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日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 03月 28日

法華取要抄文段 三五  富士山に本門の戒壇を建立する五つの所以

  
  第五 本門の戒壇を明かす

(およ)そ本門の戒壇とは、一閻浮提の人の懺悔(さんげ)滅罪の(ところ)なり。云う所の「戒」とは防止を義と為す。(いわ)く、無始の罪障を防ぎ、三(ごう)の悪を(とど)むる故なり。宗祖云く「此の(みぎり)(のぞ)まん(やから)は無始の罪障(たちまち)に消滅し三業の悪転じて三徳を成ぜん」云云。(あに)非を防ぎ悪を止むるに非ずや。

(まさ)に知るべし、本門の戒壇に()有り、理有り。理は謂く、義理なり。是れ則ち事中の事理にして迹門の理戒に同じからず。其の名に迷うこと(なか)れ。故に義の戒壇と名づけんのみ。

初めに義理の戒壇とは、本門の本尊の所住の処は即ち是れ義理、事の戒壇に(あた)るなり。経に云く「当に知るべし、此の処は即ち是れ道場」とは是れなり。天台云く「仏()の中に住す、即ち是れ塔の義」等云云。故に当山は本門戒壇の霊地なり。(まさ)に知るべし。広宣流布の時至れば、一閻浮提の山寺等、(みな)嫡々(ちゃくちゃく)書写の本尊を安置す。其の処は皆是れ義理の戒壇なり。然りと雖も(なお)是れ枝流にして、是れ根源に非ず。

正に本門戒壇の本尊所住の処、即ち是れ根源なり。妙楽云く「像末の四依、仏法を()(せん)す。()を受け、教を()(すべから)く根源を(たず)ぬべし。若し根源に迷う(とき)は増上して真証(みだ)さん」等云云。(いま)日本国中の諸宗諸門の徒、何ぞ根源を討ねざるや。浅間(あさま)し、浅間し云云。
 宗祖云く「根深ければ枝繁く(みなもと)遠ければ流れ長し」(取意)等云云。(およ)此の本尊は久遠元初の自受用の当体なり。(あに)根深く、源遠きに非ずや。故に天台云く「(ほん)(ごく)(ほっ)(しん)微妙(みみょう)深遠(じんのん)」等云云。

次に(まさ)しく事の戒壇とは、秘法抄十五・三十一に云く「王法仏法に(みょう)じ仏法王法に合して王臣一同に本門の三秘密の法を持ちて有徳(うとく)(おう)(かく)(とく)比丘(びく)の其の乃往(むかし)を末法(じょく)(あく)の未来に移さん時勅宣(ちょくせん)並に御教書(みぎょうしょ)を申し下して霊山(りょうぜん)浄土に似たらん最勝の地を(たず)ねて戒壇を建立す可き者か、時を待つ可きのみ、()の戒法と申すは是なり」等云云。  

問う、最勝の地とは何処(いずこ)を指すべきや。

 答う、(まさ)是れ富士山なるべし。故に富士山に於て之を建立すべきなり。

問う、其の(いわれ)は如何。

  答う(しばら)く五義を示さん。

一には結要付嘱の(げん)(かん)()る故に。神力品に云く「()しは経巻所住の処、若しは園中(おんちゅう)に於いても、若しは林中に於いても乃至(ないし)()の中に、皆(まさ)に塔を()て供養すべし」云云。文に「若しは経巻」と云うは、是れ(こう)(りゃく)二門の法華経の経巻には非ず。即ち是れ要の法華経の経巻なり。是れ則ち「(よう)を以て之を言わば」と云うが故なり。要の法華経の経巻とは、即ち是れ一幅(いっぷく)の本尊なり。此に相伝有り云云。「皆応に塔を起て」とは、即ち是れ戒壇なり。故に経文の意は、本尊所住の(ところ)に応に戒壇を起つべし云云。(しか)るに本門戒壇の本尊は正応元年冬の(ころ)、彼の身延を去って此の富山(ふさん)に移る。(けだ)是れ意あればなり。凡智の()(はか)る所に非ず。既に是れ富山(ふざん)は本尊所住の処なり。(あに)此の処に戒壇を起てざらんや。如来の玄鑒(いずくん)唐捐(とうえん)なるべけんや。

  二には日本第一の名山なるが故に。(みやこ)(のよし)()の富山の記に云く「富士山とは駿河の国に在り。峯は(けず)り成すが如く(ただ)ちに(そび)えて天に()けり。其の高さ測る可からず。()(せき)の記する所を歴覧(れきらん)するに、(いま)だ此の山より高きもの有らざる者なり。(けだ)し神仙の游萃(ゆうすい)する所なり」云云。
 興師の門徒存知に云く「凡そ勝地(しょうち)(えら)んで伽藍(がらん)建立(こんりゅう)するは仏法の通例なり、然
るに駿河国・富士山は是れ日本第一の名山なり。最も此の(みぎり)に於て本門寺を建立すべき」云云。戒壇を建立(こんりゅう)して本門寺と号するが故なり。


                    つづく

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by johsei1129 | 2016-03-28 21:47 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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