爾前の文義は(とも)に読むに非ず。文は爾前、義意は法華経なり。「爾前は迹門の()()(はん)(もん)と云う(また)「文は爾前に()れども義は法華に在り」(御講聞書)等の意、之を思え。

御書十三・十二に云く「此の経は相伝に有らざれば知り難し」(一代聖教大意)文。亦云く「此の法華経は知らずして習い談ずる者は(ただ)爾前の経の利益なり」(同)文。

(かい)()の上に於て体内権実の相伝を知らず、開会の後は権実一体の思いをなす者は、爾前経の利益と成るべきなり。是れ権実相対の意なり。之に例するに、開迹(かいしゃく)顕本(けんぽん)の後本迹(ほんじゃく)一体と修行するは、体内本迹の相伝を知らず、開迹顕本の後、本迹一致の思いをなして本門を読むは、爾前・迹門の利益(りやく)なり云云。


              つづく


 本書目次                    日寛上人 文段目次



by johsei1129 | 2016-05-11 22:50 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : https://nichirengs.exblog.jp/tb/25221092
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


<< Gosho 当体義抄 The ...      日蓮大聖人が禅僧・蓮盛を16の... >>