日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 04月 26日

妙法尼抄記 二  已(すで)に生・老・病有り、豈(あに)死無かる可けんや


一 か
()こきもはかなきも

  止の七・四十七に云く「無常の殺鬼は、豪賢を(えら)ばず淮南子(えなんじ)に云く、智百人に過ぐ、之を豪と謂う。聚斂(しゅうれん)未だ足らず、(こう)(ぜん)として長く()く溘は去なり。所有の産貨(いたずら)に他の有と為る。山海空市、逃避する処無く、()(ねん)を救うが如し。(あに)(また)世財に貪着(とんじゃく)して、生死の業を造らんや」文。(注:()(ねん)。頭に火がつくこと。火急。)

  「豪賢」とは即ち(がん)(かい)の如きこれなり。三十二歳にして死せるなり。

  論語の先進篇に云く「()(こう)()問う『弟子(たれ)か学を好むと為す』と。孔子(こた)えて曰く『顔回という者有り、学を好む。不幸短命にして死す。今や則ち()し」云云。

   平生(あやま)って百年の計を()す 

(がん)(ぱん)古碑(こひ)空しく(りょく)(たい)  云云。

  亦(まさ)に「親しきも(うと)きも、貴きも賎しきも」と云うべし。

  宗祖云く「親疎(しんそ)同じく走り行けども我が身の無常をかへりみず」(新定一六一五)云云。

  よしや君昔の玉の床とても かからん後は(なに)にかはせん (西行、(さぬ)()院の御陵に(もう)でてよめる歌なり。

  草も木も(なび)きし秋の霜消えて 空しき(こけ)を払う松風 (かもの長明、頼朝(びょう)でてよめる歌なり。

 山海空市。
 弘の七末十八に云く「
法句(ほっく)(きょう)第二に云わく『(ぼん)()有り。兄弟四人(おのおの)神通を得て、後七日あって一時に皆死せんと知る。(ひと)りは大海に入り、一りは(しゅ)()に入り、一りは虚空(こくう)()がり、一りは市の中に入らんと。(おのおの)云く、是くの如き処に()らば、無常の殺鬼、(あに)我が処を知らんやと。王に()て意を()ぶ。七日にして(すで)(おのおの)命終す。市(かん)、王に(もう)す、一の梵志市中に死すと。王云く、一人(すで)に死す、余の三(あに)免れんやと。即ち仏に問う。仏言く、四事有って、(のが)るべからず。(すで)に生・老・病有り、(あに)死無かる可けんや』と」云云。

  ()(ねん)を救うが如しとは、啓蒙三十四・五十五。

  御書三十四・三に云く「無常は須臾(しゅゆ)の間なり、(だん)()いつとか弁へん。我も人も願くは頭燃を払うが如くせよ」(新定一六一六)云云。已上、()(かん)の文、消し(おわ)んぬ。  

一 老いたるも若きも(さだ)め無き習いなり。

  老いたるも 

定めなき世にも若きは(たのみ)あり (ただ)とにかくに老いの身ぞ()   (しゅん)(ぜい)

  若きも

とにかくに老いはあまたの年も()つ 定めなき世に若きこそうき   定家(ていか)

 宗祖云く「(たと)ひ千秋を送るとも、歳月程なく過ぎ易し、況や老少不定なり、いつをいつとか(たの)むべき」(新定一六一六)云云。

  徒然(つれづれ)の四十九段に云く「(すみ)やかにすべき事をゆるくし、ゆるくすべき事をいそぐなり」と。

  寒山(かんざん)(じゅ)に云く「老い来たるを待って始めて道を学ぶこと(なか)れ、古(つか)多くは()れ少年の人なり」云云。


                     つづく
文段 目次 



by johsei1129 | 2016-04-26 21:12 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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