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日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 03月 01日

法華取要抄文段 五  曲会・邪会の諸宗を明かす

  
  十四日

 

一 所謂(いわゆる)

 此の下は釈、亦二。初めに諸宗の(びゅう)()、次に「(しか)りと雖も」の下は今家の正判なり。  

一 華厳(けごん)宗の云く、一切経の中に此の経第一

  所依(しょえ)の経に随って宗号を立つ、故に「華厳宗」と云うなり。法蔵法師、六十巻の華厳に()いて(しょ)を作る。(たん)(げん)記二十五巻(なら)びに五教章三巻、五教を立てて一代経を判じ、十玄六相の観を明かすなり。

「一切経の中に此の経第一」とは、華厳経第七・二十八、疏抄(しょしょう)の十五・三十五。経に云く「一切世間の諸の群生(ぐんじょう)、声聞乗を求めんと欲すること有るは(すくな)し。縁覚乗を求むる者は(うた)(また)少なし。大乗を求むる者は甚だ希有(けう)なり。大乗を求むる者(なお)(やす)しと為す。()く此の経を信ずるは(はなは)だ難しと為す。(いわん)や能く受持し、如説修行し、真実に()せんをや」已上。此の文に()るか。  

一 法相(ほっそう)宗の云く

  ()(じん)(みつ)伽論(ゆがろん)唯識論(ゆいしきろん)を所依と為して宗を立つ。()の解深密経の法相宗に三性(さんしょう)の法相を()ぶ。瑜伽論に解深密経の文を載せて、無辺の法相を明かす。世親(せしん)菩薩、瑜伽論に依って唯識論を作る、是の故に「法相宗」と名づくるなり。彼の(しょ)(りゅう)大旨(たいし)は、()・空・中の三時教を立て、唯識三性の観を明かすなり。五性(ごしょう)(かく)(べつ)の旨を存し、決定(けつじょう)(しょう)の二乗は作仏(さぶつ)を得ざることを談ずるなり。

「一切経の中に深密経第一」とは、解深密経第二巻十六に彼の経を(たん)じて云く「正法論を転ずること第一の(じん)()にして最も希有(けう)と為す」云云。

一 三論(さんろん)宗の云く等

  中論・百論・十二門論を以て所依と為し、宗を立つる故に「三論宗」と云うなり。(また)大論百巻を用ゆ、故に四論宗とも名づくるなり。彼の宗の所立の大旨(たいし)は、大小二蔵・三転法論を立てて一代を判じ、三諦・三観・(はっ)()中道(ちゅうどう)を明かすなり。

「一切経の中に般若経第一」とは、秀句(しゅうく)の下に云く「大唐の伝に云く摩訶(まか)般若は三論宗所依の経なり」云云。大般若経五百四十九巻の真如(しんにょ)(ぼん)に云く「聴聞(ちょうもん)する所の()出世(しゅっせ)の法に随い、皆此れを方便として般若甚深の理趣に会入(えにゅう)す。諸の造作(ぞうさ)する所の世間の事業も(また)般若を以て法性(ほっしょう)に会入す。一事として法性を()ずる者を見ず」已上。  

一 真言宗の云く等

  「真言」とは陀羅尼(だらに)(じゅ)なり。旧には総持と(ほん)じ、新には真言と訳するなり。大日経七巻三十六品、蘇悉地(そしっじ)(きょう)三巻十四品、金剛頂経三巻三品、此の三部の真言経に依って宗を立つ、故に(しか)云うなり。

「一切経の中に大日の三部経第一」とは、大日経の第一・三に云く「()()なるか菩提。(いわ)く、如実に自心を知る」云云。六度経の第一、帰依(きえ)三宝品に云く「総持門とは(かい)(きょう)等の中に最も()れ第一なり」云云。

一 禅宗の云く等

  (かい)(じょう)()の三学の中に、禅定を(もっぱ)らにする宗なる故に「禅宗」と云うなり。禅定とは、心を一境に(とど)めて余念妄情を()つ、故に禅定と云うなり。依経は楞伽経(りょうがきょう)・金剛経・(りょう)(ごん)経なり。

「楞伽経第一」とは高僧伝十六、(しゃく)僧可の伝六に「達磨(だるま)師、四巻の楞伽経を以て可に授けて云く、(われ)漢の地を()るに(ただ)此の典のみ有り。仁者(にんしゃ)依行して自ら世を()するを得ん」文。「首楞(しゅりょう)(ごん)経第一」とは、是れ五祖(こう)(にん)の弟子の(じん)(しゅう)禅師の末流、北宗の意なり云云。  

一 浄土宗の云く等

  (ただ)念仏を唱えて安養浄土を()す、故に「浄土宗」と云うなり。三経一論に依って立つる所の宗なり。謂く、観経・(そう)(かん)・阿弥陀経、天親菩薩の往生浄土論なり。

()(きょう)相応(そうおう)して第一なり」とは「法華経等は正像二千年の機の為なり。今末法に入っては未だ一人も得る者有らず、千中無一なり。(ただ)浄土の三部経のみ十即十生、百即百生、(ただ)浄土の一門のみあって通入すべき路の法なり」故に「第一」と云うなり。(つぶさ)に諸文の如し。


                     つづく
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by johsei1129 | 2016-03-01 20:36 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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