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2019年 10月 13日
【小乗小仏要文】 ■出筆時期:観心本尊抄を著された(文永十年四月二十五日)以降と思われます。 ■出筆場所:佐渡若しくは身延草庵にて。 ■出筆の経緯:本抄で図示された小乗には、法華経本門の一品二半以外の一切経が全て含まれる。 これは『観心本尊抄』で説かれた「本門に於て序・正・流通有り。過去大通仏の法華経より乃至現在の華厳経乃至迹門十四品・涅槃経等の一代五十余年の諸経・十方三世諸仏の微塵の経経は皆寿量の序分なり。一品二半よりの外は小乗教・邪教・未得道教・覆相教(ふそうきょう)と名づく<中略>在世の本門と末法の始めは一同に純円なり、但し彼は脱・此れは種なり。彼は一品二半・此れは但題目の五字なり」をそのまま図示されたものである。故に本抄は観心本尊抄を著された後に、弟子に観心本尊抄の極意を教化するために記されたと推察され、出筆時期は伝えられている文永七年ではなく、文永十年以降ではないかと推知致します。 ※一品二半については『法華取要抄』を参照して下さい。 ■ご真筆:中山法華経寺[巻子1巻:十紙]所蔵(重要文化財)。 【小乗小仏要文 本文】 ┌華 厳 ┌大 日 経── 真言宗 ├阿 含 ├観 経 等── 浄土宗 小乗┼方 等─┼深密経等── 法相宗 │ └楞 伽 経(りょうがきょう)── 禅 宗 ├般 若─―─三論宗 ├無量義経 └法華経迹門の十四品と本門薬王菩薩本事品第二十三以下の六品、並びに普賢・涅槃(ねはん)経等。 ┌応 身─┬劣応身 │ └勝 応 身 小仏┼報 身──華厳経ルサナ仏 ├大日経等ビルサナ仏 └並びに迹門涅槃経等の仏 迹仏 涌出品に云く「阿逸(あいつ)・汝当に知るべし是の諸の大菩薩、無数劫(むしゅこう)よりこのかた仏の智恵を修習(しゅうじゅう)す。悉(ことごと)く是れ我が所化なり。大道心を発(おこ)さしむ。此等は是れ我が子なり。是の世界に依止(えし)せり」。 玄の七に云く「六に本説法妙とは経に言く、此等我が所化なり。大道心を発(おこ)さしめ・今皆住不退に住すと。我が所化とは正く是れ説法して大道心を発さしむるは小の説に非ざることを簡(えら)ぶなり。此れ本時の説を指して迹説を簡非するなり。迹説・多種なれども若し涅槃(ねはん)に依(よ)れば」等云云。 華厳経に云く「寂滅道成に始めて正覚を成ず」。 増一阿含経の十に云く「仏摩竭(まかつ)国に在(おわ)し道樹の下にして爾の時に世尊得道未だ久からず」。浄名経に云く「始め仏樹に坐して力(つとめ)て魔を降す」。 大集経に云く「如来成道始めて十六年なり」大日経に云く「我昔道場に坐し四魔を降伏す」仁王般若経に云く「大覚世尊、先ず我が為に二十九年」。 無量義経に云く「我先に道場菩提樹下に端坐(たんざ)する事六年、乃至四十余年」。 法華経の方便品に云く「我始め道場に坐し・樹を観じ亦経行(またきょうぎょう)し、三七日の中に於て是くの如き事を思惟(しい)す」。籤(せん)の七に云く「大乗の融通(ゆうずう)過ぎたること無し」。 華厳経の初に云く「菩提道場にして始めて正覚を成ず。故に知んぬ。大小識成(しきじょう)・皆近(かいごん)なり」。 寿量品に云く「爾時に世尊、諸の菩薩の三たび請じて止まざるを知ろしめして之に告げて言たまはく。汝等諦(あきら)かに聴け、如来の秘密神通の力を。一切世間の天人及び阿修羅は、皆今の釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)は釈氏の宮を出でて伽耶城(がやじょう)を去ること遠からず、道場に坐して阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)を得たりと謂(おも)へり。然るに善男子、我・実に成仏してより已来(このかた)、無量無辺百千万億那由佗劫(なゆたこう)なり」等云云。 文句の九に云く「仏三世に於て等しく三身有り。諸教の中に於て之を秘して伝へず。故に一切世間の天人修羅は・今の仏は始めて道場に於て此の三身を得たりと謂(おも)へり。故に近(ごん)に執して遠(おん)を疑ふ」。 寿量品に云く「諸の善男子、如来は諸の衆生の小法を楽(ねが)へる徳薄垢重(とくはく・くじゅう)の者を見ては・是の人の為に我少(わか)くして出家し阿耨多羅三藐三菩提を得たりと説く。然るに我実に成仏してより已来久遠(このかた・くおん)なること斯くの若し」。 文句の九に云く「一 約往日 ○二 約現在 ○三 約修行 ○四果門に約せば、近成(ごんじょう)の小を聞かんと楽(ねが)ふ者は釈氏の宮を出で始めて菩提を得たりとし、長大久遠(ちょうだいくおん)の道を聞かん事を欲楽(よくぎょう)せず。故に楽小(ぎょうしょう)と云ふ。此等の小心は今日に始まるに非ず。若し先に大を楽(ねが)はば仏即ち始成(しじょう)を説かず。始成を説くことは皆小法を楽(ねが)ふ者の為のみ」 又云く「諸の衆生小法を楽ふ者とは所見の機なり。華厳(けごん)に云く、大衆清浄なりと雖も其の余の楽小法(ぎょう・しょうぼう)の者は、或は疑悔(ぎげ)を生じ・長夜に衰悩(すいのう)せん。此れを愍(あわれ)むが故に黙(もく)す。 偈(げ)に云く、其の余の久しく行ぜざるは智恵未だ明了ならず、識(しき)に依(よっ)て智に依らず。聞き已(おわ)って憂悔(うげ)を生じ、彼・将(まさ)に悪道に堕(お)ちんとす。此れを念ふが故に説かずと。彼の経を案ずるに声聞・二乗無し。但久しく行ぜざる者を指して小法を楽(ねが)へる人と為すのみ。 師の云く、楽小(ぎょうしょう)は小乗の人に非ざるなり。乃ち是れ近説(ごんせつ)を楽(ねが)ふ者を小と為すのみ」 文句の九に云く「徳薄とは縁・了の二善、功用微劣(くゆうびれつ)なれば下の文に諸子幼稚(ようち)と云ふなり。垢重(くじゅう)とは見思(けんじ)未だ除かざるなり」。 記の九に云く「徳薄垢重とは其の人未だ実教の二因有らざる故なり。下の文に諸子幼稚と云ふは下の医子の譬(たとえ)の文を指す。尚未だ円を聞くに堪へず、況(いわん)や遠を聞かんをや。見思未除(けんじ・みじょ)とは且(しばら)く譬への中の幼稚の言を消(しょう)す。定めて未だ遠を知らず」。 玄の一に云く「厚く善根を殖(う)ゑて此の頓説(とんせつ)を感ず」文。籤の一に云く「一往は総じて別円(べつえん)を以て厚と為す」。 五百問論に云く「一経の中に本門を以て主と為す」云云。 又云く「一代教の中に未だ曽(かつ)て遠(おん)を顕さず。父母の寿は知らずんばあるべからず。始めて此の中に於て方に遠本(おんぽん)を顕す。乃至・但恐る、才一国(さい・いっこく)に当るも、父母の年を知らざれば失ふ所(ところ)小と謂(い)ふも、辱(はずか)しむる所至って大なり。若し父の寿の遠きを知らざれば復父統(また・ふとう)の邦に迷ふ。徒(いたずら)に才能と謂ふも全く人の子に非ず」。 文句の九に云く「菩薩に三種有り。下方と他方と旧住(くじゅう)となり」。 玄義の七に云く「若し迹因(しゃくいん)を執(しゅう)して本因と為さば、斯れ迹を知らず、亦本を識らざるなり。天月を識らずして但池月を観(み)るが如し。○払迹顕本(ほっしゃくけんぽん)せば即ち本地の因妙を知る。影(かげ)を撥(はら)って天を指すが如し。云何(いかん)ぞ盆に臨んて漢(そら)を仰がざる。嗚呼・聾駭(ああ・ろうがい)・なんすれぞ道を論ぜんや」。 又云く「若し迹果を執(しゅう)して本果と為す者は斯れ迹を知らず、亦本を識らざるなり。本より迹を垂るるは月の水に現ずるが如く、迹を払て本を顕すは影を撥(はら)うて天を指すが如し。当(まさ)に始成(しじょう)の果を撥(のぞ)けば、皆是れ迹果なるべく、久成(くじょう)の果を指すは是れ本果なり」。 又云く「諸土は悉(ことごと)く迹土なり。一には今仏の所栖(しょせい)の故に。二には前後修立(しゅうりゅう)の故に。三には中間所払(しょふつ)の故に。 若し是れ本土は今仏の所栖に非ず。今仏の所栖は即ち迹土なり。若し是れ本土は一土・一切土にして前後修立なるべからず。浅深(せんじん)不同なり。 ○迹を執(しゅう)して本と為す者は此れ迹を知らず、亦本を識らざるなり。今迹(いま・しゃく)を払って本を指すときは、本時所栖の四土は、是れ本国土妙なり」 |--蔵因・三祇(ぎ)百劫(こう)菩薩・・未断見思 迹仏--|--通因・動喩塵劫(どうゆじんこう)菩薩・・見思断 |--別因・無量劫菩薩・・・十一品断無明 |--円因・三千塵点劫菩薩・四十一品断無明 |--<劣応>--蔵--〈草座〉三十四心断結成道 迹仏果|--<勝応>--通--〈天衣〉三十四心見思・塵沙断の仏 |--<報身>--別--〈蓮華座〉十一品断無明の仏 |--<法身>--円--〈虚空座〉四十二品断無明の仏
by johsei1129
| 2019-10-13 19:31
| 重要法門(十大部除く)
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