2016年 04月 21日
此の下は次に別付の文の深旨を明かす、亦三。初めに略して示し、次に「問う其の深意」の下は広く明かし、三に「故に末法今時に於て」の下は結歎。 一 結要の五字の当体を付属すと説きたまえる文なる故なり。 「結要の五字の当体」とは、即ち是れ所属の法体なり。「付属説文」の四字は、即ち是れ能付の文なり。下も去って之に准ず。 一 我が昔の所願の如き等文。 云う所の「普」とは、玄文第三の意は、一には寂滅道場、二には大通仏、三には本果、四には本行菩薩道なり。 若し当流の意は、是れ猶近し、久遠元初の御誓願なり。在世の脱益は一往の御願満足なり。後の五百歳の付嘱を説いて、真実の御願満足なり。 一 当体蓮華の誠証は此の文なり文。 所属の法体たる当体蓮華は財宝の如し、能付の是の文は譲状の如し。故に爾云うなり。 外十六に云く「寿量品に本因本果の蓮華の二字を説いて本化に付属す」等云云。 一 故に末法今時に於て等文。 此の下は三に結歎。凡そ所属の法体は、三大秘法総在の本地難思の境智冥合、本有無作の当体蓮華なり。故に三箇の「真実」、二箇の「題目」、恐らくは意あらんか。 一 問う当流の法門の意は等文。 此の下は次に正しく文底の本地所証を明かす、亦二と為す。初めに正しく本有無作の当体蓮華の証文を明かし、次に「問う何を以て(乃至)知ることを得るや」の下は異文を会す。 一 二十八品の始に妙法蓮華経と題す此の文を出す可きなり文。 此の文は、正しく当体蓮華の証文を明かすなり。 問う、何ぞ迹中所説の題目を引いて、本地所証の当体蓮華を証するや。 答う、天台云く「此の妙法蓮華経とは本地甚深の奧蔵なり」等。妙楽云く「迹中に説くと雖も、功を推するに在ること有り。故に本地と云う」云云。若し爾らば、本果所証を以て本地所証の当体の蓮華と名づくるや。 答う、本果に証すと雖も、「功を推するに在ること有り」の故に、久遠名字の所証を以て、本地所証の当体の蓮華と名づくるなり。 宗祖云く「妙法蓮華経の五字は経文に非ず、其の義に非ず、唯一部の意なるのみ」等云云。 当に知るべし、今日迹中の題目は文の妙法蓮華なり。本果の所証は義の妙法蓮華なり。久遠名字の妙法は意の妙法蓮華なり。今、文の妙法蓮華を引いて意の妙法蓮華を証するなり。亦復当に知るべし、今日迹中の題名は久遠名字の妙法の朽木書なり。是の故に、引いて証文とするなり。 問う、既に「一部の意」と云う。豈本迹あらんや。 答う、今日迹中の妙法は是れ迹、本果所証の妙法は是れ本なり。本果所証は仍迹なり。久遠名字の所証は本なり。豈本迹勝劣分明に非ずや。 問う、本迹決疑上十六に云く「本迹二門の妙法蓮華経は但一偏なり。処々の御釈に『二十八品の肝心の妙法蓮華経』と判じ給うは是れなり。故に妙法蓮華経と云うは、即ち本迹一致の法体なり」云云。此の義は如何。 答う、此れは是れ名同義異を知らざる故なり。且く当抄所引の大強精進経の「衆生と如来と同共一法身にして清浄妙無比なるを妙法蓮華経と称す」等云云。日澄、若し此の文を見れば、応に権迹一致と云うべきのみ。彼等、尚迹中に迷えり。況や種脱の本迹に於てをや云云。 一 問う、何を以て品品の題目は当体蓮華なりと云う事を知ることを得るや文。 是の下は違文を会す、亦三。初めに合説の意を以て譬喩の辺を会し、次に「但当体・譬喩」の下は法譬体一を明かす云云。 一 但当体・譬喩等文。 此の下は合説の義を明かす、亦三。初めに標、次に「所謂法華論」の下は釈、三に「此等の論文」の下は結。 一 妙法蓮華とは二種の義有り文。 一義に云く、華開の義は、直ちに当体の義に約す。出水の義は、譬喩を兼ぬる故に合説の義と為すと云云。一義に云く、出水・華開の標文は譬喩を兼ぬ。自余の釈相は、当体に約する故に合説の意なりと云云。 一 如来の浄妙法身を開示して文。 意に云く諸の衆生、法華経に於て信を生ずること能わざるが故に、如来の清浄妙法身を開示したまう時諸の衆生、能く信心を生じて妙因を開発す。妙因開発は即ち当体蓮華の義なり云云。 一 此等の論文等文。 是の下は三に文を結するなり。法譬体一の下を見るべし。
by johsei1129
| 2016-04-21 22:11
| 日寛上人 御書文段
|
Trackback
|
Comments(0)
|
アバウト
カレンダー
カテゴリ
全体 御書 INDEX・略歴 WRITING OF NICHIREN 観心本尊抄(御書五大部) 開目抄(御書五大部) 撰時抄(御書五大部) 報恩抄(御書五大部) 立正安国論(御書五大部) 御書十大部(五大部除く) 日蓮正宗総本山大石寺 重要法門(十大部除く) 血脈・相伝・講義 短文御書修正版 御義口伝 日興上人 日寛上人 六巻抄 日寛上人 御書文段 小説 日蓮の生涯 上 小説 日蓮の生涯 中 小説 日蓮の生涯 下 LIFE OF NICHIREN 日蓮正宗関連リンク 南条時光(上野殿) 阿仏房・千日尼 曾谷入道 妙法比丘尼 大田乗明・尼御前 四条金吾・日眼女 富木常忍・尼御前 池上兄弟 弟子・信徒その他への消息 釈尊・鳩摩羅什・日蓮大聖人 日蓮正宗 宗門史 創価破析 草稿 富士宗学要集 法華経28品 並開結 重要御書修正版 検索
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 01月 お気に入りブログ
最新のコメント
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
タグ
最新の記事
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||