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日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 04月 29日

妙法尼抄記 終  臨終の処に清浄にして本尊を掛け奉り、香華灯明(とうみょう)を備うべき事

第三に善知識に五()の習う事あり。

 一 臨終には知識を勧むる事が肝心なる事、(たと)えば牧の馬を取るが如しの事

 一 常に善知識を()んことを祈るべし、並びに兼ねて之を頼り置くべき事

 一 ()し死病と定まらば早く病人に告知すべし、用捨無用の事

 一 只今(ただいま)と見る時、耳の側によりてすすむべき事

 一 死後六(とき)七時も(しかばね)を動かすべからざる事

第四に看病人に三()の習う事あり。

 一 世間の雑談並びに病人の執心(しゅうしん)を残すべき事を一切(かた)るべからざる事

 一 紙にて水を少しずつ口に(うるお)すべき事

 一 一切病人の心に(さわ)らざるように取り扱うべき事

   阿祇陀(あぎだ)王、一念の(いかり)にて大蛇と成る事。弘の一中に云く「臨終に(むくい)を受くること、(また)強きに従って()く」文

第五に臨終の()(ほう)に五箇条の事

 一 其の処に清浄にして本尊を掛け奉り、香華(とう)(みょう)を備うべき事

 一 遅からず速からず、()えず鐘を打つべき事、

鐘の声を聞いて苦を忘るる事、けいにた王並びに()(こう)の事

 一 家中にて魚鳥を焼くべからざる事

 一 魚鳥()(しん)を食し並びに酒酔の人は門内に入るべからざる事

 一 病人の近き(ところ)には五三人に過ぐべからざる事

第六に死相に善悪の習いあり

 御書十九・六十三に、黒白(こくびゃく)軽重(けいちょう)、強弱云云

 問う、父母・師匠、臨終に悪相あらば、(かく)すを以て孝とせんや、顕すを以て孝とせんや

 外十三・二十三に「所詮(しょせん)臨終只今にありと解りて信心を致して南無妙法蓮華経と唱うる人を『()(にん)命終(みょうじゅう)()千仏(せんぶつ)授手(じゅしゅ)(中略)と説かれて候』と。

 又二十五に云く「(あい)(かま)えて相構えて(ごう)(じょう)の大信力を致して南無妙法蓮華経、臨終正念(しょうねん)と祈念し給へ、(しょう)()一大事の血脈(けちみゃく)此れより(ほか)に全く求むることなかれ(乃至)信心の血脈なくんば法華経を(たも)つとも()(やく)なり」と。

 徒然(つれづれ)の四十九段に云わく「老い(きた)たって始めて道を行ぜんと待つ事なかれ。古き(つか)、多くは是れ少年の人なり。寒山の詩に(いわ)く、老い来たるを待って始めて道を学ぶこと(なか)れ 昔ありける(ひじり)は、人来たって自他の要用を云ふ時、『火急の事あり、既に朝夕(ちょうせき)にせまれり』とて、耳をふさぎ聞かざるなり。(しん)(かい)と云ふ聖は、うずくまりてのみぞ有りける、『三界六道には心(やす)しり()さし()へて居る所なき故なり』とぞ」と。


文段 目次                  



by johsei1129 | 2016-04-29 11:56 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)


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