日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 02月 10日

仏自ら大乗に住したまへり乃至若し小乗を以て化すること乃至一人に於てもせば我即ち慳貪に堕せん、 し説いた【六郎恒長ご消息(仏無間地獄事)】

【六郎恒長ご消息(仏無間地獄事)】
■出筆時期:文永六年(1269)九月 四八歳御作。
■出筆場所:鎌倉 草庵にて。
■出筆の経緯:本抄は身延の地主、波木井実長(はきりさねなが)に宛てられた消息です。
宛名が恒長となっているのは古写本の写し間違いではないかと思われます。波木井実長は念仏の熱心な信者でしたが子息の長義が日興上人の教化で大聖人に帰依するのに続いて、文永六年自身も信徒となり、後の文永十一年には、大聖人に身延の地と草庵を寄進します。
恐らく本書は実長が入信まもない頃に実長の念仏への信仰を断ち切るために分かり訳す念仏無限について説かれたと思われます。
大聖人は「法然上人の選択集に、浄土三部を除きてより以外の一代の聖教、所謂法華経・大日経・大般若経等の一切大小の経を書き上げて捨閉閣抛」と書かれている。しかし法華経の文には「若し人信ぜすして乃至其の人命終して阿鼻獄に入らん」と説かれている。御不審有らば選択を披見あるべし」と諭とされるとともに文末では「日本国六十六箇国島二つの大地は教主釈尊の本領なり。娑婆以て此くの如く全く阿弥陀仏の領に非ず」と断じられておられます。
しかし波木井実長は大聖人御遷化の後、日興上人の懸命な指導にも関わらず六老僧の一人日向の影響を受け、神社への参拝を繰り返し念仏の道場を造立するなど謗法に陥ってしまいます。
■ご真筆:現存しておりません。

【六郎恒長ご消息(仏無間地獄事) 本文】

所詮念仏を無間地獄と云ふ義に二有り。一には念仏者を無間地獄とは、日本国一切の念仏衆の元祖法然上人の選択集に、浄土三部を除きてより以外の一代の聖教、所謂法華経・大日経・大般若経等の一切大小の経を書き上げて「捨閉閣抛」等云云。之に付きて上人の亀鏡と挙げられし処の浄土の三部経の其の中に、双観経に阿弥陀仏の因位、法蔵比丘の四十八願に云はく「唯五逆と誹謗正法とを除く」云云。法然上人も乃至十念の中には入れ給ふといえども、法華経の門を閉じよと書かれて候へば、阿弥陀仏の本願に漏れたる人に非ずや。其の弟子其の檀那等も亦以て此くの如し。法華経の文には「若し人信ぜすして乃至其の人命終して阿鼻獄に入らん」云云。阿弥陀仏の本願と法華経の文と真実ならば、法然上人は無間地獄に堕ちたる人に非ずや。一切の経の性相に定めて云はく「師堕つれば弟子堕つ、弟子堕つれば檀那堕つ」云云。譬へば謀叛の者の郎従等の如し。御不審有らば選択を披見あるべし。 是一。 

二には念仏を無間地獄とは法華経の序文無量義経に云はく「方便力を以て、四十余年には未だ真実を顕はさず」云云。次下の文に云はく「無量無辺を過ぐるとも乃至終に無上菩提を成ずることを得じ」云云。仏初成道の時より白鷺池の辺りに至るまで年紀をあげ、四十余年と指して其の中の一切経を挙ぐる中に大部の経四部、其の四部の中に「次に方等十二部経を説く」云云。是念仏者の御信用候三部経なり。此を挙げて真実に非ずと云云。次に法華経に云はく「世尊の法は久しくして後要ず当に真実を説くべし」とは念仏等の不真実に対し南無妙法蓮華経を真実と申す文なり。次下に云はく「仏自ら大乗に住したまへり乃至若し小乗を以て化すること乃至一人に於てもせば我即ち慳貪に堕せん。此の事は為めて不可なり」云云。此の文の意は法華経を仏胸に秘しおさめて、観経念仏等の四十余年の経計りを人々に授けて、法華経を説かずして黙止するならば、我は慳貪の者なり、三悪道に堕すべしと云ふ文なり。仏すら尚唯念仏を行じて一生をすごし、法華経に移らざる時は地獄に堕すべしと云云。況んや末代の凡夫、一向に南無阿弥陀仏と申して一生をすごし、法華経に移りて南無妙法蓮華経と唱へざる者、三悪道を免るべきや。第二の巻に云はく「今此三界」等云云。此の文は日本国六十六箇国島二つの大地は教主釈尊の本領なり。娑婆以て此くの如く全く阿弥陀仏の領に非ず。「其中衆生悉是吾子」云云。日本国の四十九億九万四千八百二十八人の男女、各父母有りといへども、其の詮を尋ぬれば教主釈尊の御子なり。三千余社の大小の神祇も釈尊の御子息なり。全く阿弥陀仏の子には非ず。 

文永元年甲子九月 日         日蓮 花押
南部六郎恒長殿




by johsei1129 | 2016-02-10 23:04 | 弟子・信徒その他への消息 | Trackback | Comments(0)
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