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日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 02月 19日

天台宗・岩本実相寺の高僧を教化したことを記された消息【石本日仲聖人御返事】

【石本日仲聖人御返事】
■出筆時期:建治元年(1275年)九月二十日 五十四歳御作
■出筆場所:身延山中の草庵にて。
■出筆の経緯:本抄は前半がかけていたため内容の全体は把握できませんが、駿河の天台宗・岩本実相寺の某高僧に宛てられた消息と思われます。
本抄の追伸で「此の間の学問・只此の事なり」と記されておられるので、この高僧は大聖人より真言と法華経の勝劣の講説を聞き大聖人門下に帰依し、日仲の法名を賜ったと思われます。また実相寺には一切経が収蔵されており、大聖人は立正安国論を著す時にこの実相寺に篭もり一切経を閲したと伝えられておられます。
その由緒ある実相寺の高位の僧であったこともあり、本消息では石本日仲聖人の称号を与えられたと推察されます。

尚、冒頭の「同時に二仏に亘るか、将た又一方は妄語なるか」は、真言の大日如来と法華経の釈迦牟尼仏を意味していると思われ、この事については『真言天台勝劣事』に詳細に説かれておられますので参照して下さい。
■ご真筆:かつて富士大石寺に存在していたが現在は所在不明。
【石本日仲聖人御返事 本文】

 同時に二仏に亘るか、将た又一方は妄語なるか。近来・念仏者天下を誑惑するか。
早早御存知有る可きか。
 抑・駿馬一疋(ぴき)追い遣わさる事・存外の次第か。事事見参の時を期す。恐恐謹言。

  九月二十日        日 蓮 花押

  石本日仲聖人御返事

 此の間の学問・只此事なり。又真言師等、奏問を経るの由風聞せしむ。




by johsei1129 | 2016-02-19 21:36 | 弟子・信徒その他への消息 | Trackback | Comments(0)


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