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日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 03月 30日

法華取要抄文段 三七  本門の題目とは信行具足するなり。何ぞ止(ただ)唱題のみならんや


 第六  本門の題目を明かす

 

 ()れ本門の題目とは即ち是れ妙行なり。聖人垂教の本意、衆生入理の要蹊(ようけい)(ただ)此の事に在り。(あに)池に臨んで魚を()(あえ)て網を結ばず、(かて)(つつ)みて足を(つか)ね、安座して行かざるべけんや。故に(よろ)しく妙行を励むべき者なり。

当に知るべし、行に始終有り。(いわ)く、信心は是れ唱題の始めなり。唱題は是れ信心の終りなり。是れ則ち刹那(せつな)の始終、一念の因果なり。妙楽大師云く「理に依って信を起す。信を行の本と為す」等云云。亦云く「一念信解とは即ちれ本門立行のはじめ」等云云。を以て之を言わば、信心は目の如く、唱題は足の如し。目足具足して能く寂光におもむくなり。天台云く「智目ちもくぎょうそくをもって清涼しょうりょういたる」等云云。

当体義抄に云く「当体蓮華を証得して(じょう)寂光(じゃっこう)の当体の(みょう)()を顕す事は本門寿量の教主の金言を信じて南無妙法蓮華経と唱うるが故なり」云云。
 此の一文に三大秘法は了々明々たり、学者見るべし。当に知るべし、心に本尊を信ずれば、本尊即ち我が心に()み、仏界即九界の本因妙なり。口に妙法を唱うれば、我が身即ち本尊に染み、九界即仏界の本果妙なり。境智既に冥合す、(しき)(しん)何ぞ別ならんや。十界()()
・百界千如(せんにょ)・一念三千・事行の南無妙法蓮華経是れなり。

当流深秘の血脈抄に云く「(しゅう)とは所作(しょさ)究竟(くきょう)なり、受持本因の所作に()って()(しょう)に本果の究竟を得」等云云。
 甚深甚深、口外すべからず。故に本門の題目とは信行具足するなり。何ぞ(ただ)唱題のみならんや。若し他流の(やから)は口に妙法を唱うと雖も(ただ)是れ宝山の空手なり是れ即ち本門の本尊を信ぜざるが故なり。
 法蓮抄に云く「信()くして此の経を行ぜんは手()くして宝山に入り、足なくして千里の道を(くわだ)つるが如し」等云云。

(いか)に況んや本迹一致の(だい)僻見(びゃっけん)、蓮師違背の大罪をや。何ぞ無間(むけん)(まぬか)れん。悲しむべし、悲しむべし。


つづく
 
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by johsei1129 | 2016-03-30 17:56 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)


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