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2016年 03月 10日
「実法」とは即ち是れ諸法実相、一念三千なり。此の法を信受して三重の無明一時に倶に尽し、初住の位に至り、劫国名号の記別を蒙るを二乗作仏と云うなり。然りと雖も未だ本門に至らざれば、真の一念三千も顕れず、二乗作仏も定まらざるなり。故に水中の月に譬え、根無し草の波の上に浮ぶに喩うるなり。 一 法華経本門の略開近顕遠に来至し乃至位妙覚に隣り又妙覚の位に入るなり文。 問う、本尊抄二十に云く「久種を以て下種と為し大通前四味迹門を熟と為して本門に至って等妙に登らしむ」云云。同異は如何。 答う、今は文少しく略なりと雖も、其の意は往いて全く同じ。 問う、今、舎利弗・目連等は是れ大通下種なり。何ぞ久遠下種に同ぜん。故に啓蒙に云く「本尊抄は久遠下種の一類に約し、今文は汎爾に今日の得道を挙ぐるなり」云云。 答う、舎利弗等の大通下種とは、是れ則ち第二の教相、迹門当分の意なり。若し第三の本門に望むれば、是れ実義に非ず、但是れ熟益の分斉なり。実義は即ち是れ久遠下種の輩なり。故に本門に至って等妙の脱を得るなり。 十法界抄三十四・二十八に云く「天台宗に於て三種の教相有り、第二の化導の始終の時、過去の世に於て法華結縁の輩有り、爾前の中に於て且らく法華の為に三乗当分の得道を許す所謂種熟脱の中の熟益の位なり、是は尚迹門の説なり、本門観心の時は是れ実義に非ず一往許すのみ、其の実義を論ずれば如来久遠の本に迷い、一念三千を知らざれば永く六道の流転を出ず可からず」文。 「如来久遠の本に迷う」とは、即ち是れ久遠下種の父に迷うなり。「一念三千を知らざれば」とは、即ち是れ久遠の種子を知らざるなり。当に知るべし、脱は必ず種に還って而して脱するなり。若し下種を知らずんば、豈能く脱を得ることを得んや。故に「永く六道の流転を出ず可からず」と云うなり。 当に知るべし、宗門の意は、若し第二の教相・迹門の意に拠れば、在世の衆生は皆是れ大通結縁なり。若し第三の教相・本門の意に拠れば、皆是れ久遠下種の輩なり。其の相は即ち本尊抄等の如し。啓蒙、此の格を知らず、但久遠下種の一類と云えることは、唯四節の文を見て四節の意を知らざるが故なり。具には別章の如し。 問う、身子・目連等、久遠下種の証文は如何。 答う、玄の六・五十四に云云。籤の六・六十三に云く「本の所受を忘る、故に失心と曰う」云云。又遠益の下に云く云云。三重秘伝抄に略して之を示すが如し。 問う、脱は必ず種に還るの証文は如何。 答う、五百品の譬説の大綱に云云。且く一句を引く。経に云く「示すに繋けし所の珠を以ってす」等云云。王子の覆講は珠を繋くるが如し、是れを下種と名づく。今日の得記は珠を示すが如し、是れを名づけて脱と為す。故に籖の一本二十二に云く「聞法繋珠、是を円因と為し、得記示珠、名づけて円果と為す」云云。故に知んぬ、得脱とは彼の下種を覚知するを名づけて得脱とするなり。 故に本尊抄に或は「大通の種子を覚知せしむ」と云い、或は「法華に来至して下種を顕す」と云うは是れなり。豈脱は必ず種に還るに非ずや。譬えば田家の如し。春に種子を下し、夏に之を調熟し、秋は其の実を取る。其の秋の実は必ず春の種に還る。是れを秋実と名づくるなり。脱は必ず種に還ること、見て自ら知るべし。 亦復当に知るべし、春の種は是れ一粒なりと雖も、秋に至れば必ず万倍を得て普く妻子及び眷属を養うなり。下種は是れ妙法の一句なりと雖も、得脱の秋至れば必ず一粒万倍の法門を成ず。妙法五字の一句より八万・十二の法門を出し普く一切衆生を益せんこと、豈疑い有るべけんや。然りと雖も、若し信心退転の輩は、応に三五の塵点を経るべきこと、身子等の如くならん。若し信心強盛の行者は一生の中に即身成仏すべきなり。二十八巻の十如是抄の如し云云。
by johsei1129
| 2016-03-10 21:10
| 日寛上人 御書文段
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