一 譬えば秋冬(乃至)如し文。
此の下は妙用の具徳、亦二。初めに治し難きを能く治することに約して釈し、次に「されば諸経にしては」の下は結前生後。初めの釈に亦二。初めに総じて明かし、次に「提婆」の下は別して明かす、三。初めに悪人成仏、次に女人成仏、三に「妙とは蘇生」の下は二乗成仏云云。「大論」は一百・十七の文なり。「妙楽」は弘の六末八、籤の六・七十一。
一 提婆達多文。
此の下は悪人成仏、亦二。初めに達多の作仏を明かし、次に「提婆が三逆」の下は況して結す。初めに亦二。初めに正釈、次に「爾前の経経・実ならば」の下は権実を判ず。初めの正釈に亦二。初めに爾前堕獄、次に「過去大地」の下は法華作仏。初めの文に亦六。初めには達多の種姓、次に出家学道、三に具に三逆を犯す、四に弟子檀那、五に現身堕獄、六に人天見聞云云。
一 五法を行じ等文。
法蓮抄を見合すべし。
一 阿闍世太子をかたらいて等文。
会疏三十一巻三十一、往いて見よ。
一 瞿伽梨文。
西域の六巻、大論十三・十七、第二九。
一 女人をば内外典に文。
此の下は女人成仏、亦三。初めに内外の女人を嫌うを明かし、次に「此くの如く諸経に」の下は法華の作仏を明かし、三に「此の南閻浮提」の下は結。
又御書二十二・二十、十九・五十九、類雑十・二十二、沙石四・十七等、往いて見よ。啓蒙二十九・五十六。
一 華厳経に云く文。
宝物集下四、即ち今の所引に同じ。二蔵義の十五・五には「宝積経に云く」等云云。是等は古来の伝説と見えたり云云。
一 大涅槃経等文。
会疏十・十三。「又云く」等文。啓蒙の中を往いて見よ。
一 大論には、清風は等文。
大論の十四・十六。
一 妙とは蘇生の義等文。
此の下は二乗作仏を明かす、亦二。初めに妙の義を明かす、即ち法・譬・合あり。次に「天台」の下は文を引いて釈す。
問う、合譬の文には「二乗・闡提・女人」と云う。何ぞ但二乗作仏と云うや。
答う、是に先ず妙の義を挙ぐ。故に通じて蘇生の一類を出すなり。然りと雖も意は正に二乗に在り。故に次に文を引いて釈するには、但二乗に約するなり。故に「二乗・闡提・女人」と云うは、但是れ言は総、意は別なり。
初心成仏抄二十二・二十に云く「仏世に出でさせ給いて四十余年の間・多くの法を説き給いしかども二乗と悪人と女人とをば簡ひはてられて成仏すべしとは一言も仰せられざりしに此の経にこそ敗種の二乗も三逆の調達も五障の女人も仏になるとは説き給い候つれ」云云。
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