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日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 03月 05日

法華取要抄文段 十 嬉しさを昔は袖に包みけり 今宵(こよい)は身にも余りぬるかな


 又(日講の)本迹(ほんじゃく)決疑抄下十四の意に云く「既に当抄の意は、初めに迹門を以て日蓮を正と為すと判じ、寿量の一品二半も亦日蓮が(ため)と釈す。是れ本迹相対して末法の要法と為す。即ち滅後に約して本迹一致なり」等云云。

難じて云く、三大秘法抄に云く「末法に入て爾前迹門は全く出離生死(しょうじ)の法に非ず。(ただ)(もっぱ)ら本門寿量の一品に限りて出離生死の要法なり」云云。此の文に分明なり。何ぞ迹門を以て末法の出離の要法と為さんや。(いわん)薬王品得意抄に云く「分別功徳品より十二品は(しょう)には寿量品を末代の凡夫の行ず可き様を・(ぼう)には方便品等の八品を修行す可き様を説くなり」云云。(すで)に末代に約して明らかに傍正と云う。何ぞ滅後に約して本迹一致と云わんや。彼、深く自立(じりゅう)に執し、()げて()(じょう)()す。悲しいかな、悲しいかな。

什門(じゅうもん)の日悦の義に云く「末法出離の要法、本門寿量の題目を弘通したもうに()悪口(あっく)罵詈(めり)(きゅう)()(とう)(じょう)の難を(こうむ)りたもう事、誠に法師品の況滅(きょうめつ)度後(どご)、勧持品の二十行の()に少しも(たが)わざる事を自讃し給う時、末法の中には日蓮を以て正と為すと判じ給えり。(まった)く迹門を以て末法出離の要法と為したもう故に、日蓮を以て正と為すと判じ給うには(あら)ざるなり」云云。  

難じて云く、(およ)そ当文の大意は、流通は(もと)より滅後の為なり。(しか)るに流通(るつう)の経文、全く日蓮の身に符合す。所以(ゆえ)に今、此の流通段より立ち(かえ)って正宗八品を見るに、是れ(まさ)に日蓮の為なり云云。文意は()くの如し。何ぞ(ただ)流通の経文に差わざることを自讃し給うと云わんや。若し(しか)らずんば「八品に二意有り」及び「逆次に之を読めば」の文は、如何(いかん)之を(しょう)せんや。故に知んぬ、他流の如きは其の流れを(こと)にすと雖も、只是れ五十歩百歩の(ことなり)のみ。

 今(いわ)く、凡そ宗門の綱要、当抄の大意は、(まさ)に本門三箇(さんか)の秘法を以て末法流布の正体、出離生死の要法と為す。然るに方便品等、寿量品等は、()此の文底三箇の秘法を助顕するの功あり。故に並びに「末法今時の日蓮等が為なり」と云うなり。(とも)に文底三箇の秘法を助顕すと雖も、(しか)も傍正有り。(いわ)く、方便品等は遠く之を助顕し、寿量品等は近く之を助顕す。既に遠近(おんごん)親疎(しんそ)の別あり。故に薬王品得意抄に「(しょう)には寿量品」「(ぼう)には方便品」等と云うなり。

当に知るべし、傍正の言に就いて両処水火なり。在滅相対、本迹相対を(ぞう)(らん)すべからず、混合すべからず。故に知んぬ、迹門は若し在世に望むれば是れ正意(しょうい)なりと雖も、若し本門に望むれば(なお)是れ傍意なり。是れ傍意なりと雖も、而も文底を助顕するの功あり。故に在世及び正像に望みて「末法の中には日蓮を以て(しょう)と為す」と判ずるなり。

  問う、文底を助顕するの相は如何(いかん)。 

  答う、此れは是れ宗門の秘事なり。容易(たやす)く君に向って説かず。()し信心無二の志あらば、別に義章あり。重ねて之を示すべし云云。  

一 況滅(きょうめつ)度後(どご)の文是なり

  今、流通の文を引いて正宗(しょうしゅう)の末法を正と()る義を証す。凡そ流通とは、正宗の(ほっ)(すい)を末代に流通す、故に流通と云う。所引の文の意に云く、在世(なお)(しか)なり、況や正像をや。正像尚爾なり、(いか)に況や末法をや云云。故に此の文は滅後を以て正と為し、滅後の中にも末法を正と為すなり。故に伝教大師云く「()を語れば像の終わり末の初め。経に云く、況滅度後」云云。此の文、(あに)末法を正と為すの義に非ずや。

一 (もろもろ)の無智の人有つて等文。

  既に流通の中の文、全く日蓮が身に()う。故に知んぬ、正宗も日蓮を以て正と為すなり。故に此の文を引いて正宗の日蓮を正と()るの義を証す。  

一 喜び身に(あま)るが故に等

  喜びに(また)喜びを重ぬるが故に「喜び身に余る」と云う(いわ)く、流通の経文の御身(おんみ)に符合する上に、(また)正宗八品も日蓮を以て正と為す。(あに)喜びに喜びを重ぬるに非ずや。

古歌に云く「(うれ)しさを昔は(そで)に包みけり 今宵(こよい)は身にも余りぬるかな」。


                      つづく
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by johsei1129 | 2016-03-05 10:08 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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