2016年 04月 13日
是の下は次に正釈の文なり。 是れ亦二と為す。初めに因果・依正に約し、次に「能居」の下は釈成。 初めの文、亦二。初めに因果倶時、次に「其の人」の下は依正不二。 初めの文、亦二。初めに妙因、次に「煩悩」の下は妙果。 次の文に亦二。初めに正報、次に「常」の下は依報。 「能居」の下の釈成、亦二。初めに依正不二、「倶体」の下は因果倶時なり。 問う、「正直に方便を捨て」の意は如何。 答う、「正直」とは、譬えば竹を竹と識り、梅を梅と識り、松を松と識るが如く、権を権と識り、実を実と識り、迹を迹と識り、本を本と識り、脱を脱と識り、種を種と識る、是れを「正直」と云うなり。既に権を権と識り、実を実と識る則は、永く権を用いざる故に権を廃捨す。故に「捨方便」と云うなり。本迹・種脱、之に例して知るべし。若し権実雑乱、本迹迷乱、種脱混乱は即ち是れ邪曲の義なり。慎しまずんばあるべからず、責めずんばあるべからず云云。 一 但法華經を信じ等文。 言う所の「但」とは、即ち是れ「但無上道を説く」の但の字なり。亦是れ「但楽って大乗経典を受持」するなり。亦是れ「但法性を信じて其の諸を信ぜざる」なり。 当に知るべし、此の文は但権実相対に似たりと雖も、釈成の文より立ち還って之を見る則は、亦本迹相対、種脱相対の意を含む。故に具には応に「但法華經の本門寿量の教主の金言を信じて南無妙法蓮華経と唱うる人」等と云うべし。是れ則ち釈成の文の中に「本門寿量の当体蓮華の仏」と云うが故なり。若し本門寿量の教主の金言を信ずるに非らざるよりは焉ぞ「本門寿量の当体蓮華の仏」と名づけんや。 況や復、末法の衆生の証得を明かす文の中にも「当体蓮華を証得して常寂光の当体の妙理を顕す事は本門寿量の教主の金言を信じて南無妙法蓮華経と唱うるが故なり」と云うをや。何ぞ「本迹一致の妙法」等と云うべけんや。 一 煩悩・業・苦の三道等文。 「正直」の下は妙因を明かし、是の「煩脳」の下は妙果を明かすなり。但法華経を信じて南無妙法蓮華経と唱うる妙因の当所は、則ち三道即三徳の妙果なり。豈因果倶時の当体の蓮華に非ずや。 問う、凡そ「煩悩」とは見思・塵沙・無明の三惑なり。「業」とは即ち五逆・十悪・四重等なり。「苦」とは苦果の依身、五陰・十二入等なり。是くの如き三道の当所、何ぞ三徳の妙果ならんや。 答う、是れ凡の測る所に非ず、智の及ぶ所に非ず。唯是れ文底秘沈の妙法の力用なり。薬草喩品に云く「種・相・体・性」等云云。 「種」の一字に即ち二義あり。一には就類種、二には相対種。 就類種とは「凡そ心有る者は是れ正因種、一句を随問するは是れ了因種、指を弾じ華を散らすは是れ縁因種」なり。此の義は少文、爾前の円にも通ずるなり。 相対種とは、即ち是れ今明かす所の三道即三徳の法門なり。此の義は但今経に限るなり。 竜樹菩薩、今経の妙の一字を釈して云く「譬えば大薬師の能く毒を以て薬と為すが如し」等云云。「毒」は即ち三道、「薬」は即ち三徳なり。「能く毒を以て薬と為す」とは、豈三道即三徳の法門に非ずや。天台大師云く「言う所の妙とは、妙は不可思議に名づく」云云。但仰いで之を信ずべし、伏して之を唱うべし。 一 法身・般若・解脱の三徳と転じて等文 「三徳」とは即ち是れ三身なり。「法身」とは即ち是れ法身如来、「般若」とは即ち是れ報身如来、「解脱」とは即ち是れ応身如来なり。亦是れ釈成の文より之を見る則は、即ち是れ文底秘沈の無作三身なり。 問う、「転」の字の意は如何。 答う、言う所の「転」とは、其の体を改めず、只其の相を変ず、是れを転と云うなり。大論に所謂「毒を以て薬と為す」とは是れなり。 又当巻三十八本尊供養御書に云く「金粟王と申せし国王は沙を金となし・釈摩男と申せし人は石を珠と成し給ふ(乃至)須弥山に近づく鳥は金色となるなり、阿伽陀薬は毒を薬となす、法華経の不思議も又是くの如し、凡夫を仏に成し給ふ」等云云。此の意なり。
by johsei1129
| 2016-04-13 19:59
| 日寛上人 御書文段
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